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第80回日本血液学会学術集会

2016 Highlights of ASH in Asia-Pacific in Brisbane 派遣レポート 小林 真之(東京大学医科学研究所附属病院血液腫瘍内科)

更新日時:2017年1月5日

小林 真之

このたびは2016年3月5, 6日にオーストラリアのブリスベンで開催されましたHighlights of ASH in Asia-Pacificに日本血液学会からの派遣医師として参加させて頂きました。関係各位の皆様に厚く御礼申し上げますとともに、ここに学会報告をさせて頂きます。
本年度の開催地ブリスベンはシドニーとメルボルンに次ぐオーストラリア第三の都市で、今年から五郎丸選手が加入したラグビーチーム「レッズ」の本拠地です。非常に綺麗な街で、人々も親切で快適に過ごすことができました。
会場は街の中心部から徒歩10分程度のコンベンションセンターで、主に大ホールとポスター会場の2つで行われました。参加者は凡そ500~600人程度と推察され、大半はオーストラリア・ニュージーランドとアジアからでしたが、米国や欧州からの参加者も見受けられました。
以前ASHに参加した際は、会場と演題の多さに圧倒され、また自らの発表準備で精一杯だったこともあり、あまり多くの講演を聴くことが出来ませんでした。その点Highlights of ASHはあらかじめ厳選された演題を一つの会場で落ち着いて聴くことができ、効率よく最新の知識を得ることが出来ました。かなりのスピードで話が進むのでついていくのが大変でしたが、全講演のスライドと紹介元の抄録が印刷され事前に配布されたので助かりました。二日間で約110の演題が紹介され、大規模臨床試験のup dateが多い印象でしたが、B細胞リンパ腫に対するCAR-T治療(#183)やホジキンリンパ腫に対する抗PD-1抗体治療(#584)など、今をときめく新規治療などの話題も多く、非常に興味深く聴講させて頂きました。講演はどれもユーモアを交えつつ軽快なテンポで進行し、1演題ごとにsummaryを1スライドでまとめてから次に移るという形式だったため、クリアカットに内容を理解することが出来ました。
特筆すべきは本年度より学会の前日に設定された”Trainee Day”です。これは、各国から招待された総勢70名ほどの若手医師が一堂に会し、研究テーマの決め方や論文の書き方、効果的なプレゼンテーション法などについてのレクチャーを受けるという新しい試みでした。実際にASHでレビュアーをされている先生方から直接指導を受けることができ、とてもためになりました。また、昼食時には疾患別に1名の上級医とともに若手医師が5人1グループに分かれてランチセッションが行われ、最新の知見や各国の状況などについて意見を交わしました。私はMDSのグループに参加したのですが、その際に日本におけるMDSの疫学的特徴や治療の現状についてお話したところ、Dana-Farber Cancer InstituteのDr. Steensmaが翌日の講演で私がお話ししたことを引用してくだり、感激いたしました。
各セッションや昼食、そして夜のレセプションで10ヶ国以上の参加者と話す機会がありましたが、アジア諸国の若手血液内科医の知識量の多さやモチベーションの高さに大変驚かされました。恵まれた環境にいながら不勉強である自分の現状を切に反省するとともに、今後に向けての大きな刺激となりました。
末筆ではございますが、このような貴重な機会を与えて下さいました日本血液学会、American Society of Hematology、Wallace H. Coulter財団、そして東京大学医科学研究所の東條有伸教授にこの場をお借りして心より御礼申し上げます。

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