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第80回日本血液学会学術集会
The 10th JSH International Symposium 2019 in Ise-Shima

2018 HOA 派遣レポート 宮崎拓也

更新日時:2018年6月4日

 

このたび,インドネシア・バリ島で開催された2018 Highlights of ASH in Asia-Pacificに参加させていただきました。まずは,このような素晴らしい機会を与えて下さったASHおよび日本血液学会の関係者の皆様に深く感謝致します。訪れた3月のバリは雨季も終わりに差し掛かり,到着日には突然のスコールに見舞われたものの,思ったほど湿度も気にならず,その後はさわやかな晴天が続きました。学会が開催されたバリ島南部のヌサドゥアはビーチに囲まれたリゾート地であり,その誘惑に耐えながらの学会参加となりましたが,ひとたび会場に入ればインパクトのある講演が目白押しで,とても興味深く学ぶことができました。
まず初日のClinical Research Trainee Dayでは,アジア各国から集まった医師達と共に,traineeとして参加しました。ASHのエキスパートより臨床研究の計画立案から統計解析,論文作成まで各ステップについての講義を受けました。さらに,group discussionのセッションでは,ASHのエキスパートを囲んで各国の医師と臨床研究に関するdiscussionを行いました。私のグループでは,フィリピン,スリランカ,マレーシア,ベトナム,台湾の医師と交流する機会となりましたが,アジア各国によって医療水準のみならず文化の違いもあり,臨床研究を行う環境も各国で大きな違いがあることを実感しました。しかし,その中でも医療に対して情熱をもち,意欲的に研究を行うアジア各国の医師達の姿勢に感銘を受けました。本邦でも臨床研究を行うには様々な壁がありますが,研究へのモチベーションとアイデアさえあれば,どのような研究でも積極的にチャレンジする価値があると感じました。
2日目と3日目は,Highlights of ASHとしてASH annual meetingの総括が行われました。各疾患の最新の知見がまとめられ,大変効率よく重要なポイントをアップデートすることができました。急性骨髄性白血病では,FLT3やIDH阻害の新規薬剤の臨床成績や,NGSを用いた微小残存病変の評価が再発の指標としての有用性の発表から,今後も一層,分子学的なアプローチが治療選択や効果判定に重要となることを感じました。また,同種造血幹細胞移植では,特にHLA半合致移植に関する研究成果の蓄積が進んでいる印象を受けました。多発性骨髄腫では,新規薬剤を用いたレジメンと自家移植の比較試験の成績が示され自家移植が最もインパクトを持つこと,移植非適応の骨髄腫の治療ではdaratumumabを含むレジメンが予後を改善させることが確認できました。悪性リンパ腫では,再発および治療抵抗性DLBCLに対するCAR-T cell therapyが有効な治療方法として結論付けられましたが,重篤な有害事象の厳格な管理法の確立も必要と感じました。
今回,3日間と短い期間でしたが,多くのことを考えさせられ,大変勉強になりました。特に,ASHのエキスパートやアジアの医師達との交流やdiscussionは,またとない機会であり,自身のモチベーションが高まる経験でした。そして,共に日本血液学会より派遣された先生方と交流する機会が得られたことは何より貴重でした。先生方と親睦を深めることができ,このHighlights of ASHの参加が何倍にも有意義なものになりました。この交流の中で,自身の益々の研鑽が必要であることを痛感しつつ,これらの経験を日々の臨床と研究に活かしていきたいと思います。最後になりましたが,日本血液学会国際委員会および事務局の皆様,そして,不在中にご迷惑をおかけした病棟スタッフおよび医局の皆様に心より感謝致します。


     
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