日本血液学会

学会賞| Award
関連ページ
第86回日本血液学会学術集会
The 14th JSH International Symposium 2024 in Hakodate

2019 HOA 派遣レポート 原田介斗

更新日時:2019年9月26日

 このたびはタイ・バンコクで行われた2019 Highlights of ASH in Asia-Pacificに参加させていただきました。簡単ではありますが、3日間で感じたこと、学んだことなどを報告させていただきます。
 初日のClinical Research Trainee Dayではアジア各国から数名ずつ医師が参加し、臨床研究を行うにあたっての知識から論文作成のtipsまで講義があり、とても勉強になるものでした。日本ではなかなかこのように臨床研究立案から論文作成までの講義を受ける機会はありませんので、ぜひ今後日本血液学会でもこのようなレクチャーを行っていただけたら血液内科医師全体のレベルアップにつながるのではと感じました。午後には小グループに分かれてそれぞれの行っている、もしくは行ってみたいと考えている研究についてのdiscussionを行いました。国籍、医療環境は違っても、抱えているclinical questionは共通するものも多く、それぞれの研究について意見を言い合うことはとても勉強になりました。しかしこのdiscussionにおいてに一番の衝撃は、英語が1st languageではないアジア各国の医師たちが英語のdiscussionを全く問題としていなかったことでした。あらためてこれからの時代、英語は当然のように必要になり、今後世界に情報を発信していくには英語力の研鑚が必要不可欠であることを痛感しました。
2日目、3日目は各分野のエキスパートによる2018年のASHで報告された内容を踏まえての教育講演が行われました。広大な敷地で歩き回らなければならないASHとは異なり、1部屋で順番に講義が行われるため、移動の手間が全くないことが印象的でした。内容はまさにASHのハイライトという感じで、非常に効率よく各分野の最新情報をupdateすることができました。特にAMLにおいては長らく新規薬剤がなく成績の大きな改善が見られなかった中、続々と新薬が出てきており、今後数年で治療に大きなパラダイムシフトが起こるであろうことに興奮を覚えました。ALLにおいても新規にでてきた2剤の薬剤を今後どのように使っていくのか、とても示唆に富む内容でありました。
夜には同じく日本から派遣された先生方とお酒を飲みながら研究や臨床、将来のことなどたくさん話をさせていただきました。なかなか他施設の同世代の先生方と異国の地でお酒を飲む機会はありませんので、とても有意義な時間でした。
 バンコクは日本との気温差が30度程度あり、日中の暑さはかなりのものでありましたが、それに負けないくらい熱い3日間の学会参加でありました。アジア各国の医師やASHの各分野のエキスパートとのdiscussion、他の派遣Drとの談義を通じ、非常に多くのことを感じ、考えさせられた3日間でした。今回学んだことを今後の臨床、研究に役立てるとともに、後輩にも学んだことを伝えて行けたらと思います。最後に、このような素晴らしい機会を与えて下さったASH、日本血液学会国際委員会および委員長の三谷絹子先生、現地で素晴らしいお話をしてくださった中島秀明先生、そして一緒に学会に参加した先生方に心より感謝申し上げます。また、忙しい病棟を引き受けて学会へ送り出してくださった東海大学血液内科の皆様にも深く感謝申し上げます。



派遣レポート一覧ページへ戻る

関連ページ
このページの先頭へ