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2019 HOA 派遣レポート 河村浩二

更新日時:2019年9月26日

 この度、日本血液学会からの推薦をいただき、2019年2月23日~24日にかけてタイのバンコクで開催された2019 Highlights of ASH(HOA)in Asia-Pacificに参加させていただきました。これまで海外学会には何度か参加したことがありますが、内向的な性格もあり、なかなか他施設の先生方と交流する機会は少なく、ましてや外国の方との交流は、言語の壁も加わってほとんどありませんでした。実は、2019HOAに応募した一番の動機は、日本並びにアジアの国々の先生方と交流することでした。
HOAは、学会開催日の前日にtraineeの教育および交流を目的としてClinical Research Trainee Dayが設けられることが慣例になっています。日本からの参加者にとって、HOAのHighlightは、まさにTrainee Dayだと思います。午前中は、clinical questionから臨床研究への橋渡しの方法、臨床研究のデザイン、論文の書き方や投稿時の注意点、registryの作成や他施設共同研究の方法などについて、分かりやすい講義(もちろん英語ですが・・・)がありました。多少臨床研究をかじっている者としては、自分の知識を整理する上でも有意義でした。また、講義内容も素晴らしかったですが、講義を担当してくださった先生の熱量に感銘を受けました。実際、日本ではなかなかこのような臨床研究についての系統だった講義を受ける機会は少なく、私見で恐縮ですが、日本血液学会においても、若手の先生を対象にしたこのような学ぶ機会があると、我が国の臨床研究の発展の一助になるのではないかと思います。
 午後からは、small groupに分かれて、自分自身の臨床研究のテーマについて討論しました。私は英語に難があり、読み書きはできても、聞くことと話すことは、全然できないという典型的な日本人ですので、打ち込まれたボクサーが1ラウンド3分間を何とか防御に徹して耐えるがごとく、最初のうちはひたすらガードして耐えて(聞いて)いました。最後になって、少し手数を出して(発言を)して何とかTKOを免れました。討論を通して、国によって、臨床や研究の環境が異なっており、やはりアジアの中では、日本は環境には恵まれていること、selection biasがあるとはいえ積極的に発言するアジアの国々からの参加者の先生が多いことがとても印象的でした。また、女性の参加者が多かったのも日本とは異なる点でした。Trainee Day以降の2日間は、主に疾患別に最新のデータに基づいた教育公演のような内容でした。疾患横断的に学習できるので、勉強不足の分野については特に知識のアップデートに役立ちました。この度のHOAの経験を糧に、微力ながら今後も日本で臨床研究や基礎研究を進めていこうと思います。
学会後は、一緒に参加した日本人の先生方と食事に行って、色々とお話し、交流できたことも大きな喜びでした。垣内先生、立花先生、中村先生、原田先生、3日間ありがとうございました。また、Facultyのお一人でもあります横浜市立大学の中島教授にも大変お世話になりました。来年度以降のHOAへの参加に興味がある先生方がおられましたが、ぜひ参加することをお勧めします。私のように英語ができなくても、多少不自由するぐらいで、十分な刺激と貴重な経験を得ることができます。しかも、費用はただの上に飛行機やホテルの手配まで全てやっていただけるのです。
  最後になりましたが、このような貴重な機会を与えて下さいました日本血液学会、米国血液学会の関係各位の皆様方、快く送りだしていただいた神田教授をはじめとする自治医大さいたま医療センターの血液科の先生方に感謝申し上げます。



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