日本血液学会

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理事長挨拶

更新日時:2020年11月19日

新たな第一歩を踏み出すにあたって

 2020年10月10日、一般社団法人日本血液学会理事長に就任いたしました。80年を超える歴史を持つ伝統ある日本血液学会の理事長という大任を仰せつかることとなり、その責任の重さを痛感しております。
 血液学は、内科学の中で重要な1つの学問分野を占めており、本学会には、「学術活動」として、わが国の血液学を基礎医学、臨床医学において発展させる責務があります。
そのためには、現在の研修医・専門医制度のもとで力を削がれつつある基礎血液学のボトムアップが必要です。このため、この10月から学会活性化委員会を新たに組織し、基礎血液学の発展を支援することに致しました。臨床研究に関しましては、臨床研究法が制定され、以前と比べるとその実施が困難な状況にあります。このような状況下でも、企業との関係において中立性・透明性を維持しつつ、できる限りオールジャパンの体制で、わが国独自のエビデンスを世界に発信していかなければなりません。そして、これらの研究成果をもとにして、欧米の血液学会と対等に渡り合い、アジアの中でのプレセンスを高めていければと考えております。
 また、本学会の社会的役割として「診療」があります。現在、約500の研修施設が認定されていますが、国内のどこに住んでいても、血液疾患については、必要かつ十分な治療を受けることができる診療体制を維持していく必要があります。現在、当学会には8つの地方会組織がありますが、今回、地方会活性化委員会を組織させていただきました。本委員会を通じて、今後、これらの地方会と緊密な連携をとり、各地方会の活動を積極的に支援していきたいと考えております。
 
また、本学会が、社会的役割を果たすためには、学会員の先生方だけではなく、行政や企業、また患者会などから、これまで以上に幅広く意見を取り入れることが重要です。また、逆に、学会から社会にメッセージを発することも重要と考えています。このため、これらの役割を担当する診療委員会を拡充致しました。
 
「学術活動」、「診療」を発展させるためには、人材育成のための「教育」にも注力しなければなりません。これまでも研修医、若手医師を対象として、専門医の育成に尽力して参りました。しかし、それだけではなく、専門医が高いレベルでの血液診療を継続できるよう、生涯教育を行う必要があります。これらに加えて、今回、将来、本学会の中核を担う中堅の先生方に大きく飛躍いただけるような機会を、何らかの形で設けたいと考えております。
 
2008年に日本血液学会と日本臨床血液学会が統合され、現在の日本血液学会の体制となりました。この10年間は、金倉 讓前々理事長、赤司 浩一前理事長のもとで数々の改革がなされ、「学術・診療・教育」を支援し、発展させるための組織作りが行われてきました。今回、これらを支えてこられた多数の理事の先生方が退任されました。しかし、多数の新しい理事の先生をお迎えしました。本学会が目指す方向性に変わりはありませんが、新しい理事の先生方を加えて、10年、20年後の本学会のあるべき姿を目指して、新たな第一歩を踏み出したいと考えております。
 
今回、総務委員長を赤司浩一前理事長、副理事長を高折晃史先生、張替秀郎先生にお願いしました。これらの先生方とともに、理事・評議員・会員の皆様のご協力を得て、本学会の発展のために、全力を尽くす所存ですので、何卒、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

 

令和2年11月
一般社団法人日本血液学会 理事長
松村 到

 

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