日本血液学会

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第87回日本血液学会学術集会
The 15th JSH International Symposium 2025 in Saga

理事長挨拶

更新日時:2024年11月22日NEW

 

 この度、一般社団法人日本血液学会理事長に就任いたしました。伝統ある日本血液学会の理事長という大任に、身の引き締まる思いです。会員の皆様に一言ご挨拶申し上げます。
 
ご存じのように、本学会は、日本における血液学全てを束ねる唯一の学会であります。言うまでもなく、本学会の大きな使命は、学術団体として、「研究活動」を推進することであります。我が国の血液学を基礎医学・臨床医学の観点から発展させ、世界をリードする研究成果をあげることが責務であります。現代の基礎血液学の最先端研究は、膨大なデータを処理し統合すると同時に、臨床検体や臨床データを収集する必要があり、単一の研究室では世界に対抗することが困難になりつつあります。そのため、基盤整備として、オールジャパンの体制で、レジストリの拡充や臨床研究の体制を整えることを学会が中心となり推進できればと考えております。また、その中で、「国際化」も重要な課題です。ASHやEHA、そしてアジアの血液学会との交流を深めるとともに、欧米に渡り合い、世界にプレゼンスを示すよう努力したく存じます。
 次に、学会の大きな使命は「診療活動」の推進です。日本中で格差なく均質な先進医療の提供を実現することが責務であります。これに関しては、地域格差の均霑化を推進するにあたり、松村前理事長が新たに始められた地方活性化委員会を中心に、問題点の抽出と具体的な対策に向けて動きたいと考えています。この度主催した第86回学術集会では、「community hematologists」のセッションを設けたところ、多くの演題と会場での熱気あふれる議論が展開され、改めてその重要性を感じました。また、欧米諸国からのドラッグラグ・ドラッグロスを是正するために、global企業に働きかけ、薬剤開発の早い段階からの日本の参入に学会としても取り組みたいと考えています。
 
さらに、人材育成のための「教育」も大きな使命であります。これに関しては、世界的なリーダーになる研究者、臨床医を育成すると同時に、優秀な血液内科医を全国にあまねく育成すべく地域での血液内科医育成も重要な課題であると考えます。日本血液学会の会員数、血液専門医の数は漸増しておりますが、患者数の増加や診断・治療の複雑化により、血液内科医への需要や負担は増加する一方であり、また、働き方改革に対応しながらもこれらのデマンドに応えていくためには、さらに若手医師を育成する必要があると考えています。引き続き、若手医師育成のための教育プログラムの拡充を図りたいと思います。さらに、「女性医師活躍」もまたこれまでに学会が尽力してきた課題ではありますが、これまで以上に、女性医師の活躍の場を創出したく存じます。
 
幸い、日本血液学会はこれまでの長い伝統に支えられると同時に、この10年間、赤司浩一前々理事長、松村到前理事長の強力なリーダーシップの元、これらの課題に継続的にかつ柔軟に対応してこられ、その基盤は非常に強いものと感じております。私の使命は、これまでの方向性を保ちつつ、さらに学会が発展するように微力ながら尽力させていただくことであると信じております。そのうえで、社会や世界の変化に対応し、時代に即しながら、10年後、20年後を見据えて学会をより良い方向にかじ取りしたいと考えております。新たな執行部である副理事長の張替秀郎先生、宮本敏浩先生、総務委員の赤司浩一先生、滝田順子先生を中心に、新たな理事の先生方、そして評議員、学会員の皆様の御協力を得て、学会の発展に全身全霊を尽くす所存ですので、皆さまのご支援を何卒よろしくお願い申し上げます。

 

令和6年11月
一般社団法人日本血液学会 理事長
高折
晃史

 

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