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2014 Highlights of ASH in Asia in Singapore 派遣レポート 奈良 美保(秋田大学医学部付属病院血液・腎・膠原病内科 )

更新日時:2017年1月5日

奈良 美保

このたび、シンガポールで行われた2014 Highlights of ASH in Asiaに参加させていただき誠にありがとうございました。

シンガポールは私にとって初めての土地であり、またHighlights of ASHへの参加も初めてでした。さらにASHやEHAは医局の先生方と一緒に参加していましたが今回は初めて海外での学会に一人で参加する機会となり、よい経験ができることを楽しみに学会前日にシンガポール入りしました。空港を出てすぐ、熱帯の蒸し暑い気候を感じ、また熱帯の街路樹や高層ビルを見て異国の地に来たことを実感しました。

アメリカで開催されるASHに参加したときには、興味のある演題を膨大な数から選び、たくさんある会場間を早足で動き回り席を確保し、時差と戦いながら聞いていた、という状態でしたが、シンガポールでのHighlights of ASHでは、1会場で座って聞くことができるため落ち着いて勉強できたように感じます。また、時差が1時間しかなく眠気と戦うこともなくスケジュール通りに集中して行動できました。

Highlights of ASHの「Welcome and introduction」では、アジア各国の血液学会の名前が読み上げられ、中国、台湾、マレーシア、インド、インドネシア、フィリピンなど10カ国以上から参加者がいることがわかりました。また、私と同じ「trainee」として参加されている方々とお会いし、また表彰していただきましたが、日本の若手代表として参加できていることにとても喜びを感じ、切磋琢磨して勉強されている先生方とお会いしとても刺激になりました。

Highlights of ASHでは、1会場でAML, CML,MDSといった疾患ごとにその領域でのエキスパートが講演してくださり、その後ディスカッションが行われるといった形態でした。ASHとの大きな違いは、アジアの血液疾患、治療についてのレビューがあること、また演題の進め方が、最初に症例提示が行われ、その答えとなるASHでの演題紹介がいくつかあり最後に総括といった内容で統一されていること、だと思います。欧米との比較では、人種による疾患数の違い、また、アジアで未承認、保険適用外の治療薬の欧米における使用経験などの内容がありました。欧米の治験薬の使用数や使用経験といった内容は、アジアの地域にはやはりとても新しい内容であることには違いなく、日本も遅れをとってはいけないなと強く感じました。ディスカッションの時間が各セッションに30分設けられており、十分な理解を得られる時間となりましたが、アジアの一部の地域では治療薬が高価であるため標準治療ができないとお話しされていた先生がおり、強く印象に残りました。
海外学会に一人参加となった今回、シンガポールの若手研究者とこの2日間で仲良くなることができました。私のつたない英語ではありましたが、日常の研究のことを聞くことができ、また私の日常の臨床生活についてなど、同年代の先生とお話しができたことは、この学会に参加したからこそ得ることができた非常によい経験でした。また、学会が終わったあとには、その先生からお伺いした観光地を巡ることができ、シンガポールの治安が安全であったため、観光地で出会ったタクシーの運転手さんやその土地の住人の方など、いろいろな人とお話しをすることができたことも、思い出に残るものとなりました。

最後に、この学会に参加することができたのは、日本血液学会の先生方、また、留守中に病棟にいてくれた医局の先生方のおかげだと感じています。心から感謝申し上げたいと思います。ありがとうございました。

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