日本血液学会 造血器腫瘍診療ガイドライン2018年版補訂版

第Ⅱ章 リンパ腫

Ⅱ リンパ腫

9 節外性NK/T細胞リンパ腫,鼻型
(extranodal NK/T-cell lymphoma, nasal type:ENKL)

総論

 WHO分類(2017)ではNK細胞腫瘍として,節外性NK/T細胞リンパ腫,鼻型(extranodal NK/T-cell lymphoma, nasal type:ENKL),アグレッシブNK細胞白血病(aggressive NK-cell leukemia:ANKL),慢性NK細胞増多症(chronic lymphoproliferative disorders of NK cells:CLPD-NK)の3病型が記載されている1)。いずれも稀少病型であり,ANKLの頻度はENKLの7分の1以下であるため2),治療法に関するエビデンスは乏しい。このため本項ではENKLについてのみ取り扱う。
 ENKLのほとんどはNK細胞由来であり,鼻腔およびその周辺(以下本項では鼻腔周辺と記載)原発例においてT細胞由来のリンパ腫が少数存在するとされている。パラフィン材料を用いた現在の病理組織学的手法ではNK細胞型とT細胞型の鑑別ができないため,NK/Tとの用語が採用されている。NK細胞型とT細胞型の識別はフローサイトメトリーあるいはT細胞受容体再構成の遺伝子解析で可能であるため,鼻腔周辺以外の原発例およびANKLでは十分な検体が採取可能であるため識別可能なことが多い。鼻腔周辺原発例ではCD56発現に加えてEBウイルスの存在や細胞傷害性分子の存在で他のPTCLとの鑑別を行っているのが現状である。
 病期分類には,ほかの悪性リンパ腫と同様にLugano分類が用いられる。日本および韓国から予後予測モデルがそれぞれ提唱されている2-4)。他のリンパ腫と異なり診断時年齢は予後因子とならない。臨床病期は治療法の選択に重要である。治療効果の判定に際しては,特に鼻腔周辺は解剖学的に複雑であること,腫瘍が消失しても粘膜肥厚などの非腫瘍組織の残存があり得ること,ENKLではpositron emission tomography(PET)において高率に18fluoro-2-deoxyglucose(FDG)の取り込みが認められることから5),FDG-PETが有用である。

参考文献

1)Chan JKC, et al. Extranodal NK/T-cell lymphoma, nasal type. Swerdlow SH, et al. eds. WHO Classification of Tumours of Haematopoietic and Lymphoid Tissues. Lyon, IARC ; 2017 : pp368-71. (テキストブック)
2)Suzuki R, et al. Prognostic factors for mature natural killer (NK)-cell neoplasms : aggressive NK-cell leukemia and extranodal NK-cell lymphoma, nasal-type. Ann Oncol. 2010 ; 21 (5) : 1032-40. (3iiA)
3)Lee J, et al. Extranodal natural killer T-cell lymphoma, nasal-type : a prognostic model from a retrospective multicenter study. J Clin Oncol. 2006 ; 24 (4) : 612-8. (3iiA)
4)Kim SJ, et al. A prognostic index for natural killer cell lymphoma after non-anthracycline-based treatment : a multicentre, retrospective analysis. Lancet Oncol. 2016 ; 17 (3) : 389-400. (3iiA)
5)Kako S, et al. FDG-PET in T-cell and NK-cell neoplasms. Ann Oncol. 2007 ; 18 (10) : 1685-90.

 

アルゴリズム

 ENKLでは約7割の患者が鼻腔あるいはその周辺組織を中心とする限局期病変を有する。鼻腔周辺原発例で病変が頸部リンパ節までにとどまっている患者では,わが国で実施された第Ⅰ/Ⅱ相試験の結果から同時化学放射線療法であるRT-2/3DeVIC療法(DEX,ETP,IFM,CBDCA)を行うことが推奨され,また臨床試験への参加も勧められる(CQ1)。RT-2/3DeVIC療法で完全奏効(CR)を得た場合,地固め療法としての自家造血幹細胞移植併用大量化学療法(high-dose chemotherapy with autologous hematopoietic stem cell transplantation:HDC/AHSCT)を行うことは推奨されない(CQ2)。
 鼻腔周辺原発で病変が頸部リンパ節を超えて広がっている場合,鼻腔など上気道以外での発生例,初回治療後再発または部分奏効(PR)以下のENKLに対しては,第Ⅱ相試験の結果からSMILE療法(DEX,MTX,IFM,L-Asp,ETP)を行うことが推奨される(CQ3)。
 初発進行期ENKLの全例および初回再発/治療抵抗性ENKLで救援療法後CR例では,現時点では前方視的臨床試験が存在しないため,エビデンスレベルは低いものの,移植後長期奏効を得ている患者が存在することから,年齢や全身状態などの問題がなければ,自家または同種移植が推奨される(CQ4)。救援療法によるPR以下のENKLの予後は不良であり,年齢や全身状態などの問題がなければ,自家または同種造血幹細胞移植が推奨される(CQ5)。

 

CQ1 初発鼻腔周辺限局期(ⅠE期および頸部リンパ節浸潤までのⅡE期)ENKLに対して最も勧められる治療は何か

推奨グレード
カテゴリー2A

同時化学放射線療法であるRT-2/3DeVIC療法が最も推奨される。ただし最良の治療法についてはコンセンサスがなく,臨床試験への参加も推奨される。

解説

 ENKL患者の約7割が鼻腔あるいはその周辺組織を中心とする限局期病変を有する。ENKLではP糖蛋白関連薬を主体とするCHOP療法の有効性が低く,この理由として正常NK細胞が多剤耐性(multi-drug resistance:MDR)に関与するP糖蛋白を発現していることが関連していると考えられている。一方で病変部放射線治療単独により比較的良好な完全奏効(CR)割合(65%)が得られることが早くから知られており1),放射線治療とMDR非関連薬を中心とする化学療法の併用療法が検討されてきた。
 稀少疾患であり,ランダム化比較試験により確立された標準治療はない。国内では,鼻腔周辺原発で病変が頸部リンパ節までの限局期ENKLを対象とし,同時化学放射線療法であるRT-2/3DeVIC療法(DEX,ETP,IFM,CBDCA)の第Ⅰ/Ⅱ相試験(JCOG0211-DI)が行われ2),OSが放射線治療単独の治療成績を上回り3),日常診療でも臨床試験と同様の効果および毒性であることが確認された4)。RT-2/3DeVIC療法のほかに臨床試験で開発されたものとしては,韓国の研究グループによる[CCRT(RT,CDDP)-VIDL(ETP,IFM,DEX,L-Asp)療法]5)などがあり,香港の研究者らは調査研究の結果から,後述のSMILE療法短期コース後に放射線治療を行う治療法を推奨している。最良の治療についてはコンセンサスがないものの,日常診療での安全性と有効性が確認されていることから4),RT-2/3DeVIC療法が最も推奨される。ただし治療法の優劣は不明であり,臨床試験への参加も推奨される。化学療法の同時併用もしくは追加を行えない場合は,放射線治療単独もオプションの一つとなりうる。
 鼻腔(周辺)原発で病変が鎖骨下リンパ節など頸部リンパ節領域を超えて認められる場合は,放射線治療による有害反応が懸念されることに加え,限局期に対する治療では予後不良であることから4),進行期に準じて化学療法を行う。

参考文献

1)Kim GE, et al. Angiocentric lymphoma of the head and neck : patterns of systemic failure after radiation treatment. J Clin Oncol. 2000 ; 18 (1) : 54-63. (3iiA)
2)Yamaguchi M, et al. Phase I/II study of concurrent chemoradiotherapy for localized nasal natural killer/T-cell lymphoma : Japan Clinical Oncology Group Study JCOG0211. J Clin Oncol. 2009 ; 27 (33) : 5594-600. (3iiiA)
3)Yamaguchi M, et al. Concurrent chemoradiotherapy for localized nasal natural killer (NK)/T-cell lymphoma : an updated analysis of the Japan Clinical Oncology Group Study, JCOG0211. J Clin Oncol. 2012 ; 30 (32) : 4044-6. (Correspondence) (3iiiA)
4)Yamaguchi M, et al. Treatments and outcomes of patients with extranodal natural killer/T-cell lymphoma diagnosed between 2000 and 2013 : a cooperative study in Japan. J Clin Oncol. 2017 ; 35 (1) : 32-9. (3iiA)
5)Kim SJ, et al. Concurrent chemoradiotherapy followed by L-asparaginase-containing chemotherapy, VIDL, for localized nasal extranodal NK/T cell lymphoma : CISL08-01 phase II study. Ann Hematol. 2014 ; 93 (11) : 1895-901. (3iiiDiv)

 

CQ2 初発鼻腔周辺限局期のRT-2/3DeVIC療法後CR例に対して地固め療法としての自家造血幹細胞移植併用大量化学療法は必要か

推奨グレード
カテゴリー4

有用性を示すエビデンスは乏しく,推奨されない。

解説

 初発鼻腔周辺限局期ENKLにおいて,初回治療後完全奏効(CR)における地固め療法としての自家造血幹細胞移植併用大量化学療法(high-dose chemotherapy with autologous hematopoietic stem cell transplantation:HDC/AHSCT)の有用性について,十分なサンプルサイズで評価した研究は少ない1, 2)。さらに,多剤耐性(multi-drug resistance)克服を意図した化学療法,あるいはそれらの併用による同時化学放射線療法を受けた患者を対象とした同様の研究はほとんどない。
 CQ1にあるように,国内での初発鼻腔周辺限局期ENKLにおいてはRT-2/3DeVIC療法が推奨される。この根拠となったJCOG0211-DI試験では,治療後CR例ではHDC/AHSCTなどの後治療を行わず経過観察とされていた。また,国内31施設で日常診療としてRT-DeVIC療法を受けたENKL患者150例の後方視的研究では,初回治療後CRでHDC/AHSCTを受けたのはわずか2例であり,そのうち1例で照射体積内の二次がん発生を認めた3)。5年全生存割合はJCOG0211-DI試験で70%,後方視的研究で72%と良好であった。
 以上よりRT-2/3DeVIC療法でCRとなれば,地固め療法としてのHDC/AHSCTを行わずに無治療経過観察することが推奨される。米国造血細胞移植学会(ASBMT)の推奨ガイドでは,初回CR後HDC/AHSCTは実施すべきでないとされている4)

参考文献

1) Kim HJ, et al. High-dose chemotherapy with autologous stem cell transplantation in extranodal NK/T-cell lymphoma : a retrospective comparison with non-transplantation cases. Bone Marrow Transplant. 2006 ; 37 (9) : 819-24. (3iiA)
2) Lee J, et al. Autologous hematopoietic stem cell transplantation in extranodal natural killer/T cell lymphoma : a multinational, multicenter, matched controlled study. Biol Blood Marrow Transplant. 2008 ; 14 (12) : 1356-64. (3iiA)
3) Yamaguchi M, et al. Treatments and outcomes of patients with extranodal natural killer/T-cell lymphoma diagnosed between 2000 and 2013 : a cooperative study in Japan. J Clin Oncol. 2017 ; 35 (1) : 32-9. (3iiA)
4) Kharfan-Dabaja MA, at al. Clinical practice recommendations on indication and timing of hematopoietic cell transplantation in mature T-cell and NK/T-cell lymphomas : an international collaborative effort on behalf of the Guidelines Committee of the American Society for Blood and Marrow Transplantation. Biol Blood Marrow Transplant. 2017 ; 23 (11) : 1826-38. (ガイドライン)

 

CQ3 初発進行期および初回再発/治療抵抗性ENKLに適した治療は何か

推奨グレード
カテゴリー2A

多剤併用化学療法であるSMILE療法が最も推奨される。

解説

 初発ENKLでは,約25%が骨髄浸潤などの全身播種を示し,アントラサイクリンを含む化学療法が行われていた時代の完全奏効(CR)割合は15%,50%生存期間は4カ月と極めて予後不良であった1)。多剤耐性(multi-drug resistance:MDR)に関与するP糖蛋白の影響を受けない薬剤を主体とするSMILE療法(DEX,MTX,IFM,L-Asp,ETP)がわが国を中心として東アジアで開発され,年齢15~69歳,performance status(PS)0~2の初発Ⅳ期,初回治療後再発・治療抵抗性ENKLを対象として第Ⅱ相試験が行われ,既存の治療成績と比較して優れたCR割合,1年全生存割合(OS)を示した2)
 NCCNガイドラインではpegaspargaseを用いたSMILE療法変法や,オキサリプラチンを含むレジメンを選択肢に挙げているが,本邦では使用できない。
 GELA/GOELAMSによる初回再発/治療抵抗性ENKLを対象としたAspaMetDex療法(L-Asp,MTX,DEX)の第Ⅱ相試験の結果が報告されているが,対象19例中12例が限局期例であり,17例はCHOPまたはCHOP類似療法を受けていた3)。日本の初回治療であれば予後良好な患者が含まれている可能性がある。初発進行期例に対するAspaMetDex療法の第Ⅱ相試験も実施されたが,測定全例で抗アスパラギナーゼ抗体が生じ,全奏効割合は58%に留まった4)。このためいずれの状態でも,現時点ではSMILE療法が最も推奨される。

参考文献

1) Suzuki R, et al. Prognostic factors for mature natural killer (NK)-cell neoplasms : aggressive NK-cell leukemia and extranodal NK-cell lymphoma, nasal-type. Ann Oncol. 2010 ; 21 (5) : 1032-40. (3iiA)
2) Yamaguchi M, et al. Phase II study of SMILE chemotherapy for newly diagnosed stage IV, relapsed, or refractory extranodal natural killer (NK)/T-cell lymphoma, nasal type : the NK-Cell Tumor Study Group study. J Clin Oncol. 2011 ; 29 (33) : 4410-6. (3iiiDiv)
3) Jaccard A, et al. Efficacy of L-asparaginase with methotrexate and dexamethasone (AspaMetDex regimen) in patients with refractory or relapsing extranodal NK/T-cell lymphoma, a phase II study. Blood. 2011 ; 117 (6) : 1834-9. (3iiiDiv)
4) Jaccard A, et al. A prospective phase II trial of an L-asparaginase containing regimen in extranodal NK/T-cell lymphoma. Hematol Oncol. 2013 ; 31 (Supple. S1) : 129, [Abstract #099]. (3iiiDiv)

 

CQ4 初発進行期ENKL全例および初回再発/治療抵抗性ENKLで救援療法後CR例では造血幹細胞移植を追加すべきか

推奨グレード
カテゴリー2B

年齢や全身状態などの問題がなければ,自家または同種造血幹細胞移植が推奨される。

解説

 予後不良とされてきた初回進行期および初回再発,治療抵抗性ENKLでは,これまで造血幹細胞移植療法なしに長期生存は困難であった。後方視的解析の結果ではあるが自家移植1-3)もしくは同種移植2, 4)を受けた一部患者で長期生存が報告されている。
 SMILE療法(DEX,MTX,IFM,L-Asp,ETP)などL-アスパラギナーゼ(L-Asp)を含む新しい併用化学療法が行われる時代になってきたが,これまでに報告された臨床試験の成績は造血幹細胞移植が実施された患者を含むものである5)。選択バイアスの可能性もあるが,サブグループ解析では自家または同種移植を受けた患者の方が全生存割合(OS)は良好であった。化学療法のみで長期生存ないし奏効持続が得られるというデータはなく,現時点では前方視的臨床試験が存在しないためエビデンスレベルとしては低いが,患者の年齢や全身状態が問題なければ,自家または同種移植の実施が推奨される。
 移植の種類に関しても選択バイアスの可能性はあるが,自家移植の成績は同種移植と同等かそれ以上であり6, 7),完全奏効(CR)で遂行可能な患者には自家移植実施の妥当性が示唆される。特に適切な同種骨髄・末梢血ドナーが存在しない場合,ドナー検索に時間をかけるより,CRでの自家移植の実施が推奨される。米国造血細胞移植学会(ASBMT)の推奨ガイドでは,自家はstrong recommendation,同種はweak recommendationとされているが,これを支持するエビデンスはない8)

参考文献

1)Au WY, et al. Autologous stem cell transplantation for nasal NK/T-cell lymphoma : a progress report on its value. Ann Oncol. 2003 ; 14 (11) : 1673-6. (3iiiA)
2)Suzuki R, et al. Hematopoietic stem cell transplantation for natural killer-cell lineage neoplasms. Bone Marrow Transplant. 2006 ; 37 (4) : 425-31. (3iiA)
3)Kim HJ, et al. High-dose chemotherapy with autologous stem cell transplantation in extranodal NK/T-cell lymphoma : a retrospective comparison with non-transplantation cases. Bone Marrow Transplant. 2006 ; 37 (9) : 819-24. (3iiA)
4)Murashige N, et al. Allogeneic haematopoietic stem cell transplantation as a promising treatment for natural killer-cell neoplasms. Br J Haematol. 2005 ; 130 (4) : 561-7. (3iiiA)
5)Yamaguchi M, et al. Phase II study of SMILE chemotherapy for newly-diagnosed stage IV, relapsed or refractory extranodal natural killer (NK)/T-cell lymphoma, nasal type : the NK-Cell Tumor Study Group study. J Clin Oncol. 2011 ; 29 (33) : 4410-6. (3iiiDiv)
6)Lee J, et al. Autologous hematopoietic stem cell transplantation in extranodal natural killer/T-cell lymphoma : a multinational, multicenter, matched controlled study. Biol Blood Marrow Transplant. 2008 ; 14 (12) : 1356-64. (3iiA)
7)Suzuki R, et al. Hematopoietic stem cell transplantation for extranodal NK/T-cell lymphoma, nasal-type : The Japan Society for Hematopoietic Cell Transplantation (JSHCT) Lymphoma Working Party. Ann Oncol. 2011 ; 22 (Suppl. 4) : iv95. (3iiA)
8)Kharfan-Dabaja MA, et al. Clinical practice recommendations on indication and timing of hematopoietic cell transplantation in mature T-cell and NK/T-cell lymphomas : an international collaborative effort on behalf of the Guidelines Committee of the American Society for Blood and Marrow Transplantation. Biol Blood Marrow Transplant. 2017 ; 23 (11) : 1826-38. (ガイドライン)

 

CQ5 初発進行期および初回再発/治療抵抗性ENKLの救援療法後非CR例において造血幹細胞移植を追加する意義はあるか

推奨グレード
カテゴリー3

救援療法後非CRのENKLは,患者の全身状態が良ければ同種移植の検討対象になり得る。

解説

 救援療法後非完全奏効(CR)のENKLで造血幹細胞移植を行った前方視的臨床試験は存在しない。日本造血細胞移植学会のレジストリーデータには救援療法後非奏効ENKL 45例が登録されており,その2年全生存割合(OS)は同種移植・自家移植とも29%であった1)。選択バイアスの可能性はあるが,移植を実施しない場合のOSがゼロであることを考慮すると,何らかの造血幹細胞移植は選択肢になり得る。当然,議論の余地はあり,コンセンサスは得られていない。米国造血細胞移植学会(ASBMT)の推奨ガイドでは,自家移植は実施すべきでないとされているが,同種移植はweak recommendationとなっている2)

参考文献

1)Suzuki R, et al. Hematopoietic stem cell transplantation for extranodal NK/T-cell lymphoma, nasal-type : The Japan Society for Hematopoietic Cell Transplantation (JSHCT) Lymphoma Working Party. Ann Oncol. 2011 ; 22 (Suppl. 4) : iv95. (3iiA)
2)Kharfan-Dabaja MA, et al. Clinical practice recommendations on indication and timing of hematopoietic cell transplantation in mature T-cell and NK/T-cell lymphomas : an international collaborative effort on behalf of the Guidelines Committee of the American Society for Blood and Marrow Transplantation. Biol Blood Marrow Transplant. 2017 ; 23 (11) : 1826-38. (ガイドライン)

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