日本血液学会

English
会員専用ページログイン
学会賞| Award
関連ページ
第80回日本血液学会学術集会

2018 HOA 派遣レポート 前川隆彰

更新日時:2018年6月4日NEW

この度は3月8日から3月10日までバリ島で開催された2018 Highlights of ASHに参加させて頂きました。拙い文章ではございますが,現地の空気などを感じて頂ければ幸いです。また,この場をお借りしまして,多忙の中快く研修に送り出して下さった木村文彦教授および当科医局員の皆様,そして家族に感謝の意を表します。
バリ島まで成田空港から飛行機で約7時間,まずは3月8日にASH Clinical Research Trainee Dayという丸1日の研修がありました。参加する前はどういったものなのか全く予想がつかなかったのですが,世界各国の専門家の先生方が研究のtipsについて講義形式とグループセッション形式で分かりやすく教えて下さり,今後の研究に活かせる内容が多く含まれていました。特に印象に残ったのが,タイでthalassemiaなどの研究で多大な業績を上げられたDr. Viprakasitが,決して裕福ではない環境でいかに研究を進めるべきかについて話して下さった講演でした。その中で彼は「自分達アジアの研究者は,欧米のように潤沢な資金やマンパワーを使った研究,いわゆる『ハリウッド映画のような研究』はできない。しかし,ハリウッド映画が常に良作であるわけではなく,逆に限られた予算で作られた映画の中にも観た人々の心を感動させてくれるものは数多くある。資源が乏しいことをむしろチャンスと考えて,自分達にしかできない研究分野を自信を持って開拓していくべきだ。我々は裕福ではない(むしろ貧しい)かもしれないが,決して愚かではない!」と熱く語りました。自分を研究に突き動かすものはpassionだと話す情熱的な先生でしたが,この講演を通してアジアの国々の血液内科医は経済的な問題(例えばミャンマーではrituximabが使用できず未だにCHOPしか施行できない症例が数多くあるなど)に加え,研究体制の不備や指導者の不足など数多くの問題に直面しているという現実を知ることができました。我々の施設も予算や人員確保などの面で様々な制約がありますが,アジアの先生方に比べれば取るに足らないものであるかもしれないと感じた一方で,彼らの壁に立ち向かおうという積極的な姿勢には非常に勇気づけられました。
翌日からのHighlights of ASHは各疾患毎のTopicsを30分にまとめ,2つのセッションが終わる毎に30分の質疑応答の時間がありました。長く感じるかもしれませんが,各国からの参加者の意欲は非常に高く,時間内にすべての質問が受けきれないセッションがいくつもありました。講演の内容についてはここでは書ききれませんが,発表資料の入ったUSBが初日に配られたため,講演を聞きながら資料を眺めたり,後で見直したりと効率よく学習することができたと思います。
この頃になるとバリ島のタクシーにも慣れ(数十円から数百円程度のぼったくりはしばしばありますが),夜は日本からの参加者の先生方と一緒にビールを片手にインドネシア料理を頬張りながら,臨床の話,研究の話,家族の話,将来の話など時が経つのも忘れて語り明かしました。それぞれの施設の違いや専攻分野の違いなどはありましたが,日本から遠く離れた場所でこれだけ同じ日本の血液内科医として親近感を感じることができたのは,とてもありがたいことでした。今後さらに研鑽を積み,国内や国外の学会会場などで成長した姿を見せることができればと思います。
最後に,一緒に研修に参加し,楽しい時間を過ごさせて頂くとともに,数多くの興味深い知識やアイデアを与えて下さった赤星佑先生,松川敏大先生,中山聖子先生,河本啓介先生,宮崎拓也先生,そしてこのような貴重な経験の機会を与えて下さった三谷絹子先生他,すべてのお世話になった方々に深く感謝致します。


派遣レポート一覧ページへ戻る

関連ページ
このページの先頭へ