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2018 HOA 派遣レポート 赤星佑

更新日時:2018年6月4日

この度は2018年3月8日から10日までインドネシア・バリ島で開催されました2018 Highlights of ASH(HOA)in Asia-Pacificに学会推薦という形で参加させていただき,誠にありがとうございました。ここに簡単ではありますが,学会参加報告をさせていただきます。
学会前日に当たる初日は,毎年恒例になっていると思われるClinical Research Trainee Dayが開催されました。これはアジア各国の若手医師を対象に,Clinical Researchを行うために必要な技術や考え方を1日かけて学ぶ内容になっています。学会自体はASHで発表された内容や近年の研究についてコンパクトにまとめて講演していただいており,もちろん大変勉強になるのですが,若手医師にとってのHOA最大の魅力はこのClinical Research Trainee Dayではないかと思います。午前中は講義が中心ですが,研究アイデアの出し方,計画,論文の書き方やテクニックなどについて,基本的なことから意外と知らないようなTipsまで丁寧に講義していただき,質疑応答では熱いディスカッションが行われました。今年のアカデミー賞作品賞を受賞した“The Shape of Water”を例に,たとえハリウッドの大作(大規模なRCT)は作れなくても,アジアから面白い作品(論文)は出せるという励ましの言葉も印象に残っています。アジアの若手の先生は,自分と同様に英語があまり上手ではない方もいらっしゃいましたが,積極的に意見を述べており,見習うべき点が多いと感じました。また,技術的な話だけでなく,金銭面を含めた各国の医療を取り巻く環境や考え方の違いなどを知ることができたことも貴重な経験となりました。例えば,日本ではClinical trialへの参加に関して患者さんは比較的消極的であると思うのですが,Clinical trialへの参加は大変名誉なことで断ることなどありえないという国もあるのは驚きでした。午後はinteractiveなセッションになります。お昼にはexpertやアジア各国の先生方,実臨床や各国の医療環境について談笑しながらの昼食会を行います。次にsmall groupにわかれて各自研究アイデアを出し合い,お互いに議論したのですが,決められた時間は2時間だったにもかかわらず,私のグループでは1時間近くオーバーするほど議論が白熱しました。議論の中では他人の研究アイデアに対して積極的に意見を求められ,客観的にその研究の良い点・悪い点を指摘するのですが,自分の未熟さゆえに大変苦戦してしまいました。しかし普段経験しないこのようなトレーニングは今後の自分の研究の糧になったと確信しています。
このようにHOAは大変すばらしい学会でしたが,日本から参加したtraineeの先生方との交流はさらに貴重なものでした。皆さん所属や専門領域,学年は違いましたが,臨床・研究に熱心な先生方ばかりで,毎晩お酒を飲みながら大変有意義な時間を過ごすことができました。普段の学会ではなかなかこのような機会がないので,自分にとっては大きな刺激となりました。
最後になりましたが,このような貴重な機会を与えてくださいました日本血液学会,アメリカ血液学会,事務局の天野真美様をはじめとするスタッフの皆様,そして送り出していただきました神田教授とラボや病棟の先生方に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

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