日本血液学会

日血ニュース<メール便>

2021年6月 「日本における血液疾患患者を対象とするCOVID-19罹患状況、予後に関する横断研究」登録開始のお知らせ

更新日時:2021年6月7日

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                                 日 本 血 液 学 会 ニュース

                                  2021年6月4日(金)号
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「日本における血液疾患患者を対象とするCOVID-19罹患状況、予後に関する横断研究」登録開始のお知らせ


日本血液学会会員 各位


2019年12月、中国の湖北省武漢市において新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)による肺炎患者の集団感染が発生しました。
SARS-CoV-2により引き起こされる急性呼吸器感染症はCOVID-19と命名され、同ウイルスの感染は瞬時に全世界へと拡大しました。
感染症の実態、治療および予後を明らかにするために、世界で様々な登録事業が立ち上げられ、本邦においてもCOVID-19に関する
レジストリ研究( https://covid-registry.ncgm.go.jp/ )が走っています。一方、血液疾患患者は、疾患自体あるいはその治療により免疫不全状態にあることが多く、予後不良であることが世界各国より報告されています。米国血液学会ASHは血液疾患患者のCOVID-19感染症について患者登録サイトを設け、集積されたデータのサマリーを随時ホームページ上に更新・公開し、その動向を注視しています。

日本血液学会においても、本邦の血液疾患患者における罹患状況、予後および予後因子を明らかにするための観察研究を開始することを目的に、2020年10月にCOVID-19レジストリ研究ワーキンググループが立ち上げられました。そして、半年間におよぶ議論を経て、研究計画書の完成をみました。
本研究の主要評価項目は、国内の血液疾患患者におけるCOVID-19 罹患状況および短期予後であり、副次的評価項目は、国内の血液疾患患者におけるCOVID-19 感染時までの原疾患と治療状況およびCOVID-19感染症の詳細、治療反応性・安全性です。対象は、
日本血液学会の疫学調査「血液疾患症例登録」に登録されている(登録予定も含みます)血液疾患患者であり、COVID-19の確定診断がなされ、2か月までの予後が確定した患者です。目標症例数は100例で、登録期間・解析期間ともに1年を予定しております。データ解析は名古屋医療センターに委託させて頂きました。
研究にご参加いただけるご施設は、日本血液学会専門研修認定施設・専門研修教育施設となりますので、倫理審査委員会/IRBへの報告(研究はオプトアウト方式、迅速審査をお勧めします)など、各施設の規定に従った必要なお手続きをお取り頂き、ご施設のIRB承認書をPDFファイルにし、日本血液学会事務局宛( covid19study@jshem.or.jp )にメールでご提出ください。
その後データセンターでIRB審査結果通知書を確認し、順次EDC利用開始手続きを進めます。EDC利用開始手続きが完了次第、データセンターより施設責任者宛てにメールにてご連絡いたします。
※倫理審査に必要な書類はサイト( http://www.jshem.or.jp/modules/research/index.php?content_id=15 )からダウンロード
可能です。
 
昨今は変異株の拡大とワクチン導入によりCOVID-19を取り巻く環境も様変わりしつつあります。そのような中で、本研究は、
本邦の血液疾患患者におけるCOVID-19の予後・予後因子を明らかにする貴重なプロジェクトでございます。何卒ご理解賜りまして、ご参加頂けますようお願い申し上げます。


JSH-COVID19-20 
研究代表医師
三谷 絹子(獨協医科大学 血液・腫瘍内科)
研究事務局
皆方 大佑(自治医科大学 血液科)

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