日本血液学会 造血器腫瘍診療ガイドライン2018年版補訂版

造血器腫瘍診療ガイドライン

第2版補訂版 序文

 本ガイドラインは初版より,冊子としての発行に加え,日本血液学会ホームページにおいてもWeb版として公開されている。Web版ガイドラインでは,冊子刊行後の進歩を迅速に取り入れ,臨床現場での一層の活用を促進するために適宜改訂が加えられている。一方,冊子版ガイドラインにおいては,2018年版(第2版)が刊行されてから約2年が経過し,重要な新薬の登場によって,疾患の治療アルゴリズムやクリニカルクエスチョン(CQ)の内容を変更する必要が生じてきた。そこでこの度,Web版の改訂に合わせて冊子として補訂版を刊行する運びとなった。
 具体的には,世界で初めて承認された二重特異性抗体であるブリナツモマブ,CAR-T細胞療法であるチサゲンレクルユーセル,また,新たな分子標的治療薬としてベネトクラクス,オビヌツズマブなどが重要な追加項目である。
 なお,2018年版刊行後に作成委員会が再編成されたことから,委員一覧および利益相反開示については第2版と補訂版を併記することとした。
 本補訂版では,すべてのCQに対して改訂の必要性を吟味し,重要なエビデンスや新薬の保険収載や適用の変更を取り込むようにした。それらの記載は,作成委員会から独立した評価委員の審査を受け,その結果を反映して最終稿が作成された。小改訂ではあるが,最新の診療を行うのに必要な事項がアップデートされている。本ガイドラインが皆様の日常診療の一助となれば幸いである。

 2020年4月

日本血液学会理事長 赤司浩一

第2版 序文

 医学は,患者の症状や理学的所見からその病気を分類し,それぞれの疾病に対して「疾患(病名)別」に治療法を開発する,という方法論のもとに進化してきた。しかし複雑な病態に対する様々な治療理論が明らかになるにつれ,アナログ思考の中から優れた選択を行う昔ながらの「名医」の定義は曖昧となり,多施設共同研究などの大規模臨床研究によって得られる科学的根拠に基づいた医療,すなわちEBM(Evidence-Based Medicine)を行うことが医師の必要条件となった。さらに最近では,網羅的生命分子解析技術の飛躍的な発展により,個人の疾病に即した「精密医療(Precision Medicine)」の実現に向けて研究が進んでいる。
 造血器悪性腫瘍に対する治療法は,従来の標準的化学療法に加え,造血幹細胞移植術,分子標的療法,抗腫瘍免疫療法などの各分野で毎年新たな知見が得られ,様々な新薬が国内外で開発され続けている。しかし,医師個人が日常診療の中でこれらの膨大な最新知識を入手し,そのエビデンスレベルに基づき診療することは容易ではない。また我が国において,いわゆるドラッグラグは国も含めた医療関係者の努力によりほぼ解消しつつあるが,国民皆保険の元では海外で報告される最新の治療をそのまま実行できない,という問題は依然として存在する。
 日本血液学会では,その時点で明らかになっている内外のエビデンスを整理し,我が国の医療の現場で適切に診断や治療を行うための伴侶として,2013年に「造血器腫瘍診療ガイドライン第1版」を作成した。本分野におけるその後の長足の進歩を踏まえ,今回5年振りに全面改訂して第2版をお届けする。内容に関しては,第1版と同様にガイドライン案の作成後,独立した評価委員会による評価を行い,さらに日本血液学会会員に限らず広くパブリックコメントを募り,取り入れた。我が国の造血器腫瘍の特徴や医療の実情に基づき,適切に選択されたクリニカルクエスチョン(CQ)により,実地診療に有益な情報がよどみなく頭に入る構成である。
 本ガイドライン第2版は,ガイドライン作成委員会委員長の中尾眞二先生を中心として,数多くの学会員の努力により日の目を見ることができた。この場を借りて関係者の皆様に心から深謝したい。今後も時代に即したガイドラインを提供するため,定期的に改訂していく予定である。日本血液学会会員諸氏の継続的なご支援とご助力を心よりお願いする。

 2018年6月

日本血液学会理事長 赤司浩一

初版 序文

 白血病,リンパ腫,骨髄腫などの造血器腫瘍は,病態が分子・遺伝子レベルで次々と明らかになり,診断法や治療法が急速に進歩している分野である。従来の標準的化学療法に加え,分子標的療法,造血幹細胞移植,抗腫瘍免疫療法,補助療法において毎年新たな報告がなされ,治療の選択肢が広がっている。EBM(evidence-based medicine)に重要な科学的根拠は年々増加しているが,日常の業務に多忙の臨床医が,造血器腫瘍領域における膨大な最新知識を常に入手し,そのエビデンス(科学的根拠)のレベル(質)を正確に判断するのは容易なことではない。また,造血器腫瘍の中には,頻度の低い疾患や,多数例解析によるエビデンスレベルが高い成績が存在しない場合も経験する。これらの理由から,現時点で明らかになっているエビデンスを整理し,医療の現場で適切に診断や治療が行えるように補助する診療ガイドラインの必要性が増してきている。
 日本血液学会では,学会内外ならびに日本癌治療学会からの要望に応え,本学会が主体となり白血病,リンパ腫,骨髄腫の3領域に関する造血器腫瘍診療ガイドラインを作成することが2010年12月の理事会で承認された。学会の診療・学術・教育の3委員会が中心となって造血器腫瘍診療ガイドラインの作成・評価を行うことになり,黒川峰夫先生に作成委員会委員長,大西一功先生には疾患別作成委員会委員長を依頼した。2011年より白血病,リンパ腫,骨髄腫の細かな病型別に数名の専門家からなる作成委員会が設けられ,ガイドラインの作成が開始された。ガイドライン案の作成後,独立した評価委員会による評価を行い,日本血液学会会員によるパブリックコメントも得て,出版の運びとなった。
 本ガイドラインは,造血器腫瘍の各病型について,総論,アルゴリズム,Clinical question(CQ)の構成となっている。我が国の造血器腫瘍の特徴や医療の実情も加味した独自の診療ガイドラインであり,診断・治療・予後予測などの実地診療に有益な情報が簡潔に提供されている。なお,本ガイドラインは,現時点における標準的な診療情報の提供であり,個々の症例における診断・治療の決定・責任は医師と患者にあることを改めてご認識いただいた上で,ご活用いただければ幸いである。
 今後も時代に即したより良い造血器腫瘍診療ガイドラインを提供するため,定期的に改訂する予定である。日本血液学会会員諸氏の継続的なご支援とご助力をお願いしたい。最後に,誠にご多忙な折に本造血器腫瘍ガイドラインの作成・評価をお引き受け頂いた先生方にこの場を借りて深謝する次第である。

 2013年10月

日本血液学会理事長 金倉 譲

造血器腫瘍診療ガイドライン作成委員会

作成
委員会
委員長 中尾 眞二 金沢大学医薬保健研究域医学系細胞移植学(血液・呼吸器内科)
副委員長 清井  仁 名古屋大学大学院医学系研究科血液・腫瘍内科
委員 鈴宮 淳司 島根大学医学部附属病院先端がん治療センター腫瘍・血液内科
松村  到 近畿大学医学部血液・膠原病内科
宮﨑 泰司 長崎大学原爆後障害医療研究所原爆・ヒバクシャ医療部門血液内科学研究分野
事務局 南谷 泰仁 京都大学医学部腫瘍生物学講座
白血病 委員長 宮﨑 泰司 長崎大学原爆後障害医療研究所原爆・ヒバクシャ医療部門血液内科学研究分野
委員 AML 清井  仁 名古屋大学大学院医学系研究科血液・腫瘍内科
大竹 茂樹 金沢大学国際基幹教育院
前田 嘉信 岡山大学医学部附属病院血液・腫瘍内科
山内 高弘 福井大学医学部血液・腫瘍内科
山口 博樹 日本医科大学血液内科
APL 藤田 浩之 済生会横浜市南部病院血液内科
石川 裕一 名古屋大学医学部附属病院血液内科
横山 泰久 筑波大学医学医療系血液内科
ALL/LBL 八田 善弘 日本大学医学部血液膠原病内科
伊豆津宏二 国立がん研究センター中央病院血液腫瘍科
今井 陽俊 小樽市立病院血液内科
薄井 紀子 東京慈恵会医科大学附属第三病院輸血部
楠本  茂 名古屋市立大学大学院医学研究科血液・腫瘍内科学
早川 文彦 名古屋大学医学部附属病院血液内科
山崎 悦子 横浜市立大学附属病院臨床検査部
CML/MPN 下田 和哉 宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野
入山 規良 日本大学医学部附属板橋病院血液膠原病内科
川口 辰哉 熊本保健科学大学保健科学部 医学検査学科
木崎 昌弘 埼玉医科大学総合医療センター血液内科
桐戸 敬太 山梨大学医学部血液・腫瘍内科
髙橋 直人 秋田大学医学部血液・腎臓・膠原病内科
CLL/SLL 鈴宮 淳司 島根大学医学部附属病院先端がん治療センター腫瘍・血液内科
高松  泰 福岡大学医学部腫瘍・血液・感染症内科
MDS 宮﨑 泰司 長崎大学原爆後障害医療研究所原爆・ヒバクシャ医療部門血液内科学研究分野
市川  幹 獨協医科大学内科学(血液・腫瘍)
鈴木 隆浩 北里大学医学部血液内科学
三谷 絹子 獨協医科大学内科学(血液)
リンパ腫 委員長 永井 宏和 国立病院機構 名古屋医療センター 臨床研究センター
委員 FL 伊豆津宏二 国立がん研究センター中央病院血液腫瘍科
福原 規子 東北大学病院血液免疫科
MALT リンパ腫
LPL/WM
吉田  功 国立病院機構 四国がんセンター血液腫瘍内科
小林 幸夫 国際医療福祉大学三田病院血液内科
関口 直宏 国立病院機構 災害医療センター血液内科
山本 一仁 愛知県がんセンター中央病院血液・細胞療法部
MCL 岡本 昌隆 藤田医科大学医学部血液内科学
山本 一仁 愛知県がんセンター中央病院血液・細胞療法部
DLBCL 大間知 謙 東海大学医学部血液・腫瘍内科学
島田 和之 名古屋大学医学部附属病院血液内科
宮﨑 香奈 三重大学大学院医学系研究科血液・腫瘍内科学
BL 石澤 賢一 山形大学医学部血液・細胞治療内科学講座
丸山  大 国立がん研究センター中央病院血液腫瘍科
ENKL
PTCL
山口 素子 三重大学大学院医学系研究科血液・腫瘍内科学
鈴木 律朗 島根大学医学部附属病院腫瘍・血液内科
永井 宏和 国立病院機構 名古屋医療センター 臨床研究センター
ATL 塚崎 邦弘 埼玉医科大学国際医療センター造血器腫瘍科
福島 卓也 琉球大学医学部保健学科 血液免疫検査学分野
HL 冨田 章裕 藤田医科大学医学部血液内科学
楠本  茂 名古屋市立大学大学院医学研究科血液・腫瘍内科学
骨髄腫 委員長 飯田 真介 名古屋市立大学大学院医学研究科血液・腫瘍内科学分野
委員 安倍 正博 徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部生体情報内科学
石田 禎夫 日本赤十字社医療センター血液内科
尾崎 修治 徳島県立中央病院内科
島崎 千尋 JCHO 京都鞍馬口医療センター血液内科
角南 一貴 国立病院機構 岡山医療センター血液内科
高松 博幸 金沢大学血液内科
中世古知昭 国際医療福祉大学医学部血液内科学
半田  寛 群馬大学医学部第三内科
三木 浩和 徳島大学病院輸血・細胞治療部
村上 博和 群馬医療福祉大学新学部設置準備室

は各疾患の責任者を示す。

造血器腫瘍診療ガイドライン評価委員会

評価委員 委員長 千葉  滋 筑波大学医学医療系血液内科
委員 白血病 竹下 明裕 浜松医科大学医学部附属病院輸血細胞治療部
張替 秀郎 東北大学医学部附属病院血液免疫科
松村  到 近畿大学医学部血液・膠原病内科
リンパ腫 石塚 賢治 鹿児島大学病院血液・膠原病内科
鈴木 律朗 島根大学医学部附属病院腫瘍・血液内科
骨髄腫 安倍 正博 徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部生体情報内科学
黒田 純也 京都府立医科大学内科学 血液・腫瘍内科部門
柴山 浩彦 大阪大学大学院医学系研究科血液・腫瘍内科
移植 宮本 敏浩 九州大学病院血液・腫瘍内科(第一内科)

はじめに

1.目的
 現在の高齢化社会における造血器腫瘍患者の増加に加え,新規治療薬の開発も精力的に進められる中,日常臨床において最善の治療法の選択と実践は必ずしも容易ではなくなってきた。さらに,がん診療の「均てん化」を目的とした施策が実施され,血液専門医のみならず臨床腫瘍医にとっても造血器腫瘍患者に対する「標準治療」の実施が求められるようになった。こうした状況下で,日本血液学会としても「造血器腫瘍診療ガイドライン」を作成することにより社会的要求に応えることとなった。
 本ガイドラインは,医療者や患者が適切な判断や決断を下せるように支援することを目的とし,その利用により診療の質の向上と均てん化,患者ケアの向上を目指すものである。本ガイドラインは日本および海外のエビデンスに基づいたEBMの手法を用いて作成されたが,わが国の保険診療も考慮に入れている1)。第1版および第2版は医療従事者を主な対象として作成している。
 診療ガイドラインは,あくまで特定の対象と条件下での複数の試験成績を根拠とし,その中での平均的なエビデンスを示したものにすぎず,それを外挿あるいは敷衍して論ずることを保証するものではない。臨床の場における意思決定には,臨床研究によるエビデンスとともに医療の現状と環境,患者の価値観の三者が密接に関連し,それを統合することが医療者の専門職としての能力とされる。したがって,実際の診療においては医療担当者が個々の患者の状況に応じて専門的に総合判断することが求められる。この意味で,診療ガイドラインは医師の裁量に影響するが,それを拘束するものではない2)。また,本診療ガイドラインの遵守の有無により法的責任が医療担当者や本ガイドラインに帰すものではない3)

2.作成の経緯
 わが国では厚生省(当時)により1999年から診療ガイドライン策定の検討が開始された。日本癌治療学会においても2001年から臓器別のがん診療ガイドライン作成が推進され,各領域専門学会に協力が要請された。そこで日本血液学会において2011年5月に診療部会の下部組織として造血器腫瘍診療ガイドライン作成委員会が設置され,作成が開始された。その後,評価委員会により3度の査読ならびに評価を受け,日本血液学会会員のパブリックコメントを受けた後,日本血液学会理事会の承認を得て,2013年10月に第1版が公開された。第1版は,2014年(第1.1版)および2015年(第1.2版)に2回の小改訂を行い,第1版発表以降に発表された重要なエビデンスの紹介や新たな治療の保険承認を踏まえた記載の変更,日本癌治療学会がん診療ガイドライン委員会からの評価への対応を行った。小改訂の内容は日本血液学会のホームページのWEB版にて公開した。その間に作成委員会は造血器腫瘍診療ガイドライン委員会として日本血液学会内の独立した委員会組織となった。第2版は大改訂と位置付け,全ての記載を刷新した。評価委員会の査読に加え,パブコメを日本血液学会の会員のみならず一般からも募集した。そして日本血液学会理事会の承認を得て,2018年7月に公開された。

3.作成方法
 造血器腫瘍は由来する細胞系列により病型が多岐にわたる。本ガイドラインでは,白血病,リンパ腫,骨髄腫,および支持療法を対象とし,各病型ごとに2〜5名の作成委員を任命し,さらに各病型を統括する責任者と全体を統括する委員長を設置した。全体の調整は各病型の責任者と全体を統括する委員長が主として行った。本ガイドライン作成にあたっては,EBMの手法を採用し,日本医療機能評価機構EBM医療情報部Mindsの方針を参照した1, 4)
 全体の章立ては各病型ごとに行い,総論,治療アルゴリズム,アルゴリズムの簡潔な解説,clinical question(CQ)の設定と解説,とした。第2版は,第1版と同様に全体を一冊にまとめる方針とし,CQの数を必須なものに限定した。また,エビデンスレベルが高いにもかかわらずわが国では未承認の薬剤または適用外の薬剤を含む治療法については,保険診療では使用できない旨を明記した上で記載した。

1)Clinical questionの選定
 CQは各グループが分担して原案を作成した。対象は,初期治療,初回再発および支持療法として,救援療法については一定のエビデンスレベルがある場合に選択した。

2)文献検索
 各CQにおけるキーワードを基に一次資料の網羅的な文献検索を行うと同時にハンドサーチによる検索を行った。検索データベースはPudMedおよび医学中央雑誌を用いた。また,エビデンスレベルの高い重要な学会抄録も対象に含めた。検索した文献を吟味した上で,各CQに対する解説を作成した。この段階では,国内外の既存のガイドライン等の二次情報を活用した。文献は各CQにおいて検索した文献のうち重要なものを掲載した。作成した試案は,各グループ内で相互に査読を行い修正した。その後,独立した評価委員会の評価に基づき修正したのち最終版とした。第1版では全ての参照文献に対して構造化抄録を作成したが,第2版から費用対効果を考慮し構造化抄録の作成は行わないこととした。また,検索式の作成も行わないこととした。

3)エビデンスレベル
 文献のエビデンスレベルについては,各研究機関より種々のものが提案されている。本ガイドラインでは,このうち米国National Cancer Institute(NCI)のComprehensive Cancer DatabaseのPhysician Data Query(PDQ)において用いられているエビデンスレベルの表示法を採用した5)。すなわちPDQ編集委員会におけるエビデンスレベルの公式順位分類により,試験結果を「研究デザインの強さ」および「エンドポイントの強さ」の2つの尺度に基づいて順位づけして表示した(表1)。エビデンスレベルは各CQの参考文献の末尾に記載した。

4)推奨グレード
 推奨グレードの表示形式についても種々のものが提案されている。推奨案は,エビデンスのレベルとエビデンスの数と結論のばらつき,臨床的有効性の大きさ,臨床上の適用性,有害性や費用に関するエビデンスの各要素を勘案して総合的に判断される。また,複数の信頼し得るエビデンスがあるが,利益と害が拮抗している場合,あるいは明確なエビデンスがないか質が低い場合は明確な推奨が困難となる。こうした場合は,エキスパート・オピニオンを参考にしたエビデンスと臨床医の経験を客観的に調和させるコンセンサスという形を取らざるを得ない。造血器腫瘍の臨床試験においてはランダム化比較試験の成績が得られている場合は必ずしも多くはなく,第Ⅱ相試験の成績に基づいて判断せざるを得ない場合も多い。そこで本ガイドラインではNational Comprehensive Cancer Network(NCCN)Clinical Practice Guideline in Oncologyが採用しているエビデンスとコンセンサスによるカテゴリー(2011年版)の一部改変したものを用いた6)NCCNのグレードはカテゴリー3までであるが,CQのうち強く否定される課題についてはカテゴリー4を設け,否定が明確に示されるようにした(表2)。また,本ガイドラインでは費用対効果に関する判断は含んでいない。

表1 エビデンスレベル
エビデンスレベルは,「研究デザインの質」および「研究エンドポイントの質」の2つのスケールで評価するNCI-PDQによる尺度を用いた。

研究デザインの質
1.ランダム化比較試験
ⅰ.ダブルブラインド
ⅱ.ブラインドなし

2.ランダム化されていない前方視的比較試験
3.症例集積研究
ⅰ.ポピュレーションベースの継続的症例集団
ⅱ.ポピュレーションベースではない継続的症例集団
ⅲ.継続的ではない症例集団

研究エンドポイントの質
A.全生存
B.Cause-specific survival
C.質の高いQOL研究
D.間接的なエンドポイント
ⅰ.無イベント生存割合または期間(event-free survival:EFS)
ⅱ.無病生存割合または期間(disease-free survival:DFS)
ⅲ.無増悪生存割合または期間(progression-free survival:PFS)
ⅳ.治療反応割合など(tumor response rate)

注)NCI(National Cancer Institute)におけるPDQ(Physician Data Query)で用いられているエビデンスレベル[Levels of Evidence for Adult and Pediatric Cancer Treatment Studies(PDQ
http://www.cancer.gov/cancertopics/pdq/levels-evidence-adult-treatment/HealthProfessional/page1]を採用した。このエビデンスレベルの表記の不明確な点については,名古屋大学医学部造血細胞移植情報管理・生物統計学 熱田由子先生にNCIに問い合わせいただき以下の注釈を加えた。

 癌治療研究に関して,NCIは,上記のレベルを公開し,これをもとに個々の研究のエビデンスレベルを検討する一つの尺度としている。尺度としては,「研究デザインの質」および「研究エンドポイントの質」の二つのスケールで評価し,個々の研究の総合的なエビデンスレベルの概要を把握する。しかし,NCIも,このエビデンスレベル尺度を常に用いるべきと言っているわけではなく,専門分野により,あるいは目的により,研究者があるいは学会などが異なった分け方を行うことを否定しているわけではない。2つの尺度により,例えば以下のように研究のエビデンスレベルを表現できる。
1iiA:Phase Ⅲ RCT(盲検なし)で,OSがエンドポイント
3iiiDiv:Phase Ⅱ single arm trialで,治療反応率がエンドポイント
ただし,NCI-PDQでは,以下のような事項は2つのスケールの評価対象に含まれていないことに留意する必要がある。
・前方視的研究か,後方視的研究か
・観察研究か,介入を規定して実施する臨床試験か
・治療毒性の評価
・観察された点推定値(OSなど)の信頼区間の幅
・臨床研究(臨床試験)の規模
・臨床試験におけるデータ管理などの質管理程度
・研究に必要とされた費用
研究デザインの質
1.ランダム化比較試験
ⅰ.ダブルブラインド
ⅱ.ブラインドなし
注)
・ⅰは,ランダム化前後および介入治療経過中においても,医師にもブラインドされていることが必要である。
・RCTのメタアナリシスの場合もこの項(1.)に入る。メタアナリシスをより上位のレベルとする規準もあるが,NCI-PDQでは,小規模RCTのメタアナリシスが大規模RCTの結果と一致しないことがしばしばあることや,研究者によって同じclinical questionを検討するメタアナリシスの別の研究結果が異なることもあり,RCTと同じ項(1.)に含められている。
・RCTの主要評価項目ではないサブセット解析に関しては,次の項(2.)に入るが,研究計画時に明確な仮説およびパワー・症例数設定がされていた場合は(1.)に含める場合もある。
・Phase Ⅲ RCTは基本的にこの項に入ると考えられる。
・Randomized phase Ⅱ trialは通常はこの項には含まれない(NCIの説明によると,標準治療群がコントロール群として設定されていた場合にはこの項に含まれる場合があるということである)。
サブセット解析や副次的評価項目の解析結果を引用した場合は,主要評価項目に関するエビデンスレベルの後に,その解析の評価項目に関するエビデンスレベルを下線を付して併記した(例:1iiA/2Div)。

2.ランダム化されていない前方視的比較試験
注)
・比較試験だが,ランダム化されていない場合もこの項(2.)に含める。
・Historical controlとの比較は,この項に含めない。

3.症例集積研究
ⅰ.ポピュレーションベースの継続的症例集団
ⅱ.ポピュレーションベースではない継続的症例集団
ⅲ.継続的ではない症例集団
注)
・稀な疾患や,治療内容によっては,可能である研究デザインの質レベルが3となる場合もあるので,必ずしもこれのみで研究の意義を評価するものではない。
・選択バイアスの可能性や,研究対象が母集団を代表しているかという点を重視し,外的妥当性がより高いと考えられる研究対象であるかどうかにより,3の内部でⅰからⅲに分かれている。
・PhaseⅠdose finding studyや,単群のphase Ⅱ trialは,患者選択規準・除外規準を用いて選択された集団における研究であるため,本レベルでは3iiiに分類される。
・Randomized phase Ⅱ trialは一般的には新規治療どうしを選択デザインあるいはスクリーニングデザインなどで比較する研究であるが,これも3iiiに含む。
研究エンドポイントの質
A.全生存
B.Cause-specific survival
C.質の高いQOL研究
D.間接的なエンドポイント
ⅰ.無イベント生存割合または期間(event-free survival:EFS)
ⅱ.無病生存割合または期間(disease-free survival:DFS)
ⅲ.無増悪生存割合または期間(progression-free survival:PFS)
ⅳ.治療反応割合など(tumor response rate)
注)
がんの研究エンドポイントの質を評価するレベルとして,上記が設けられている。長期生存の評価が最もレベルが高く,評価者の評価により個々の症例のエンドポイントが変わりうるもの(よりsubjectiveなもの)かどうか,という点が重視されている。しかし,がんの治療薬あるいは治療方法の開発により,生存期間が延長し,より間接的なエンドポイント(代替エンドポイント)を研究のエンドポイントとして用いらざるを得ないものも存在する。

表2 推奨グレード
日血ガイドライン委員会の推奨グレード

カテゴリー1 高レベルのエビデンス(例:ランダム化比較試験)に基づく推奨で,統一したコンセンサスが存在する。
カテゴリー2A 比較的低レベルのエビデンスに基づく推奨で,統一したコンセンサスが存在する。
カテゴリー2B 比較的低レベルのエビデンスに基づく推奨で,統一したコンセンサスは存在しない(ただし大きな意見の不一致もない)。
カテゴリー3 いずれかのレベルのエビデンスに基づく推奨ではあるが,大きな意見の不一致がある。
カテゴリー4** 無効性あるいは害を示すエビデンスがあり,行わないよう勧められるコンセンサスが存在する。

NCCNの「エビデンスとコンセンサスによるカテゴリー2011年版」に基づきNCCN Guidelinesの許諾を得て改変した。NCCNのカテゴリーは現在改訂されているが,本ガイドラインの次回改訂時には最新版を参照する予定である5)
**否定的推奨については,統一したコンセンサスがある場合に限り,否定的推奨であることを明確にするためカテゴリー4を設けた。
また,カテゴリー4は一般診療としての否定的推奨を意味しており,適切な研究計画と倫理指針に従った臨床試験での実施を否定しているわけではない。

4.改訂と公開
 本ガイドラインは,広く利用してもらうため,書籍版の刊行に加え,学会のホームページにWEB版を公開し,Mindsのガイドラインライブラリおよび日本がん治療学会ガイドラインにリンクを設けた7, 8)。さらに,海外からも参照できるように,英語の解説版を作成し順次International Journal of Hematology誌に掲載を行う。今後スマートフォンなどの利用にも対応する予定である。また3〜4年を目処に定期的に改訂を予定する。この間に重要なエビデンスが明らかになった場合は逐次改訂を行う。第1版および第2版は対象を医療者に限るが,今後は患者の視点に立ったガイドラインの作成も予定している。本ガイドラインの利用普及により,診療内容の均てん化とそれによる患者予後の改善が望まれる。さらに,その検証のため遵守状況のモニタリングも必要である。

5.資金と利益相反
 本ガイドラインの作成のための資金は日本血液学会の支援により得られた。本ガイドラインの内容は特定の営利・非営利団体,医薬品,医療機器企業などとの利害関係はない。ガイドライン委員および評価委員は利益相反の状況を書籍およびWEBに開示している。

第1版疾患別作成委員会委員長 大西一功
第2版作成委員会委員長 中尾眞二

参考文献

1)Minds診療ガイドライン作成の手引き2007.Minds診療ガイドライン選定部会 監修.福井次矢ほか 編集.医学書院.東京.2007
2)中山健夫.診療ガイドライン:適切な作成・利用・普及に向けて.日児腎誌.2008;21(2):157-65.
3)長澤道行ほか.診療ガイドラインの新たな法的課題.日本医事新報.2010;4504:54-64.
4)Minds診療ガイドライン作成の手引き2014.山口直人 監修.森實敏夫ほか 編集.医学書院.東京.2014
5)National Cancer Institute : PDQ Levels of Evidence for Adult and Pediatric Cancer Treatment Studies. Bethesda, MD : National Cancer Institute. Date last modified〈08/26/2010〉. Available at :
http://cancer.gov/cancertopics/pdq/levels-evidence-adult-treatment/HealthProfessional. Accessed〈09/05/2013〉.
6)NCCN Categories of Evidence and Consensus adapted with permission from the NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology(NCCN Guidelines)for Chronic Myelogenous Leukemia V.2011. Ⓒ 2013 National Comprehensive Cancer Network, Inc. All rights reserved. The NCCN Guidelines and illustrations herein may not be reproduced in any form for any purpose without the express written permission of the NCCN. To view the most recent and complete version of the NCCN Guidelines, go online to NCCN.org. NATIONAL COMPREHENSIVE CANCER NETWORK, NCCN, NCCN GUIDELINES, and all other NCCN Content are trademarks owned by the National Comprehensive Cancer Network, Inc.
7)Mindsガイドラインライブラリ https://minds.jcqhc.or.jp/
8)がん治療学会ガイドライン http://www.jsco-cpg.jp/

目次

白血病

No テクニカルクエスチョン グレード
1.急性骨髄性白血病(AML)
総論
アルゴリズム
CQ1 AMLの診断時に必要な遺伝子検査は何が勧められるか 2A
CQ2 若年者de novo AMLに対する標準的寛解導入療法としてどのレジメンが勧められるか 1
CQ3 若年者de novo AMLの寛解導入療法(アントラサイクリン+標準量シタラビン)に他の薬剤の追加やシタラビン大量療法の組み込みは有効か 3
CQ4 高齢者AMLに対して推奨される寛解導入療法は何か 2A
CQ5 1回の寛解導入療法で完全寛解が得られない場合,どのような治療法を選択すべきか 2B
CQ6 CBF-AMLの寛解後療法として何が勧められるか 2A
CQ7 CBF-AML以外のAMLの寛解後療法として何が勧められるか 2B
CQ8 若年者AMLの第一寛解期に同種造血幹細胞移植の適応はどのように決定すべきか 1
CQ9 移植適応のない高齢者AMLに寛解後療法を施行するメリットはあるか 2B
CQ10 非寛解期AMLに対する同種造血幹細胞移植の適応に関する指標はあるか 3
CQ11 AMLにおいて治療後の好中球減少期にG-CSFを使用するのは有用か 2B,2A
CQ12 AMLの化学療法において,どのような場合に腫瘍崩壊症候群の予防を実施すべきか 2A
CQ13 AMLにおいて中枢神経白血病の予防は勧められるか 2A
CQ14 腫瘤形成性AMLに対して通常の寛解導入療法を行うのは妥当か 2B
CQ15 AMLにおける微小残存病変の評価として何が勧められるか 2B
CQ16 AMLに対するGOの適切な使用法は何か 2A
2.急性前骨髄球性白血病(APL)
総論
アルゴリズム
CQ1 初発APLの治療開始前に行うべき検査と予後因子は何か 2A,2B,1
CQ2 初発APLの寛解導入療法として何が勧められるか 1,1
CQ3 初発APLの寛解導入療法におけるDIC対策として何が勧められるか 2A,2A,2A,3
CQ4 APL分化症候群の治療は何が勧められるか 2A,2A
CQ5 初発APLのATRAと化学療法による寛解後の至適な地固め療法は何か 1,2B
CQ6 初発APLの寛解例における至適な維持療法は何か 2B
CQ7 再発APLの至適な再寛解導入療法は何か 1,2B
CQ8 ATOによるAPL第二寛解例の寛解後治療として何が勧められるか 2A,2A
CQ9 高齢者APLの至適な治療方法は何か 2A,2A
3.急性リンパ芽球性白血病/リンパ芽球性リンパ腫(ALL/LBL)
総論
アルゴリズム
CQ1 骨髄浸潤のないLBLの治療はALLと同じ治療が推奨されるか 2B
CQ2 成人若年者(< 65歳)Ph陽性ALLに対する初期治療はBCR-ABLチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)併用化学療法が推奨されるか 2A
CQ3 高齢者(≧ 65歳)Ph陽性ALLに対する初期治療はTKI+ステロイド療法が推奨されるか 2B
CQ4 思春期・若年成人ALLは小児プロトコールでの治療が推奨されるか 2A
CQ5 成人(30〜64歳)Ph陰性ALLの治療は何が推奨されるか 2B
CQ6 高齢者(≧ 65歳)Ph陰性ALLの治療は何が推奨されるか 2B
CQ7 非若年者Ph陰性ALL(初発例)において,T細胞性ALLとB細胞性ALLは同様の治療方法が推奨されるか 2B
CQ8 成人ALLの治療において中枢神経系再発予防は推奨されるか 2B
CQ9 寛解期成人ALLの治療における微小残存病変の評価の意義はあるか 2A
CQ10 成人ALLの寛解後療法において大量シタラビン療法や大量メトトレキサート療法は推奨されるか 1,2B
CQ11 縦隔病変を有するT細胞性LBLに対して縦隔照射は行うべきか 2B
CQ12 第一寛解期の同種造血幹細胞移植は推奨されるか(Ph陽性,Ph陰性を含む),また減弱前処置による同種造血幹細胞移植は有用か 2A,2B
CQ13 第一寛解期で造血幹細胞移植を行わない場合,維持療法は推奨されるか(Ph陽性,Ph陰性を含む) 1,2A
CQ14 ALL再発例(Ph陰性前駆B細胞ALL,Ph陽性前駆B細胞ALL,前駆T細胞ALL)に対する再寛解導入療法の選択肢として何が推奨されるか 2B,2A,2B,1,2A
4.慢性骨髄性白血病/骨髄増殖性腫瘍(CML/MPN)
総論
アルゴリズム
CQ1 初発CML-CPに対する治療として何が勧められるか 1
CQ2 TKI治療開始後の効果判定のモニタリングはどのような方法が勧められるか 1
CQ3 ELNの効果判定基準によりWarningやFailureとされた症例に対する二次治療は何が勧められるか 2A
CQ4 TKIの長期治療中の副作用モニタリングとして何が勧められるか 2B
CQ5 進行期CML(APおよびBP)の治療はTKIが勧められるか 2A,2A
CQ6 DMRを達成しMRDが検出されなければTKI中止は勧められるか 4,2A
CQ7 PV瀉血療法後のHt目標値を45%にすることは勧められるか 1
CQ8 高リスクETにおける細胞減少療法薬は何が勧められるか 1
CQ9 心血管リスクファクターを有する低リスクET症例に対してアスピリン投与は勧められるか 2A
CQ10 若年者低リスクPV/ET症例に対してヒドロキシウレアによる治療介入は勧められるか 4
CQ11 妊娠合併ETに対して流産を減少させるための治療介入は勧められるか 2B
CQ12 高リスク,中間-Ⅱリスク原発性骨髄線維症に対する治療法は何が勧められるか 2B
5.慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)
総論
アルゴリズム
CQ1 早期CLLに対して治療は勧められるか 1,2A
CQ2 標準治療実施可能(fit)な未治療進行期CLLに対して化学免疫療法は勧められるか 1
CQ3 標準治療実施不可能(unfit)な未治療進行期CLLに対して化学免疫療法は勧められるか 1
CQ4 17p欠失/TP53 異常(変異と欠失)のある進行期CLLに対してBTK阻害薬や抗CD52抗体薬は勧められるか 1
CQ5 晩期再発CLLに対して初回治療と同様の治療は勧められるか 2A,2A
CQ6 治療抵抗性・早期再発CLLに対してBCL-2阻害薬やBTK阻害薬は勧められるか 1,2A
CQ7 再発CLLに対して造血幹細胞移植は勧められるか 4,2B
CQ8 組織学的形質転換をきたしたCLL(Richter症候群)に対して造血幹細胞移植は勧められるか 2B
6.骨髄異形成症候群(MDS)
総論
アルゴリズム
CQ1 MDSの予後予測法,リスク分類として勧められるのは何か 2A
CQ2 輸血による鉄過剰症への鉄キレート剤が適応とされる状態は何か 2B
CQ3 低リスクMDSの治療において免疫抑制療法は勧められるか 2A
CQ4 低リスクMDSの貧血に対してサイトカイン療法は勧められるか 2A
CQ5 低リスクMDSの貧血に対して蛋白同化ステロイドは勧められるか 2B
CQ6 MDSの治療としてレナリドミドは勧められるか 1,2B
CQ7 低リスクMDSの治療としてアザシチジンは勧められるか 2B
CQ8 MDSに対する同種造血幹細胞移植の適応と適切な実施時期はいつか 2A,2A,2A
CQ9 MDSに対して減弱した前処置による同種移植は勧められるか 2A
CQ10 高リスクMDSに対してアザシチジンは勧められるか 1,2A
CQ11 高リスクMDSに対してレナリドミドは勧められるか 2B
CQ12 高リスクMDSにおいて化学療法は勧められるか 2A,2B,2B

リンパ腫

悪性リンパ腫 総論
1.濾胞性リンパ腫(FL)
総論
アルゴリズム
CQ1 初発進行期高腫瘍量のFLに対する治療は何が勧められるか 1
CQ2 初発進行期低腫瘍量のFLに対する治療は何が勧められるか 1,2A
CQ3 初発限局期FLに対する治療は何が勧められるか 2A,2B
CQ4 初発進行期のFLに対してリツキシマブ維持療法を実施すべきか 1
CQ5 FLの初回再発時の治療として何が勧められるか 2B
CQ6 再発FLに対して自家移植併用大量化学療法,同種造血幹細胞移植は勧められるか 2A,3
CQ7 組織学的形質転換をきたしたFLに対する治療として何が勧められるか 2B,2B
2.辺縁帯リンパ腫(MALTリンパ腫/粘膜関連リンパ組織型節外性辺縁帯リンパ腫および脾辺縁帯リンパ腫を含む)
総論
アルゴリズム
CQ1 H. pylori 陽性限局期胃MALTリンパ腫の初期治療方針は何が勧められるか 2A
CQ2 H. pylori 陽性限局期胃MALTリンパ腫で除菌失敗の時の治療法は何が勧められるか 2A
CQ3 除菌後にリンパ腫の残存がみられる場合の治療は何が勧められるか 2B
CQ4 H. pylori 陰性限局期胃MALTリンパ腫の治療は何が勧められるか 2B
CQ5 進行期胃MALTリンパ腫の治療は何が勧められるか 2A
CQ6 胃以外のMALTリンパ腫の治療は何が勧められるか 2B
CQ7 DLBCLとの境界病変の場合の治療は何が勧められるか 2A
CQ8 節性辺縁帯リンパ腫の治療は何が勧められるか 2A
CQ9 C型肝炎ウイルス陽性の場合の脾辺縁帯リンパ腫の治療は何が勧められるか 2A
CQ10 HCV陰性脾辺縁帯リンパ腫の治療は何が勧められるか 2A
3.リンパ形質細胞性リンパ腫/ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(LPL/WM)
総論
アルゴリズム
CQ1 原発性マクログロブリン血症の治療はどの時点で開始するのが適切か 2A
CQ2 原発性マクログロブリン血症の初回治療として何が勧められるか 2A
CQ3 原発性マクログロブリン血症の再燃・再発時の救援治療として何が勧められるか 2A
4.マントル細胞リンパ腫(MCL)
総論
アルゴリズム
CQ1 限局期MCLの初回治療として推奨される治療法は何か 2A
CQ2 MCLの初回治療として無治療経過観察は適切か 2B
CQ3 初発進行期MCLの治療としてリツキシマブ単独療法は有用か 3
CQ4 初発進行期MCLの化学療法にはリツキシマブを併用すべきか 1
CQ5 65歳以下の初発進行期MCLに推奨される化学療法は何か 2A
CQ6 初回治療が奏効した比較的若年者(65歳以下)のMCLには,地固め療法として自家造血幹細胞移植併用大量化学療法を実施すべきか 2A
CQ7 66歳以上,あるいは65歳以下でも強力な化学療法の適応とならない初発進行期MCLに対する標準治療は何か 2A
CQ8 再発・治療抵抗MCLに推奨される治療は何か 2B
5.びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL,NOS)
総論
アルゴリズム
CQ1 初発限局期DLBCLに対する標準治療は何が推奨されるか 2A,1
CQ2 初発進行期DLBCLに対する標準治療は何が推奨されるか 1
CQ3 DLBCLでは中枢神経系再発予防のための髄注は必要か 2A,2B
CQ4 心機能の低下が予想される初発DLBCLに対して適切な化学療法は何が推奨されるか 2A
CQ5 高齢者DLBCLに対する標準治療は何が推奨されるか 1,2A
CQ6 初回化学療法で奏効を得たDLBCLに対して引き続き自家造血幹細胞移植併用大量化学療法による地固め療法を行うことは勧められるか 4,4
CQ7 再発・再燃DLBCLに対して自家造血幹細胞移植併用大量化学療法は勧められるか 1
CQ8 再発・再燃DLBCLに対して同種造血幹細胞移植の適応はあるか 2B
CQ9 節外性リンパ腫など治療上の特別な配慮が必要なDLBCLの病態・病型には何があるか 2A
CQ10 胃原発DLBCLの治療方針は何が勧められるか 2A
CQ11 DLBCLに対して初回治療中間でのPET検査(interim PET)は予後予測に有用か 2B
6.バーキットリンパ腫(BL)
総論
アルゴリズム
CQ1 BLに対する初回治療は何が勧められるか 2A
CQ2 BLの初回治療にリツキシマブの併用は有効か 1
CQ3 BLに対して腫瘍崩壊症候群の予防は必須か 2A
CQ4 BLに対して放射線治療は勧められるか 4
CQ5 BLに対して造血幹細胞移植は勧められるか 4,2B,3
CQ6 High-grade B-cell lymphomaに対する治療は何が勧められるか 3
7.末梢性T 細胞リンパ腫(PTCL)
総論
アルゴリズム
CQ1 初発ALK陽性ALCLに対して最も勧められる治療は何か 2A
CQ2 初発PTCL-NOS,AITL,ALK陰性ALCLに対して最も勧められる治療は何か 2A
CQ3 初発進行期PTCL-NOS,AITL,ALK陰性ALCLの化学療法後CR例において地固め療法としての自家造血幹細胞移植併用大量化学療法は必要か 2A
8.成人T 細胞白血病・リンパ腫(ATL)
総論
アルゴリズム
CQ1 初発アグレッシブATLに対し最も推奨される治療法は何か 1
CQ2 アグレッシブATLに対する同種造血幹細胞移植は有用か 2A
CQ3 インドレント(くすぶり型,予後不良因子を持たない慢性型)ATLの標準治療は無治療経過観察か 2B
CQ4 再発・難治アグレッシブATLに対する治療法は何が勧められるか 2B
CQ5 ATLに対するインターフェロンαとジドブジンの併用療法は有用か 3
9.節外性NK/T 細胞リンパ腫,鼻型(ENKL)
総論
アルゴリズム
CQ1 初発鼻腔周辺限局期(ⅠE期および頸部リンパ節浸潤までのⅡE期)ENKLに対して最も勧められる治療は何か 2A
CQ2 初発鼻腔周辺限局期のRT-2/3DeVIC療法後CR例に対して地固め療法としての自家造血幹細胞移植併用大量化学療法は必要か 4
CQ3 初発進行期および初回再発/治療抵抗性ENKLに適した治療は何か 2A
CQ4 初発進行期ENKL全例および初回再発/治療抵抗性ENKLで救援療法後CR例では造血幹細胞移植を追加すべきか 2B
CQ5 初発進行期および初回再発/治療抵抗性ENKLの救援療法後非CR例において造血幹細胞移植を追加する意義はあるか 3
10.ホジキンリンパ腫(HL)
総論
アルゴリズム
CQ1 限局期CHLに対する標準治療は化学療法と放射線療法の併用(CMT)か 1
CQ2 Bulky病変を認めない限局期CHLに対する化学療法単独療法は推奨されるか 2B
CQ3 限局期CHL予後良好群ではABVD療法2コースとIFRTのCMTが推奨されるか 2A
CQ4 限局期CHL予後不良群に対し推奨される治療法は何か 2A
CQ5 限局期結節性リンパ球優位型HL(NLPHL)に対し推奨される治療法は何か 2A
CQ6 進行期CHLの標準治療はABVD療法か 1
CQ7 進行期CHLにおいて増量BEACOPP療法はABVD療法より臨床的に優れているか 2B
CQ8 進行期CHLにおいて治療法を決定する際に国際予後スコアを考慮すべきか 3
CQ9 進行期CHLにおいて初回治療中間でのPET検査(interim PET)は予後予測に有用か 2A
CQ10 進行期CHLで化学療法によりCRに至った症例において地固め療法としてのIFRTは推奨されるか 4
CQ11 若年者再発CHLに対して自家造血幹細胞移植併用大量化学療法は推奨されるか 2A
CQ12 再発・難治性CD30陽性CHLに対してブレンツキシマブ ベドチンは有効か 2A
CQ13 再発・難治性CHLに対して抗PD-1抗体は有効か 2A

骨髄腫

1.多発性骨髄腫(MM)
総論
アルゴリズム
【くすぶり型多発性骨髄腫】
CQ1 くすぶり型多発性骨髄腫患者に対して診断後直ちに化学療法を実施することは妥当か 3
CQ2 くすぶり型多発性骨髄腫患者に対するビスホスホネート製剤の投与は妥当か 4
【移植適応のある初発多発性骨髄腫(症候性)】
CQ1 若年者症候性骨髄腫患者における移植を前提とした寛解導入療法では何が優れているか 1
CQ2 若年者症候性骨髄腫患者に対する自家造血幹細胞移植併用療法は薬物療法単独と比べて生存期間を延長させるか 1
CQ3 若年者症候性骨髄腫患者に対して寛解導入後早期に自家造血幹細胞移植を行うことは再発時に移植を行うよりも勧められるか 1
CQ4 自家造血幹細胞移植における前処置として大量メルファラン療法は全身放射線照射を含む前処置と比べて優れているか 1
CQ5 若年者症候性骨髄腫患者に対して2回連続自家造血幹細胞移植(タンデム自家移植)を行うことは1回(シングル)移植と比べて生存期間を延長させるか 3,2B
CQ6 自家造血幹細胞移植における移植後の地固め・維持療法は生存期間を延長させるか 2B,2A,2B
CQ7 若年者症候性骨髄腫患者に対するタンデム自家/同種(ミニ)移植はタンデム自家/自家移植と比べて生存期間を延長させるか 3
【移植非適応の初発多発性骨髄腫(症候性)】
CQ1 移植非適応の多発性骨髄腫(症候性)に対する推奨治療レジメンは何か 1
CQ2 高齢骨髄腫患者にデキサメタゾンを投与する場合は少量投与法が推奨されるか 1
【再発・難治性骨髄腫】
CQ1 再発・難治性骨髄腫患者に対する新規薬剤療法は大量デキサメタゾン療法に比べて生存期間を延長させるか 1
CQ2 再発・難治性骨髄腫患者に対する新規薬剤を含む併用療法は新規薬剤の単剤療法に比べて高い効果が期待できるか(プロテアソーム阻害薬と免疫調節薬の併用および抗体療法を除く) 2A
CQ3 再発・難治性骨髄腫患者に対する新規薬剤併用療法の推奨レジメンは何か 1
CQ4 再発・難治性骨髄腫の治療に抗体療法は勧められるか 1
CQ5 再発・難治性骨髄腫患者に対する自家造血幹細胞移植や同種造血幹細胞移植は生存期間を延長させるか 2B,3
【骨髄腫の合併症と治療関連毒性に対する支持療法】
CQ1 骨病変を有する患者に対して骨関連事象を減少させるための推奨治療は何か 1
CQ2 骨吸収抑制薬を投与する患者に対する口腔内予防処置は顎骨壊死の発生を抑制するか 2A
CQ3 プロテアソーム阻害薬投与中の患者に対するアシクロビル内服は帯状疱疹の発生率を減少させるか 2A
CQ4 免疫調節薬投与患者に対するアスピリンの内服は深部静脈血栓症の発生を抑制するか 2A
2.多発性骨髄腫の類縁疾患
【孤立性形質細胞腫】
総論
CQ1 孤立性形質細胞腫において放射線療法による初期治療後の補助化学療法は多発性骨髄腫への進展を遅らせるか 2B
【AL アミロイドーシス】
総論
アルゴリズム
CQ1 全身性アミロイドーシスに対し自家造血幹細胞移植併用大量メルファラン療法を行うことは行わない場合と比べて予後を改善させるか 2B
CQ2 移植適応のない全身性アミロイドーシス患者にはどのような治療が推奨されるか 2B
【POEMS 症候群】
総論
CQ1 移植非適応患者や再発・難治患者にはどのような治療が推奨されるか 2B
CQ2 POEMS症候群に対する自家造血幹細胞移植を併用した大量メルファラン療法は予後を改善するか 2B
CQ3 移植適応患者に対して推奨される初回寛解導入レジメンは何か 2B

効果判定規準一覧

急性骨髄性白血病
(AML)
完全寛解 Complete remission CR
血液学的完全寛解 Hematological CR
形態学的完全寛解 Morphological CR CR
細胞遺伝学的寛解 Cytogenetic CR CRc
分子学的寛解 Molecular CR CRm
部分寛解 Partial remission PR
再発 Relapse
髄外再発 Extramedullary relapse
治療不成功 Failure
寛解期間 Remission duration
急性リンパ性白血病
(ALL)
完全奏効 Complete response CR
部分奏効 Partial response PR
安定 Stable disease SD
進行 Progression PD
慢性骨髄性白血病
(CML)
血液学的完全奏効 Complete hematologic response CHR
細胞遺伝学的完全奏効 Complete cytogenetic response CCyR
細胞遺伝学的部分奏効 Partial cytogenetic response PCyR
CCyR+PCyR Major CyR MCyR
細胞遺伝学的小奏効 Minor cytogenetic response Minor CyR
細胞遺伝学的微小奏効 Minimum cytogenetic response Mini CyR
分子遺伝学的大奏効 Major molecular response MMR
分子遺伝学的に深い奏効 Deep molecular response DMR
至適奏効 Optimal response
要注意 Warning
不成功 Failure
慢性リンパ性白血病
(CLL)
完全奏効 Complete response CR
部分奏効 Partial response PR
安定 Stable disease SD
進行 Progression PD
骨髄異形成症候群
(MDS)
完全寛解 Complete remission CR
部分寛解 Partial remission PR
骨髄CR Marrow CR
血液学的改善効果 Hematologic improvement HI
病勢の安定 Stable disease
治療不成功 Failure
CRまたはPR後の再発 Relapse after CR or PR
細胞遺伝学的奏効 Cytogenetic response
完全細胞遺伝学的奏効 Complete cytogenetic response
部分細胞遺伝学的奏効 Partial cytogenetic response
進行 Disease progression/progressive disease
生存 Survival
再燃 Relapse
原病死 Cause-specific death
悪性リンパ腫 全奏効 Overall response OR
完全奏効 Complete response CR
不確定完全奏効 Complete response/unconfirmed CRu
部分奏効 Partial response PR
安定 Stable disease SD
進行 Progressive disease PD
再発 Relapse disease
多発性骨髄腫 全奏効 Overall response OR
厳格な完全奏効 Stringent CR sCR
完全奏効 Complete response CR
完全奏効に近い奏効 Near complete response nCR
最良部分奏効 Very good partial response VGPR
部分奏効 Partial response PR
最小奏効 Minimal response MR
安定 Stable disease SD
不変 No change NC
プラトー Plateau phase
再発 Relapse
臨床的再発 Clinical relapse
進行 Progressive disease PD
増悪 Progression
奏効期間 Duration of response
本書を通じて 全生存期間/割合 Overall survival OS
無病生存期間/割合 Disease-free survival DFS
無再発生存期間/割合 Relapse-free survival RFS
無イベント生存期間/割合 Event-free survival EFS
無増悪生存期間/割合 Progression-free survival PFS
治療成功生存期間/割合 Failure-free survival FFS
50%生存期間 Median survival time MST
累積再発割合 Cumulative incidence of relapse CIR
無増悪期間 Time to progression TTP
治療成功期間 Time to treatment failure TTTF
次治療開始までの期間 Time to next treatment TNT
治療成功割合 Freedom from treatment failure FFTF
治療関連死亡 Therapy-related mortality TRM

Median survival time(MST)は,カプラン・マイヤー曲線で生存率が初めて50%になるまでの期間を示し,生存期間の中央値とは異なる指標である。本邦では「生存期間中央値」と訳されることがあるが,不正確な用語であることからこれを用いず「50%生存期間」で統一した。

薬剤名一覧

carmustine(国内未承認) BCNU
chlorambucil(国内未承認) CB
lomustine(国内未承認) CCNU
mechlorethamine(国内未承認) HN2
アザシチジン AZA
アシクロビル ACV
L-アスパラギナーゼ L-Asp
アナグレリド ANA
亜ヒ酸 ATO
アレムツズマブ ALZ
イキサゾミブ IXA
イダルビシン IDR
イノツズマブ オゾガマイシン InO
イホスファミド IFM
イブリツモマブ チウキセタン  
イブルチニブ  
イマチニブ IMA
イリノテカン CPT11
インターフェロンα IFNα
エトポシド ETP
エノシタビン BHAC
エピルビシン EPI
エリスロポエチン EPO
エロツズマブ ELO
オビヌツズマブ  
オファツムマブ  
オールトランス型レチノイン酸 ATRA
カルフィルゾミブ CFZ
カルボプラチン CBDCA
キザルチニブ  
ギルテリチニブ  
クラドリビン(CLLに対して国内未承認) 2-CdA
ゲムシタビン Gem
ゲムツヅマブ オゾガマイシン GO
サリドマイド THAL
シクロスポリン CsA
シクロホスファミド CPA
シスプラチン CDDP
シタラビン AraC
ジドブシン AZT
ソブゾキサン MST-16
ダウノルビシン DNR
ダカルバジン DTIC
ダサチニブ DAS
タミバロテン Am80
ダラツムマブ DARA
ダルベポエチン dEPO
チオグアニン 6TG
チサゲンレクルユーセル  
デキサメタゾン DEX
デノスマブ  
ドキソルビシン DXR
ニボルマブ  
ニロチニブ NIL
ネララビン AraG
パノビノスタット PAN
ヒドロキシウレア HU
非ペグ化リポソーマル・ドキソルビシン NPLD
ピラルビシン THP-DXR
ビンクリスチン VCR
ビンデシン VDS
ビンブラスチン VBL
ブスルファン BU
ブリナツモマブ  
フルダラビン FLU
ブレオマイシン BLM
プレドニゾロン PSL
ブレンツキシマブ ベドチン BV
プロカルバジン PCZ
ペグ化リポソーマル・ドキソルビシン PLD
ベネトクラクス  
ペムブロリズマブ  
ベンダムスチン  
ペントスタチン DCF
ボスチニブ BOS
ポナチニブ PON
ポマリドミド POM
ボルテゾミブ BOR
ミトキサントロン MIT
メチルプレドニゾロン mPSL
メトトレキサート MTX
メルカプトプリン 6MP
メルファラン MEL
モガムリズマブ  
ラニムスチン MCNU
リツキシマブ R
ルキソリチニブ RUX
レナリドミド LEN

治療一覧

ABVD 療法 DXR,BLM,VBL,DTIC
ABVd 療法 DXR,BLM,VBL,DTIC
ACVBP 療法 DXR,CPA,VDS,BLM,PSL
AdVP 療法 DXR,VCR,PSL
AspaMetDex 療法 L-Asp,MTX,DEX
ATRA/MTX/6MP 併用療法 ATRA,MTX,6MP
BAD 療法 BOR,DXR,DEX
BCD 療法 BOR,CPA,DEX
BD 療法 BOR,DEX
BEACOPP 療法 BLM,ETP,DXR,CPA,VCR,PCZ,PSL
増量BEACOPP 療法 BLM,ETP,DXR,CPA,VCR,PCZ,PSL
BLD 療法 BOR,LEN,DEX
BMD 療法 BOR,MEL,DEX
BR 療法 ベンダムスチン,R
BTD 療法 BOR,THAL,DEX
BV 併用AVD 療法 BV,DXR,VBL,DTIC
CALGB10002 療法 pre-phase(CPA,PSL),regimen A(R,IFM,MTX,VCR,AraC,ETP,DEX),regimen B(R,CPA,MTX,VCR,DXR,DEX)
CALGB9251 療法 pre-phase(CPA,PSL),regimen A(IFM,MTX,VCR,AraC,ETP,DEX),regimen B(CPA,MTX,VCR,DXR,DEX)
CBD 療法 BOR,DEX,CPA
CBD 療法 CPA,BOR,DEX
CCRT-VIPD 療法 CCRT(RT,CDDP),VIPD(ETP,IFM,CDDP,DEX)
CEC 療法 CPA,CCNU,VDS,MEL,PSL,EPI,VCR,PCZ,VBL,BLM
CHASE 療法 CPA,大量AraC,DEX,ETP
CHASER 療法 R,CPA,大量AraC,DEX,ETP
ChIVPP/EVA hybrid 療法 CLB,VBL,PCZ,PSL,ETP,VCR,DXR
ChIVPP/PABIOE 交替療法 CLB,VBL,PCZ,PSL,DXR,BLM,VCR,ETP
CHOMP 療法 CHOP,大量MTX
CHOP 療法 CPA,DXR,VCR,PSL
CHOP-14 療法 CPA,DXR,VCR,PSL
CNOP 療法 CPA,MIT,VCR,PSL
CODOX-M/IVAC 療法 CODOX-M(CPA,VCR,DXR,MTX),IVAC(IFM,ETP,AraC)
COP 療法 CPA,VCR,PSL
COPP/ABVD 療法 CPA,VCR,PCZ,PSL/DXR,BLM,VBL,DTIC
CTD 療法 CPA,THAL,DEX
CVP 療法 CPA,VCR,PSL
DA-EPOCH 療法 ETP,PSL,VCR,CPA,DXR
DA-EPOCH-R 療法 ETP,PSL,VCR,CPA,DXR,R
DeVIC 療法 DEX,ETP,IFM,CBDCA
Dexa-BEAM 療法 DEX,BCNU,ETP,AraC,MEL
DHAP 療法 DEX,AraC,CDDP
D-Ld 療法 DARA,LEN,少量DEX
D-MPB 療法 DARA,MEL,PSL,BOR
DRC 療法 DEX,R,CPA
EBVP 療法 EPI,BLM,VBL,PSL
ESHAP 療法 ETP,mPSL,AraC,CDDP
FC 療法 FLU,CPA
FCR 療法 FLU,CPA,R
GDP 療法 Gem,DEX,CDDP
hyper-CVAD 療法 CPA,VCR,DXR,DEX
hyper-CVAD/MA 療法 CPA,VCR,DXR,DEX,高用量MTX,高用量AraC
ICE 療法 IFM,CBDCA,ETP
LAD 療法 LEN,DXR,DEX
LCD 療法 LEN,CPA,DEX
LD 療法 LEN,DEX
MACOP-B 療法 MTX,DXR,CPA,VCR,PSL,BLM
m-BACOD 療法 MTX,BLM,DXR,CPA,VCR,DEX
MD 療法 MEL,DEX
MINE 療法 MIT,IFM,メスナ,ETP
Mini-BEAM 療法 BCNU,ETP,AraC,MEL
modified CODOX-M/IVAC 療法 CODOX-M(CPA,VCR,DXR,MTX),IVAC(IFM,ETP,AraC)
modified EPOCH 療法 ETP,DXR,CPA,VCR,PSL
MOPP 療法 HN2,VCR,PCZ,PSL
MOPP/ABV 療法 MOPP(HN2,VCR,PCZ,PSL),ABV(DXR,BLM,VBL)
MOPP/ABVD 療法 MOPP(HN2,VCR,PCZ,PSL),ABVD(DXR,BLM,VBL,DTIC)
MOPPEBVCAD 療法 HN2,CCNU,VDS,MEL,PSL,EPI,VCR,PCZ,VBL,BLM
MP 療法 MEL,PSL
MPB 療法 MEL,PSL,BOR
MPL 療法 MEL,PSL,LEN
MPT 療法 MEL,PSL,THAL
OAP 療法 VCR,AraC,PSL
ProMACE-CytaBOM 療法 PSL,DXR,CPA,ETP,AraC,BLM,VCR,MTX
R-ACVBP 療法 R,DXR,CPA,VDS,BLM,PSL
R-CEOP 療法 R,CPA,ETP,VCR,PSL
R-CHOP 療法 R,CPA,DXR,VCR,PSL
R-CHOP-14 療法 R,CPA,DXR,VCR,PSL
R-CMyOP 療法 R,CPA,PLD,VCR,PSL
R-COMP 療法 R,CPA,NPLD,VCR,PSL
R-CVP 療法 R,CPA,VCR,PSL
R-DHAP 療法 R,DEX,高用量AraC,CDDP
R-FC 療法 R,FLU,CPA
R-FCM 療法 R,FLU,CPA,MIT
R-FM 療法 R,FLU,MIT
R-GCVP 療法 R,Gem,CPA,VCR,PSL
R-high CHOP 療法 R,CPA,DXR,VCR,PSL
R-hyper-CVAD 療法 R,CPA,VCR,DXR,DEX
R-hyper-CVAD/MA 療法 R,CPA,VCR,DXR,DEX,高用量MTX,高用量AraC
R-ICE 療法 R,IFM,CBDCA,ETP
RT-2/3DeVIC 療法 DEX,ETP,IFM,CBDCA
SMILE 療法 DEX,MTX,IFM,L-Asp,ETP
Stanford V 療法 DXR,VBL,HN2,ETP,VCR,BLM,PSL
TAD 療法 THAL,DXR,DEX
TD 療法 THAL,DEX
ThalDD 療法 THAL,DEX,PLD(Doxil)
THP-COP-14 療法 CPA,THP-DXR,VCR,PSL
VAD 療法 VCR,DXR,DEX
VBM 療法 VBL,BLM,MTX
VBMCP 療法 VCR,BCNU,MEL,CPA,PSL
VCAP-AMP-VECP(modified LSG15)療法 VCAP(VCR,CPA,DXR,PSL),AMP(DXR,MCNU,PSL),VECP(VDS,ETP,CBDCA,PSL)
VR-CAP 療法 Bor,R,CPA,DXR,PSL

利益相反の開示

「日本血液学会 造血器腫瘍診療ガイドライン第2版補訂版」の利益相反の開示

〈日本血液学会利益相反開示項目/基準〉

① 医学系研究に関連する企業・法人組織や営利を目的とした団体(以下,企業・組織や団体という)の役員,顧問職については,1つの企業・組織や団体からの報酬額が年間100万円以上とする。
② 株式の保有については,1つの企業についての1年間の株式による利益(配当,売却益の総和)が100万円以上の場合,あるいは当該全株式の5%以上を所有する場合とする。
③ 企業・組織や団体からの特許権使用料については,1つの権利使用料が年間100万円以上とする。
④ 企業・組織や団体から,会議の出席(発表,助言など)に対し,研究者を拘束した時間・労力に対して支払われた日当(講演料など)については,一つの企業・団体からの年間の講演料が合計50万円以上とする。
⑤ 企業・組織や団体パンフレット,座談会記事などの執筆に対して支払われた原稿料については,1つの企業・組織や団体からの年間の原稿料が合計50万円以上とする。
⑥ 企業・組織や団体が提供する研究費については,1つの企業・団体から,医学系研究(共同研究,受託研究,治験など)に対して,申告者が実質的に使途を決定し得る研究契約金の総額が年間100万円以上のものを記載する。
⑦ 企業・組織や団体が提供する奨学(奨励)寄附金については,1つの企業・団体から,申告者個人または申告者が所属する講座・分野または研究室に対して,申告者が実質的に使途を決定し得る寄附金の総額が年間100万円以上のものを記載する。
⑧ 企業・組織や団体が提供する寄附講座に申告者らが所属している場合とする。但し,申告者が実質的に使途を決定し得る寄附金の総額が年間100万円以上のものを記載する。
⑨ その他,研究とは直接無関係な旅行,贈答品などの提供については,1つの企業・組織や団体から受けた総額が年間5万円以上とする。

下記に,本診療ガイドラインの作成に当たった委員の利益相反事項を開示します。

〈利益相反事項の開示〉申告対象期間:2017年1月1日〜2019年12月31日

氏名
(所属)
利益相反開示項目
開示項目① 開示項目② 開示項目③ 開示項目④ 開示項目⑤
開示項目⑥ 開示項目⑦ 開示項目⑧ 開示項目⑨
作成委員 安倍 正博
(徳島大学)
該当なし 該当なし 該当なし ヤンセンファーマ,第一三共,セルジーン,武田薬品工業 該当なし
セルジーン,小野薬品工業,武田薬品工業,ブリストル・マイヤーズスクイブ 中外製薬,サノフィ,協和キリン,ファイザー,帝人ファーマ,武田薬品工業,MSD,アステラス製薬 該当なし 該当なし  
飯田 真介
(名古屋市立大学)
該当なし 該当なし 該当なし 武田薬品工業,セルジーン,ヤンセンファーマ,小野薬品工業,ブリストル・マイヤーズスクイブ,第一三共 該当なし
ブリストル・マイヤーズスクイブ,MSD,武田薬品工業,ヤンセンファーマ,アッヴィ 中外製薬,協和キリン,小野薬品工業,武田薬品工業,サノフィ 該当なし 該当なし  
石川 裕一
(名古屋大学)
該当なし 該当なし 該当なし 該当なし 該当なし
該当なし 該当なし 該当なし 該当なし  
石澤 賢一
(山形大学)
該当なし 該当なし 該当なし ブリストル・マイヤーズスクイブ,協和キリン,MSD,武田薬品工業,小野薬品工業,中外製薬,エーザイ,ノバルティスファーマ,セルジーン 該当なし
サノフィ,大塚製薬,シンバイオ製薬,バイエル薬品,アッヴィ,ノバルティスファーマ,ファイザー 協和キリン,武田薬品工業 該当なし 該当なし  
石田 禎夫
(日本赤十字社医療センター)
該当なし 該当なし 該当なし 武田薬品工業,小野薬品工業,ヤンセンファーマ,セルジーン 該当なし
該当なし 該当なし 該当なし 該当なし  
市川 幹
(獨協医科大学)
該当なし 該当なし 該当なし 該当なし 該当なし
該当なし 該当なし 該当なし 該当なし  
伊豆津 宏二
(国立がん研究センター中央病院)
該当なし 該当なし 該当なし 協和キリン,エーザイ 該当なし
セルジーン,中外製薬,ノバルティスファーマ,小野薬品工業,バイエル薬品,第一三共,武田薬品工業,全薬工業,協和キリン,アストラゼネカ,エーザイ,インサイト,アッヴィ,HUYA Japan,サノフィ,シンバイオ,ソレイジア・ファーマ,ファイザー,ヤンセンファーマ,ヤクルト 該当なし 該当なし 該当なし  
今井 陽俊
(小樽市立病院)
該当なし 該当なし 該当なし 該当なし 該当なし
該当なし 該当なし 該当なし 該当なし  
入山 規良
(日本大学)
該当なし 該当なし 該当なし ブリストル・マイヤーズスクイブ 該当なし
該当なし 該当なし 該当なし 該当なし  
薄井 紀子
(東京慈恵会医科大学)
該当なし 該当なし 該当なし シミック,アッビィ,セルジーン,ファイザー,日本新薬,大塚製薬,第一三共 該当なし
該当なし 該当なし 該当なし 該当なし  
大竹 茂樹
(金沢大学)
該当なし 該当なし 該当なし 該当なし 該当なし
該当なし 該当なし 該当なし 該当なし  
大間知 謙
(東海大学)
該当なし 該当なし 該当なし 協和キリン 該当なし
該当なし 該当なし 該当なし 該当なし  
岡本 昌隆
(藤田医科大学)
該当なし 該当なし 該当なし 該当なし 該当なし
該当なし 中外製薬,協和キリン,大鵬薬品,小野薬品工業,武田薬品工業 該当なし 該当なし  
尾崎 修治
(徳島県立中央病院)
該当なし 該当なし 該当なし 該当なし 該当なし
該当なし 該当なし 該当なし 該当なし  
川口 辰哉
(熊本保健科学大学)
該当なし 該当なし 該当なし ファイザー,アレクシオンファーマ 該当なし
該当なし 該当なし 該当なし 該当なし  
木崎 昌弘
(埼玉医科大学総合医療センター)
該当なし 該当なし 該当なし 小野薬品工業,ブリストル・マイヤーズスクイブ,セルジーン,ヤンセンファーマ,ノバルティスファーマ,MSD,協和キリン,武田薬品工業,日本新薬 大日本住友製薬,藤本製薬
武田薬品工業,アステラス製薬,藤本製薬,ノバルティスファーマ 協和キリン,第一三共,小野薬品工業,武田薬品工業,中外製薬 該当なし 該当なし  
清井 仁
(名古屋大学)
該当なし 該当なし 該当なし ブリストル・マイヤーズスクイブ,アステラス製薬,ノバルティスファーマ 該当なし
富士フイルム,協和キリン,日本ベーリンガー,ブリストル・マイヤーズスクイブ,大塚製薬,ペルセウスプロテオミクス,第一三共 全薬工業,日本新薬,エーザイ,ファイザー,中外製薬,アステラス製薬,協和キリン,武田薬品工業,ノバルティスファーマ,大日本住友製薬,サノフィ 該当なし 該当なし  
桐戸 敬太
(山梨大学)
該当なし 該当なし 該当なし ノバルティスファーマ 該当なし
該当なし 該当なし 該当なし 該当なし  
楠本 茂
(名古屋市立大学)
該当なし 該当なし 該当なし 中外製薬 該当なし
ブリストル・マイヤーズスクイブ,MSD,武田薬品工業,ヤンセンファーマ,アッヴィ 中外製薬,協和キリン,小野薬品工業,武田薬品工業,サノフィ 該当なし 該当なし  
小林 幸夫
(国際医療福祉大学三田病院)
該当なし 該当なし 該当なし SRL 該当なし
該当なし 該当なし 該当なし 該当なし  
島崎 千尋
(JCHO 京都鞍馬口医療センター)
該当なし 該当なし 該当なし 該当なし 該当なし
該当なし 該当なし 該当なし 該当なし  
島田 和之
(名古屋大学)
該当なし 該当なし 該当なし 該当なし 該当なし
該当なし 該当なし 該当なし 該当なし  
下田 和哉
(宮崎大学)
該当なし 該当なし 該当なし ノバルティスファーマ,シャイアー,武田薬品工業,ブリストル・マイヤーズスクイブ,セルジーン 該当なし
ペルセウスプロテオミクス,ファーマエッセンシアジャパン MSD,アッヴィ,アステラス製薬,中外製薬,協和キリン,ファイザー,ノバルティスファーマ,大塚製薬,旭化成メディカル,新日本先進医医療研究財団 該当なし 該当なし  
鈴木 隆浩
(北里大学)
該当なし 該当なし 該当なし ノバルティスファーマ,日本新薬,アレクシオンファーマ,セルジーン,協和キリン 該当なし
該当なし 該当なし 該当なし 該当なし  
鈴木 律朗
(島根大学)
該当なし 該当なし 該当なし 中外製薬,アッヴィ 該当なし
該当なし 該当なし 該当なし 該当なし  
鈴宮 淳司
(島根大学)
該当なし 該当なし 該当なし 中外製薬,エーザイ,武田薬品工業,セルジーン,ヤンセンファーマ,ブリストル・マイヤーズスクイブ,アッヴィ,アストラゼネカ 該当なし
セルジーン,新日本科学 中外製薬,協和キリン,アステラス製薬,エーザイ,武田薬品工業 該当なし 該当なし  
角南 一貴
(国立病院機構 岡山医療センター)
該当なし 該当なし 該当なし セルジーン,小野薬品工業,ブリストル・マイヤーズスクイブ,武田薬品工業 該当なし
小野薬品工業,MSD,セルジーン,アッビィ,武田薬品工業,サノフィ,ブリストル・マイヤーズスクイブ,第一三共,アレクシオンファーマ,グラクソスミスクライン,ノバルティスファーマ,ヤンセンファーマ 小野薬品工業 該当なし 該当なし  
関口 直宏
(国立病院機構 災害医療センター)
該当なし 該当なし 該当なし 該当なし 該当なし
小野薬品工業,エイツーヘルスケア,アステラス製薬,ヤンセンファーマ,MSD,大塚製薬,ファイザー,新日本科学PPD,大日本住友製薬,第一三共,ブリストル・マイヤーズスクイブ 該当なし 該当なし 該当なし  
髙橋 直人
(秋田大学)
該当なし 該当なし 該当なし ノバルティスファーマ,大塚製薬,ファイザー 該当なし
ノバルティスファーマ,大塚製薬,ファイザー,アステラス製薬 アステラス製薬,大塚製薬,旭化成,持田製薬 該当なし 該当なし  
高松 博幸
(金沢大学)
該当なし 該当なし 該当なし セルジーン,ヤンセンファーマ,小野薬品工業,Adaptive Biotechnologies 該当なし
ヤンセンファーマ,サノフィ—,セルジーン,小野薬品工業,ブリストル・マイヤーズスクイブ,SRL 該当なし 該当なし 該当なし  
髙松 泰
(福岡大学)
該当なし 該当なし 該当なし 武田薬品工業,小野薬品工業,ヤンセンファーマ,セルジーン 該当なし
該当なし 大鵬薬品,中外製薬,アステラス製薬,協和キリン,武田薬品工業,小野薬品工業,セルジーン 武田薬品工業,小野薬品工業,ベックマン・コールター 該当なし  
塚崎 邦弘
(埼玉医科大学国際医療センター)
該当なし 該当なし 該当なし 該当なし 該当なし
セルジーン,武田薬品工業,ムンディファーマ,中外製薬 中外製薬 該当なし 該当なし  
冨田 章裕
(藤田医科大学)
該当なし 該当なし 該当なし 中外製薬 該当なし
ペルセウスプロテオミクス 中外製薬,協和キリン,大鵬薬品,小野薬品工業,武田薬品工業 該当なし 該当なし  
永井 宏和
(国立病院機構名古屋医療センター)
該当なし 該当なし 該当なし 武田薬品工業,エーザイ,中外製薬,セルジーン 該当なし
アストラゼネカ,バイエル薬品,全薬工業,武田薬品工業,中外製薬,ムンディファーマ,シンバイオ製薬,セルジーン 中外製薬 該当なし 該当なし  
中尾 眞二
(金沢大学)
シンバイオ製薬 該当なし 該当なし ノバルティスファーマ,協和キリン 該当なし
該当なし アレクシオンファーマ 該当なし 該当なし  
中世古 知昭
(国際医療福祉大学)
該当なし 該当なし 該当なし セルジーン,ノバルティスファーマ,ファイザー 該当なし
該当なし 該当なし 該当なし 該当なし  
南谷 泰仁
(京都大学)
該当なし 該当なし 該当なし 該当なし 該当なし
該当なし 該当なし 該当なし 該当なし  
八田 善弘
(日本大学)
該当なし 該当なし 該当なし 該当なし 該当なし
該当なし 該当なし 該当なし 該当なし  
早川 文彦
(名古屋大学)
該当なし 該当なし 該当なし 該当なし 該当なし
該当なし 該当なし 該当なし 該当なし  
半田 寛
(群馬大学)
該当なし 該当なし 該当なし ヤンセンファーマ 該当なし
セルジーン,武田薬品工業,バイエル薬品,協和キリン,アステラス,サノフィ 該当なし 該当なし 該当なし  
福島 卓也
(琉球大学)
該当なし 該当なし 該当なし 該当なし 該当なし
日本電気,第一三共 該当なし 該当なし 該当なし  
福原 規子
(東北大学)
該当なし 該当なし 該当なし 協和キリン,中外製薬 該当なし
アッヴィ,Incyte corporation,エーザイ,小野薬品工業,ギリアド・サイエンシズ,ソレイジア・ファーマ,中外製薬,バイエル薬品 該当なし 該当なし 該当なし  
藤田 浩之
(済生会横浜市南部病院)
該当なし 該当なし 該当なし 該当なし 該当なし
該当なし 該当なし 該当なし 該当なし  
前田 嘉信
(岡山大学)
該当なし 該当なし 該当なし ムンディファーマ,協和キリン,ブリストル・マイヤーズスクイブ,中外製薬,ファイザー,セルジーン,ノバルティスファーマ,武田薬品工業 該当なし
アステラス製薬,ブリストル・マイヤーズスウイブ,武田薬品工業,協和キリン,中外製薬 該当なし 該当なし 該当なし  
松村 到
(近畿大学)
該当なし 該当なし 該当なし ブリストル・マイヤーズスクイブ,ノバルティスファーマ,ファイザー,セルジーン,大塚製薬,武田薬品工業,アッヴィ,第一三共,アステラス製薬,アステラス・アムジェン・バイオファーマ 該当なし
セルジーン,ファイザー,エーザイ,アッヴィ,中外製薬,武田薬品工業,ブリストル・マイヤーズスクイブ,ノバルティスファーマ 中外製薬,小野薬品工業,ノバルティスファーマ,大日本住友製薬,エーザイ,日本新薬,ファイザー,日本製薬,MSD,旭化成ファーマ,武田薬品工業,アステラス製薬,塩野義製薬,アッヴィ,協和キリン,大塚製薬,大鵬薬品,田辺三菱製薬 該当なし 該当なし  
丸山 大
(国立がん研究センター中央病院)
該当なし 該当なし 該当なし セルジーン,武田薬品工業,ヤンセンファーマ,ムンディファーマ,エーザイ,協和キリン,中外製薬 該当なし
MSD,セルジーン,ノバルティスファーマ,ムンディファーマ,ヤンセンファーマ,小野薬品工業,中外製薬,武田薬品工業 該当なし 該当なし 該当なし  
三木 浩和
(徳島大学)
該当なし 該当なし 該当なし 該当なし 該当なし
該当なし 該当なし 該当なし 該当なし  
三谷 絹子
(獨協医科大学)
該当なし 該当なし 該当なし セルジーン,協和キリン 該当なし
該当なし ノバルティスファーマ,協和キリン,中外製薬,武田薬品工業 該当なし 該当なし  
宮崎 香奈
(三重大学)
該当なし 該当なし 該当なし 該当なし 該当なし
該当なし 協和キリン,アステラス製薬,小野薬品工業 該当なし 該当なし  
宮﨑 泰司
(長崎大学)
該当なし 該当なし 該当なし ノバルティルファーマ,セルジーン,大日本住友製薬,日本新薬,中外製薬,大塚製薬,アステラス製薬,協和キリン 該当なし
大日本住友製薬 ファイザー,武田薬品工業,中外製薬,日本新薬 該当なし 該当なし  
村上 博和
(群馬医療福祉大学)
該当なし 該当なし 該当なし 該当なし 該当なし
セルジーン 武田薬品工業 該当なし 該当なし  
山内 高弘
(福井大学)
該当なし 該当なし 該当なし アッヴィ,アステラス製薬,ファイザー 該当なし
ソレイジア・ファーマ,大塚製薬,アッヴィ,ファイザー,アステラス製薬,第一三共 小野薬品工業,ファイザー,中外製薬 該当なし 該当なし  
山口 博樹
(日本医科大学)
該当なし 該当なし 該当なし 該当なし ノバルティスファーマ,第一三共,アステラス製薬
アステラス製薬,協和キリン 該当なし 該当なし 該当なし  
山口 素子
(三重大学)
該当なし 該当なし 該当なし 該当なし 該当なし
該当なし 協和キリン,アステラス製薬,小野薬品工業 該当なし 該当なし  
山崎 悦子
(横浜市立大学)
該当なし 該当なし 該当なし 該当なし 該当なし
該当なし 該当なし 該当なし 該当なし  
山本 一仁
(愛知県がんセンター)
該当なし 該当なし 該当なし エーザイ,武田薬品工業,中外製薬,HUYA/IQVIA,ムンディファーマ 該当なし
アストラゼネカ,アッヴィ,ARIAD/シミック,Incyte/IQIVA,エーザイ,シンバイオ製薬,セルジーン,全薬工業,ソレイジア,中外製薬,日本新薬,ノバルティスファーマ,バイエル,ムンディファーマ,ヤクルト 該当なし 該当なし 該当なし  
横山 泰久
(筑波大学)
該当なし 該当なし 該当なし 該当なし 該当なし
該当なし 該当なし 該当なし 該当なし  
吉田 功
(国立病院機構 四国がんセンター)
該当なし 該当なし 該当なし 該当なし 該当なし
該当なし 該当なし 該当なし 該当なし  
評価委員 安倍 正博
(徳島大学)
作成委員の欄参照
石塚 賢治
(鹿児島大学)
該当なし 該当なし 該当なし セルジーン,ブリストル・マイヤーズスクイブ,中外製薬,協和キリン,第一三共 該当なし
小野薬品工業,協和キリン 武田薬品工業 該当なし 該当なし  
黒田 純也
(京都府立医科大学)
該当なし 該当なし 該当なし セルジーン,ヤンセンファーマ,ブリストル・マイヤーズスクイブ,サノフィ,小野薬品工業,アッビィ,武田薬品工業 該当なし
セルジーン,ブリストル・マイヤーズスクイブ,小野薬品工業,シスメックス,大塚製薬 小野薬品工業,協和キリン,中外製薬,サノフィ,エーザイ,大日本住友製薬,武田薬品工業,日本新薬,ファイザー 該当なし 該当なし  
柴山 浩彦
(大阪大学大学院)
該当なし 該当なし 該当なし 武田薬品工業,ノバルティスファーマ,セルジーン,ヤンセンファーマ,中外製薬,協和キリン 該当なし
ヤンセンファーマ,小野薬品工業,セルジーン,ノバルティスファーマ,サノフィ,アストラゼネカ,アッヴィ,中外製薬 アステラス製薬,帝人ファーマ,塩野義製薬,エーザイ,サノフィ,大鵬薬品,日本新薬 該当なし 該当なし  
鈴木 律朗
(島根大学)
作成委員の欄参照
竹下 明裕
(浜松医科大学)
該当なし 該当なし 該当なし 該当なし 該当なし
該当なし 該当なし 該当なし 該当なし  
千葉 滋
(筑波大学)
該当なし 該当なし 該当なし 該当なし 該当なし
サイアス アステラス製薬,小野薬品工業,協和キリン,サノフィ,武田薬品工業,中外製薬 該当なし 該当なし  
張替 秀郎
(東北大学)
該当なし 該当なし 該当なし 小野薬品工業,ブリストル・マイヤーズ,ノバルティスファーマ,中外製薬,協和キリン,ヤンセンファーマ 該当なし
アステラス,アッヴィ,イーライリリー,メルクセローノ,EPS アソシエイト,大正製薬,ソレイジア・ファーマ,バイエル,IQVIA サービシーズジャパン,MSD,小野薬品工業,アストラゼネカ,グラクソスミスクライン,中外製薬,武田薬品工業,ヤンセンファーマ,ファイザー,ブリストル・マイヤーズスクイブ,ギリアド,日本ベーリンガーインゲルハイム 協和キリン,アステラス 該当なし 該当なし  
松村 到
(近畿大学)
作成委員の欄参照
宮本 敏浩
(九州大学)
該当なし 該当なし 該当なし 武田薬品工業,大塚製薬,MSD,セルジーン,ブリストル・マイヤーズスクイブ,アステラス,アステラス・アムジェン,アッビィ 該当なし
該当なし 該当なし 該当なし 該当なし  

第2版補訂版 あとがき

 2018年7月に日本血液学会 造血器腫瘍診療ガイドライン第2版が出版されてから約2年が経とうとしている。造血器腫瘍における治療の進歩には目覚ましいものがあり,第2版用の原稿が揃って出版に至るまでの間にも,多くの重要な新薬が認可されていた。このため,その領域の執筆を担当された専門の先生方からは,補訂版を出す必要があることが第2版の出版直後から指摘されていた。その結果,通常のガイドラインの改訂版としては異例の速さで補訂版が出版されることになった。
 本ガイドラインが出版されるまでには,各項目の執筆者間で膨大なメールのやり取りが行われてきた。そのやり取りをみていると,本ガイドラインの診療に対するインパクトが大きいことを感じている作成委員や評価委員の先生方が,内容に不備があってはいけないという強い責任感を持って執筆に取り組んでおられる様子がひしひしと伝わってくる。日常の診療・研究・教育に多忙な中で,ガイドライン作成のために時間を割くことは並大抵のことではない。作成委員・評価委員の皆さんに感謝申し上げたい。さらに,これらのすべてを取りまとめているガイドライン委員会委員(実質的な委員長)の京都大学腫瘍生物学南谷泰仁先生には,今回も頭が下がる思いである。
 近年では新薬の情報が世の中に溢れているためか,患者さん自身の口からCAR-T細胞やbispecific抗体の話が出て,診ている医師が戸惑うこともある。私のようにどちらかというと良性の血液疾患を専門に診ている者でも,本ガイドラインが傍らにあれば,リンパ腫治療やリンパ性白血病治療における位置づけを患者さんに正確に説明することができる。
 本補訂版が,第一線で血液内科診療に取り組む内科医にとって,これまでにも増して大きな診療の助けになることを祈っている。

 2020年4月

ガイドライン作成委員会委員長 中尾眞二

第2版 あとがき

 造血器悪性腫瘍の治療は文字通り日進月歩である。生きている間にいつか悪性疾患になるとすれば,少しでも後でなったほうがよいのは当然のことだが,造血器腫瘍ほど,遅れて罹患したほうが得をする腫瘍はないのではないだろうか。この5年間だけでも,慢性骨髄性白血病に対する新規チロシンキナーゼの選択肢の拡大,悪性リンパ腫に対する新規抗体療法の上市,免疫チェックポイント阻害剤の適応拡大,多発性骨髄腫に対する様々な新規薬剤の登場など,新しい治療の話題には事欠かない。血液内科学の中でも,専門領域が高度に細分化されつつある現在,すべての領域で最先端の知識を身に着けるのは不可能に近いが,血液内科医が圧倒的に不足している現在,少数の血液専門医があらゆる造血器腫瘍を診療しているのが実情と思われる。このため,すべての血液専門医が診療の現場で標準的な治療が行えるように工夫されたガイドラインの作成が求められてきた。
 本ガイドラインはそのような血液専門医のニーズに応えるため,2013年10月に第1版が出版され,このたび5年ぶりに大幅な改訂が行われた。第2版は,旧版と同様に,各腫瘍の簡潔な総論・治療アルゴリズムの紹介に続いて,現場の医師が疑問に感じるであろうクリニカルクエスチョン(CQ)が適切に選択され,通読するだけで,その腫瘍の最新治療とエビデンスが容易に理解できる構成になっている。このような実践的なガイドラインは,他領域の腫瘍診療ガイドラインではまずないのではないだろうか。新薬の登場に合わせて治療選択に迷うようになった領域については,新しくCQと明快な回答・文献が追加されているため,筆者の様に造血器腫瘍を治療する機会が普段は少ない血液内科医でも,自信を持って化学療法の処方箋が書ける内容になっている。
 日常診療で極めて多忙な血液内科医がこれだけ充実した内容のガイドラインをまとめるのには大変な犠牲を払ったのではないかと想像する。造血器腫瘍診療を均てん化し,悪性腫瘍で苦しむ患者に常に最良の医療が行われるようにしたい,という各執筆者の熱意と,日本血液学会の赤司浩一理事長,松村 到副理事長,三谷絹子副理事長らの強いリーダーシップがなければ,本ガイドライン作成の作業は到底なし得なかったと思われる。皆様のご努力に感謝申し上げたい。ことに,超人的な実務能力を発揮して第2版作成の音頭を取られた京都大学腫瘍生物学 南谷泰仁先生には頭が下がる思いである。

 2018年6月

ガイドライン作成委員会委員長 中尾眞二

初版 あとがき

 成人の血液疾患領域において,個別の疾患レベルでは,これまでも研究班などで作成された優れたガイドラインがいくつもあったが,造血器腫瘍全体を統一された形式で俯瞰したものは事実上存在しなかった。このたび,日本血液学会の編纂により,多岐にわたる造血器腫瘍を包摂して,最新の診療ガイドラインが刊行される運びとなったことは誠に意義深いことである。
 本ガイドラインは2011年5月に,日本血液学会会員から各疾患のエキスパートが一堂に会して,実質的な作成作業が始まった。疾患別作成委員会内に作られたワーキンググループ(WG)の精力的な活動のもと,極めて順調に原稿が寄せられたことが記憶に新しい。いずれも充実した内容で,分量の関係で項目を厳選するなどの調整を行った結果,一層密度の高いものとなった。その後,独立した評価委員会による3回にわたる評価・修正を行い,さらに関連学会や研究班からの意見をいただくとともに日本血液学会会員から広くパップブリックコメントを募集した。その集大成が本ガイドラインである。
 本書は主要疾患ごとに,エッセンスを的確に集約した総論,現時点での治療の考え方をわかりやすく図示したアルゴリズム,選び抜かれたClinical question(CQ)からなっている。CQのパートでは重要な文献に基づいて適切なエビデンスとそのレベルが明確に記載され,現時点での診療の到達点が見事に記されている。全体として現在のガイドラインで汎用される形式に則り,診療上標準となる情報を濃縮したものとなった。読み返してみると,造血器腫瘍領域にこれまでなかった待望の書であることを改めて感じ,血液の診療に携わる医師のみならず,他領域の医師や医療関係者にも広く役立つ内容であると確信する。本書の誕生の場に参加できたことを大変光栄に感じるところである。
 本書に関しては,文献の内容をコンパクトに把握できる構造化抄録も作成され,本文の一部とともにwebで閲覧可能となる。本書が多くの方にさまざまな形で幅広く活用されることが望まれる。一方,最新の情報を維持するためには,適切な方法で内容の追加,アップデートしていく必要があろう。そのような意味で,本書は造血器腫瘍の診療の携わる方に育てていただくものと考える。
 最後に,本ガイドライン作成に不可欠のリーダーシップを発揮された金倉 譲 日本血液学会理事長,実質的な作成作業を取りまとめてくださった大西一功 疾患別作成委員会委員長,的確な評価と修正指示を取りまとめてくださった直江知樹委員長をはじめとする評価委員の方々,各疾患別WG責任者をはじめとする全ての執筆者ならびに作成委員会の各委員の方々,そして事務局として実務の労を執られた南谷泰仁氏(東京大学血液・腫瘍内科)に深甚の感謝の意を表したい。

 2013年9月

ガイドライン作成委員会委員長 黒川峰夫

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