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2023 HOA 派遣レポート 髙橋寛行

更新日時:2023年4月28日

 

 
 今回私はJSH/ASHのサポートにより、ベトナム・ハノイで開催されたHighlight of ASH (ASH) Asian Pacific (AP)および、Clinical Research Trainee Day (CRTD)に参加してまいりました。以前医局の先輩が参加されていて、雰囲気が掴めていたこと、度重なるコロナ禍を乗り越えての久しぶりの海外にとても魅力を感じたことから、上司の許可を得て申し込みをしました。海外への学会出張や旅行は何度か経験していますが、久しぶりすぎてとてもドキドキしていました。
 学会事務局および旅行会社の手厚いサポートもあり、無事に渡航当日を迎えました。先日利用した国内線に続き、国際線ターミナルでもセキュリティチェックにCTのような機械が導入させていたり、出国手続きが自動化されていたりと、時代の流れを実感しました。ベトナム航空は初めて利用しましたが、CAさんがほぼ全員男性であったこと、非常設備説明ビデオの軽やかな音楽と民族ダンス?が印象的でした。
 約6時間のフライトを経て、ベトナムはハノイ・ノイバイ空港に到着しました。夜でしたが空港前のターミナルは外国人と思われる旅客、運転手を含む出迎えの現地の方であふれており、日本とは違い湿気を含む温かい空気に包まれていました。学会にチャーターいただいた乗用車の運転手はなぜか玉置浩二の大ファンとのことで、ホテルまでの道中彼のYouTubeが延々と流れ、なごみました。また、ノイバイ空港からホテルのあるハノイ市街地の道中に、紅河にかかるニャッタン橋が円借款ODA案件で建設されたことの説明をうけ、事前に調べた観光情報で言及されていたように、滞在期間中親日的な空気を肌で感じました。
 快適なホテルで体を休めたのち、プログラム初日はTrainee Dayでした。これは、HOA-AP主要メンバーがファカルティとなり、臨床試験を計画するためのTips(CQの設定、試験デザイン、メンターシップ、論文投稿)についての座学、およびファカルティとアジア各国の参加者からなるスモールグループディスカッションでそれぞれの取り組んでいる研究と直面している課題を共有しました。それぞれの国の背景の違いを実感しつつも、欧米の方にはないアジアの親近感も感じられ、英語ながらとても打ち解けた空気でディスカッションできました。また、昼食時はビュッフェ形式で現地の味覚を楽しみながら、ファカルティを囲んでフリーディスカッションを楽しむことができ、Ohio State Univ.のDr. Roskoとご一緒させていただき、老年医学を取り入れた骨髄腫研究、および米国での骨髄腫の実診療の状況について興味深い話を伺えました。午後のスモールグループディスカッションでもDr. Roskoがファカルティであったことから、打ち解けたやりとりができました。
 2日目、3日目はHOA-APのメインプログラムであり、ASH annual meetingのミニチュアのようなつくりながら、各領域のハイライトが一会場で順次講演され、会場は本会同様の熱気に包まれていました。どの領域もさすがベスト演題が選ばれていて興味深いものでしたが、特に自分の診療にかかわるリンパ系腫瘍(リンパ腫、CLL、骨髄腫)の部分は抄録やスライド資料ベースでしか見られていなかった主要演題を生の声で視聴することができ、興奮すら覚えました。質疑でほかの日本人参加者にも刺激されて、初の海外学会での質問の機会も得ることができ、全体を通してかけがえのない経験ができました。
 今回日本からは7名のTrainee参加者、および先行するCRTIプログラムから引き続いて1名の計8名で、臨床研究等でつながりのある顔見知りの先生がいる安心感、それぞれの臨床・研究のバックグラウンドがさまざまである興味深さもありつつ、すぐに打ち解けてプログラム全般、およびOFF時間を共に満喫できました。空き時間で皆で足を伸ばしたベトナムの町は、あふれんばかりの攻める運転をする原付バイクの群れと喧騒に肝を冷やしながらもいろんな意味で東南アジア、ベトナムらしさを満喫できました。
 ASH本会に行かずともエッセンスを満喫でき、さらにファカルティやアジア各国の参加者とも交流の機会にあふれるこのプログラムを、ぜひ後輩にも薦めたいと思いますし、自分自身も機会があればまた参加したいです。
 最後になりますが、この貴重な機会を提供いただいた関係各位、さらに参加をサポートしてくれた同僚、および家族にこの場を借りて感謝したいと思います。
Trainee Dayの最後に、開放感に浸りながらの懇親ディナー(右から4番目が私)
 
HOA-AP本会場、ASH本会さながらの雰囲気
 
ベトナムの小路、一歩足を踏み入れると、生活感にあふれる

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