日本血液学会

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第86回日本血液学会学術集会
The 14th JSH International Symposium 2024 in Hakodate

ゲノム知識データベースキュレーター募集のお知らせ

更新日時:2021年12月27日

 日本血液学会ゲノム医療委員会からのご案内です。
 
会員の皆様もご承知のとおり、固形癌分野では癌の遺伝子異常を網羅的に検出する「遺伝子パネル検査」(以下パネル検査)が、2019年に保険償還されました。造血器分野においても、近い将来のパネル検査の臨床実装に備えて、ゲノム医療の体制を整備する必要があります。その一環として、このたび各遺伝子異常の臨床的意義付けを行う専門家(curator:キュレーター)を募集致します。
 パネル検査では、検出した遺伝子変異を、診断・治療法選択・予後予測の各観点から専門家会議(いわゆる「エキスパートパネル」)において検討し、患者さんに最終結果を返却します。2021年12月現在、がんゲノム医療中核拠点病院( 12施設)、がんゲノム医療拠点病院(33施設)、がんゲノム医療連携病院(183施設)でパネル検査の実施が可能であり、中核拠点病院・拠点病院でのみエキスパートパネルが開催されています。国のがんゲノム情報管理センター(C-CAT)では、パネル検査によって得られた情報を、患者さんの同意を得たうえで一括して集約・保管するとともに、検査結果の解釈・臨床的意義付けを行うためのがんゲノム知識データベース(Cancer Knowledge DataBase: CKDB)を構築しています。エキスパートパネルでは、CKDBに基づいて作成されたC-CATレポートと検査会社からのレポートを参照し、患者さんごと検査結果の臨床的意義を検討します。CKDBはC-CATのレポート作成の基礎となるデータベースであり、ゲノム医療の実践において非常に重要な役割を担うため、固形癌分野では全国から数十人のキュレーターが選出され、その構築・アップデートが行われています(https://www.ncc.go.jp/jp/c_cat/jitsumushya/020/index.html)。
 
造血器腫瘍では変異をきたす遺伝子やゲノム情報の活用法が固形癌と大きく異なるため、ゲノム医療の実装に向けて造血器腫瘍に関連した情報をCKDBに反映させ、データベースをより充実させる必要があります。そこで、日本血液学会ゲノム医療委員会、厚生労働科学研究赤司班では、委員が所属する各施設より18人のキュレーターを選出致しました(チームリーダー:南谷泰仁 東京大学医科学研究所血液腫瘍内科 教授)。このたび、より多くの先生にキュレーターとしてご参加いただくために、10人程度のキュレーターを日本血液学会の学会員より公募致します。応募いただく際の条件は特にございませんが、医師、医学博士、および理学博士の方で、日本の教育・研究・病院施設にお勤めの方に限ります。民間企業の所属の方は対象になりません。応募を希望される方は、こちらのオンラインフォームよりご応募ください。締切は2022年1月31日です。日本血液学会ゲノム医療委員会にて選考のうえ、2022年2月末までに、選考結果をメールにてお伝え致します。多くの方のご応募をお待ちしております。

 
日本血液学会ゲノム医療委員会委員長
赤司 浩一
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