日本血液学会 会員 各位
造血器疾患に対するゲノムプロファイリング検査(ヘムサイト®)が臨床実装され、germline findings (生殖細胞系列の病的バリアント)に遭遇する場面が多くなることが予測されます。固形腫瘍分野においては、ACMG (American College of Medical Genetics and Genomics) や、厚労科研小杉班の「がん遺伝子パネル検査二次的所見患者開示 推奨度別リスト」等のガイドラインが存在しますが、造血器腫瘍のgermline findingsの取り扱いに関しては、固形腫瘍のものとは遺伝子が異なることや、同種造血幹細胞移植における配慮など、特有の論点があり、造血器分野に特化したガイドラインの必要性が求められています。今回、日本血液学会ゲノム医療委員会では、造血器腫瘍及びその類縁疾患におけるgermline findingsへの対応における参考となる情報を提供すべく、「造血器腫瘍におけるgermline findingsの取り扱いガイド 1.0版」を作成いたしました。遺伝子パネル検査が保険適用となり、造血器腫瘍分野におけるゲノム医療がますます発展することが見込まれます。日常の臨床現場において、このガイドをご活用頂きますようお願い申し上げます。
2025年4月30日
日本血液学会ゲノム医療委員会