造血器腫瘍診療ガイドライン

Ⅰ章 白血病

Ⅰ 白血病

5 慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫
(chronic lymphocytic leukemia:CLL/small lymphocytic lymphoma:SLL)
総論

 慢性リンパ性白血病(chronic lymphocytic leukemia:CLL)は単一な小型円形から軽度の異型を持つB リンパ球の腫瘍で,CD5 とCD23 の発現がみられ,日本では稀な腫瘍である。小リンパ球性リンパ腫(small lymphocytic lymphoma:SLL)は末梢血や骨髄への浸潤がないCLL と同一の細胞の腫瘍と定義され1),病期や治療の考え方は低悪性度B 細胞リンパ腫として扱うので他稿を参考にする。
 多くは緩徐な経過を示すが,一部に進行が速く,予後不良なものがみられる。病期分類にて病期を決定し,治療開始規準に準じて治療を実施する。欧米ではリツキシマブ(R)(CLL では国内適応外)を併用するフルダラビン(FLU)を含む治療が標準治療であるが,染色体17p 欠失の症例は治療抵抗性で予後不良である2)3)

1.病期分類
 治療方針の決定に必須で,米国では改訂Rai 分類,欧州ではBinet 分類(表1)2)3)が使用される。診察所見と貧血,血小板減少だけで診断し,CT などの画像所見は用いない。

表1-1 改訂Rai の病期分類

改訂Rai 分類 Rai 分類病期 分類規準
低リスク 0 末梢血リンパ球>15,000/μL

骨髄リンパ球> 40%
中間リスク 病期0+リンパ節腫脹
病期0 〜
+肝腫,脾腫(どちらかまたは両方)
高リスク 病期0 〜
+貧血(Hb<11 g/dL またはHt<33%)
Ⅳ 病期0〜Ⅲ+血小板<10 万 /μL

リンパ球数に関しては,現在のCLL 診断規準はB リンパ球数が5,000/μL 以上となっており,病期分類と異なっている。

表1-2 Binet の病期分類

病期 分類規準
A Hb≧10 g/dL
+血小板≧10 万/μL
+リンパ領域腫大が2 カ所以下
B Hb≧10 g/dL
+血小板≧10 万/μL
リンパ領域腫大が3カ所以上
C Hb<10 g/dL
または血小板<10 万/μL
リンパ節腫大領域数は規定しない

リンパ節領域は①頭頸部,②腋窩,③鼠径部,④脾臓,⑤肝臓の5 領域(両側でも1領域と評価する)。身体診察のみの所見である。

2.予後因子
1)病期分類
 生存中央値は改訂Rai 分類低リスクは10 年以上,中間リスクは7 年,高リスクは1.5~3 年,Binet 分類の病期A 期は10 年以上,B 期は7 年,C 期は1.5~2.5 年である2)
2)他の予後不良因子
 ①免疫グロブリン重鎖(IgVH)遺伝子変異陰性,② CD38 発現,③ zeta-associated protein of 70kDa(ZAP-70)発現を示すものは予後不良で,これらの症例に予後不良の染色体異常[11q(ATM 座)と17p(p53 座)の欠失の染色体異常]を示すものが多い。その他,高齢,男性,びまん性骨髄浸潤,短いリンパ球倍加時間,Ki67 高発現,血清チミジンキナーゼ,β2 ミクログロブリンや可溶性CD23,TNFα高値,lipoprotein lipase 高発現,microRNA 発現変異,治療反応性が悪い,もしくは短期間での再発である4)~7)

3.治療
 CLL は経過の長い疾患であるため,治療関連死亡は避けるべきである。慎重な治療方法の選択の検討が必須であり,その概略を以下に示す。
①改訂Rai 分類の低リスク(Rai 分類病期0 期)やBinet 分類の病期A の患者は早期の治療は全生存期間を延長しないため経過観察する。
②改訂Rai 分類の中間リスク(Rai 分類病期Ⅰ,Ⅱ期)やBinet 分類の病期B の多くの患者は進行が緩徐であるので,経過観察する。
③改訂Rai 分類の高リスク(Rai 分類病期Ⅲ,Ⅳ期)あるいはBinet 分類のC 期または進行性B期の患者は治療の対象である。CLL は治癒困難であるが長期生存が可能であり,また高齢者が多いため,一部の若年者を除き治癒を目指すより症状緩和や白血病の病勢のコントロールが目的である。
④治療開始規準(表2, 3):治療の開始時期はリンパ球の絶対数ではなく,ガイドライン3)~5)8)を参考にする。

表2 ESMO ガイドライン2)に示された活動性病態

1)B 症状
①発熱:38℃より高い原因不明の発熱
② 寝汗:寝具(マットレス以外の掛け布団,シーツなどを含む,寝間着は含まない)を変えなければならないほどのずぶ濡れになる汗
③体重減少:診断前の6 カ月に通常体重の10%を超す原因不明の体重減少

2)自己免疫によらない血球減少
3)リンパ節腫脹,肝脾腫による症状や症候
4)副腎皮質ステロイドホルモンに反応の悪い自己免疫性貧血や血小板減少

表3 International Workshop on Chronic Lymphocytic Leukemia4)8)で示された治療開始規準

以下の項目のいずれかに該当すれば,活動性(active disease)とし,治療を考慮する。
1)進行性の骨髄機能低下による貧血や血小板減少の進行・悪化
2)左肋骨弓下6 cm 以上の脾腫,進行性または症候性の脾腫
3)長径10 cm 以上のリンパ節塊,進行性または症候性のリンパ節腫脹
4)2 カ月以内に50%を超える進行性リンパ球増加,6 カ月以下のリンパ球倍加時間
5)副腎皮質ステロイドや他の標準治療に反応の悪い自己免疫性貧血や血小板減少症
6)CLL に起因する以下のいずれかの症状のあるとき
①減量によらない過去6 カ月以内の10%以上の体重減少
②労働や日常生活が困難である(ECOG PS 2 以上)の倦怠感
③感染症の所見なしに2 週間以上続く38℃以上の発熱
④感染症徴候のない寝汗

4.治療効果判定
 治療効果判定3)は表4 によって実施する。

表4 治療効果判定3)

完全奏効(complete response:CR)
 以下の基準をすべて満たす状態が,3 カ月以上継続すること
1.末梢血中にクローナルなB リンパ球がないこと
2.径1.5 cm 以上のリンパ節がないこと
3.診察で肝脾腫がないこと
4.消耗性の症状がないこと
5.血球が以下の条件
1)好中球>1,500/μL
2)血小板>10 万/μL
3)輸血しない状況でヘモグロビン>11.0 g/dL
部分奏効(partial response:PR)
 以下の基準を少なくとも2 つ以上満たす状態が,2 カ月以上継続すること
1.末梢血中にクローナルなB リンパ球が50%以上減少すること
2.リンパ節が50%以上減少
3.肝脾腫が50%以上減少
4.血球が以下の条件
1)好中球> 1,500/μL または治療前より50%以上の改善
2)血小板> 10 万/μL または治療前より50%以上の改善
3)輸血しない状況でヘモグロビン> 11.0 g/dL,または治療前より50%以上の改善
進行(progression)
 以下の基準を少なくとも1 つ以上満たす状態
1.リンパ節腫脹
1)径1.5 cm 以上の新たなリンパ節腫脹,新たな肝脾腫,臓器浸潤
2) 最大径50%以上の増加,径1 〜1.5 cm のリンパ節では50%の増加,または径1.5 cm 以上,1.5 cm 以上のリンパ節では長径2.0 cm 以上になること
3)多発しているリンパ節の径の和の50%以上の増大
2.肝臓,脾臓のサイズの50%以上の増大
3.末梢血中リンパ球数の50%以上の増大またはB リンパ球数5,000/μL 以上
4. Richter 症候群のような増殖が速い腫瘍への形質転換(可能な限り,リンパ節等の生検で確認する)
5.CLL と関連のある血球減少の出現
安定(stable disease)
 CR やPR に達せず,進行にもあたらない場合


[参考文献]

1) Muller-Hermalink HK, et al. Chronic lymphocytic leykaemia/small lymphocytic lymphoma. In : Swerdlow SH, et al. Editors. World Health Organization classifi cation of tumors. Lyon : IARC Press ; 2008. pp180-2.
2) Eichhorst B, et al ; ESMO Guidelines Working Group. Chronic lymphocytic leukaemia : ESMO Clinical Practice Guidelines for diagnosis, treatment and follow-up. Ann Oncol. 2010 ; 21 Suppl 5 : v162-4.( ガイド ライン)
3) NCCN clinical practice guidelins in oncology. Non-Hodgkin’s lymphoma. version 2. 2012( ガイドライン)
4) Hallek M, et al ; International Workshop on Chronic Lymphocytic Leukemia. Guidelines for the diagnosis and treatment of chronic lymphocytic leukemia : a report from the International Workshop on Chronic Lymphocytic Leukemia updating the National Cancer Institute-Working Group 1996 guidelines. Blood. 2008 ; 111( 12) : 5446-56.( ガイドライン)
5) Oscier D, et al ; Guidelines Working Group of the UK CLL Forum. British Committee for Standards in Haematology. Guidelines on the diagnosis and management of chronic lymphocytic leukaemia. Br J Haematol.2004 ; 125( 3) : 294-317.( ガイドライン)
6) Gribben JG. How I treat CLL up front. Blood. 2010 ; 115( 2) : 187-97.(レビュー)
7) Gribben JG, et al. Update on therapy of chronic lymphocytic leukemia. J Clin Oncol. 2011 ; 29( 5) : 544-50.(レビュー)
8) Cheson BD, et al. National Cancer Institute-sponsored Working Group guidelines for chronic lymphocytic leukemia : revised guidelines for diagnosis
and treatment. Blood. 1996 ; 87( 12) : 4990-7.( ガイドライン)

アルゴリズム

 CLL の診断がなされた場合,早期のCLL[総論の表2 に示す活動性の病態がないBinet 病期分類A 期とB 期,および無症状の改訂Rai 分類病期低・中間リスク(Rai 分類病期0 期,Ⅰ期,Ⅱ期)]患者は,経過観察することが推奨される(CQ1)。活動性徴候がみられたり,進行期になった場合は多剤併用化学療法,免疫化学療法が可能かどうかを評価して,可能であればフルダラビン(FLU)を含む化学療法[FLU+シクロホスファミド(CPA)療法:FC 療法],およびそれにリツキシマブ(R)の併用療法(R はCLL では国内適応外)を実施する(CQ2)。これらの治療に反応がある場合でも,染色体17p 欠失のある場合は,予後不良であることが明らかであるため,同種造血幹細胞移植(allogeneic hematopoietic stem cell transplantation : allo-HSCT)を考慮する(CQ3, CQ4)。多剤併用化学療法が併存疾患などの存在で不可能であれば,FLU 単独療法(F 療法)や他のアルキル化剤などの単独療法や減量の多剤併用化学療法を考慮する(CQ2)。再発や治療抵抗性を示す場合は救援療法を実施後,部分奏効若年者や染色体17p 欠失を有する症例はallo-HSCT を考慮する。また,再発・難治例では欧米ではアレムツズマブ療法が実施されている。アレムツズマブ療法は予後不良の染色体17p 欠失例にも有効性が示され、本邦でも保険適応となった。(CQ3)。自家造血幹細胞移植併用大量化学療法は,ランダム化比較試験で全生存期間の延長を示さないため推奨されない。allo-HSCT は,若年者で,救援療法に反応がある場合には考慮する(CQ4)。


CQ 1どのようなCLL 患者を治療すべきか
推奨グレード
カテゴリー1

活動性の病態がないBinet 病期分類A とB,および無症状の改訂Rai 分類低リスクおよび中間リスク(Rai 分類病期0~Ⅱ期)患者は,治療を開始しても生存の向上には寄与しないため,経過観察することが推奨される。

推奨グレード
カテゴリー2A

進行期(活動性病態のあるBinet A とB 期,Binet C 期,症状のあるRai 分類病期0~Ⅱ期,Rai 分類病期 Ⅲ~Ⅳ期)の患者は治療を開始することを考慮する。

[解 説]

 海外の臨床試験1)2)とメタアナリシス3)の結果から,活動性病態がないBinet 病期分類A とB,および無症状の改訂Rai 分類低リスクおよび中間リスク(Rai 分類病期0~Ⅱ期)の時期から治療を開始しても,10 年全生存割合が治療群44%,未治療群47%と生存期間の延長は得られなかった。これらのランダム化比較試験は国内未承認薬であるchlorambucil との比較試験であるが,すべての試験で生存期間の延長を示さなかった。また,治療群の二次がん発生率が上昇した4)
 これらのデータはすべて,現在の標準治療薬のフルダラビン(FLU)による結果ではないため,この状態における治療の有効性を検証する臨床試験が現在進行中である。この結果が明らかになるまで,この病期での治療は臨床試験でのみ実施されるべきである5)
 International Workshop on Chronic Lymphocytic Leukemia の治療開始規準[総論の表3(p107参照)5)6)]が示されているが,他の低悪性度リンパ腫とは異なり,進行期の患者で,無治療経過観察と治療群とのランダム化比較試験が実施されたわけではない。しかしほとんどの患者が有症状であり,治療せずに経過観察をすることは不適切と考えられるため,治療を考慮すべきである。


[参考文献]

1) Dighiero G, et al. Chlorambucil in indolent chronic lymphocytic leukemia. French Cooperative Group on Chronic Lymphocytic Leukemia. N Engl J Med. 1998 ; 338( 21) : 1506-14.( 1iiA)
2) Shustik C, et al. Treatment of early chronic lymphocytic leukemia : intermittent chlorambucil versus observation. Hematol Oncol. 1988 ; 6( 1) : 7-12.( 1iiA)
3) Chemotherapeutic options in chronic lymphocytic leukemia : a meta-analysis of the randomized trials. CLL Trialists’ Collaborative Group. J Natl Cancer Inst. 1999 ; 91( 10) : 861-8.(1iiA)
4) Gribben JG, et al. Update on therapy of chronic lymphocytic leukemia. J Clin Oncol. 2011 ; 29( 5) : 544-50.(レビュー)
5) Hallek M, et al. International Workshop on Chronic Lymphocytic Leukemia. Guidelines for the diagnosis and treatment of chronic lymphocytic leukemia : a report from the International Workshop on Chronic Lymphocytic Leukemia updating the National Cancer Institute-Working Group 1996 guidelines. Blood. 2008 ; 111( 12) : 5446-56.( ガイドライン)
6) Cheson BD, et al. National Cancer Institute-sponsored Working Group guidelines for chronic lymphocytic leukemia : revised guidelines for diagnosis and treatment. Blood. 1996 ; 87( 12) : 4990-7.( ガイドライン)


CQ 2初発進行期CLL の最適な治療は何が勧められるか
推奨グレード
カテゴリー2A

70 歳未満またはそれ以上の年齢でも併存症などの評価をして可能であれば,免疫化学療法が推奨される。

推奨グレード
カテゴリー2A

高齢者または若年者で併存症のある場合は治療強度を減じた治療が推奨される。

[解 説]

 NCCN ガイドライン(2012,ver.2)では併存症などの評価はCumulative Illness Rating Scale (CIRS),その他Comprehensive Geriatric assessment としてMini-Mental State Examination (MMSE),1.5-item Geriatric Depression Scale, Barthel Index, instrumental activities of daily living (IADLs)を用いる1)。評価後,可能であれば免疫化学療法を考慮する。フルダラビン(FLU)療法群はchlorambucil 療法(国内未承認薬)より全生存割合が良好であるため治療薬としてはFLU を使用する2)
 FLU とシクロホスファミド(CPA)の併用療法はFLU 単独療法群と比べて生存期間は変わらなかったが,奏効割合や無増悪生存期間(PFS)を改善させ3)~5),health-related quality of life(QOL)の増悪はみられなかった6)ことから標準治療の一つとされているため,実施可能であれば考慮する。
 クラドリビンとCPA の併用療法7)やベンダムスチン8)も有効である。
 リツキシマブ(R)はCLL 細胞表面のCD20 発現の弱いこと,血管内の腫瘍量が多いため早くに抗体が消失することなどが原因で単剤での有効性は限られている9)10)。R 併用化学療法は治療反応性が最も高い治療法で,標準治療と考えられるが,本邦では,R は国内適応外であり,また現時点ではすべてのCLL 患者の全生存期間(OS)を延長させるというデータはない11)
 高齢者の明確な定義はないが,70 歳以上(もしくは65 歳以上)と考えられている。通常量の治療が可能かどうかはガイドライン1)に従っていることが多い。また,高齢者患者だけを対象としたエビデンスの高い臨床試験はない。
 年齢の制限がない大規模臨床試験では,年齢により治療成績の差はみられない4)5)11)。しかし,実際は高齢者や併存症がある患者では通常量での標準治療を実施することは困難であり,患者個々の状況をよく把握し,治療方法の選択をすべきである。
 NCCN ガイドライン(2012, ver.2)にはchlorambucil±R,R 単独療法,R 併用ベンダムスチン療法,CPA+PSL ± R,アレムツズマブ,FLU 単独療法,R 併用FLU 療法,クラドリビン単独療法,R 併用クラドリビン療法などが治療方法として挙げられている。65 歳以上の患者を対象にしたFLU とchlorambucil のランダム化比較試験でFLU の優位性は証明されず12),高齢者に対するFLU+CPA 併用療法はFLU 単独療法に比較して奏効割合は高いが,生存期間は延長せず,骨髄抑制などの有害事象の頻度が高い5)ため,欧米ではchlorambucil 単独療法が標準治療と考えられている。国内ではchlorambucil が使用できないため,FLU を中心とする治療が実施されるが,その用量は決定されていない。またR の併用に関しても明確なエビデンスはない。
 FLU は主に腎排泄であること,年齢とともに腎機能,とくにクレアチニンクリアランスが毎年1%ずつ低下するため,高齢者ではFLU の代謝に影響を受けやすいことなどから,FLU,CPA を減量した臨床試験がいくつかあり,減量をすることで感染症を含めた有害事象が軽減し,奏功割合は変わらず有用であると報告されているが,いずれもエビデンスレベルは低い13)~15)

注1) R は国内においてはCLL の保険適用外であるが,CLL と同じ疾患であるSLL は低悪性度B 細胞リンパ腫であり,この場合は国内においても保険適用となっている。
注2) chlorambucilは国内未承認,ベンダムスチン,クラドリビンはCLL に対して国内適応外である。


[参考文献]

1) Salvi F, et al. A manual of guidelines to score the modifi ed cumulative illness rating scale and its validation in acute hospitalized elderly patients. J Am Geriatr Soc. 2008 ; 56( 10) : 1926-31.( ガイドライン)
2) Rai KR. Long-term survival analysis of the North American Intergroup Study C9011 comparing fl udarabine (F) and chlorambucil in previously untreated patients with chronic lymphocytic leukemia (CLL) Blood. 2009 ; 114 : 224( abstract #536)(1iiA)
3) Eichhorst BF, et al. German CLL Study Group. Fludarabine plus cyclophosphamide versus fl udarabine alone in fi rst-line therapy of younger patients with chronic lymphocytic leukemia. Blood. 2006 ; 107( 3) : 885-91.( 1iiA)
4) Flinn IW, et al. Phase Ⅲ trial of fl udarabine plus cyclophosphamide compared with fl udarabine for patients with previously untreated chronic lymphocytic leukemia : US Intergroup Trial E2997. J Clin Oncol. 2007 ; 25( 7) : 793-8.( 1iiDiii)
5) Catovsky D, et al. UK National Cancer Research Institute( NCRI) Haematological Oncology Clinical Studies Group ; NCRI Chronic Lymphocytic Leukaemia Working Group. Assessment of fl udarabine plus cyclophosphamide for patients with chronic lymphocytic leukaemia( the LRF CLL4 Trial) : a randomised controlled trial. Lancet. 2007 ; 370( 9583) : 230-9.( 1iiA/1iiDiii)
6) Eichhorst BF, et al. German CLL Study Group. Health-related quality of life in younger patients with chronic lymphocytic leukemia treated with fl udarabine plus cyclophosphamide or fl udarabine alone for fi rst-line therapy : a study by the German CLL Study Group. J Clin Oncol. 2007 ; 25( 13) : 1722-31.( 1iiC)
7) Robak T, et al. Comparison of cladribine plus cyclophosphamide with fl udarabine plus cyclophosphamide as fi rst-line therapy for chronic lymphocytic leukemia : a phase Ⅲ randomized study by the Polish Adult Leukemia Group( PALG-CLL3 Study). J Clin Oncol. 2010 ; 28( 11) : 1863-9.(1iiDiv)
8) Knauf WU, et al. Phase Ⅲ randomized study of bendamustine compared with chlorambucil in previously untreated patients with chronic lymphocytic leukemia. J Clin Oncol. 2009 ; 27( 26) : 4378-84.( 1iiDiii)
9) Byrd JC, et al. Rituximab using a thrice weekly dosing schedule in B-cell chronic lymphocytic leukemia and small lymphocytic lymphoma demonstrates clinical activity and acceptable toxicity. J Clin Oncol. 2001 ; 19( 8) : 2153-64.( 3iiiDiv)
10) O’Brien SM, et al. Rituximab dose-escalation trial in chronic lymphocytic leukemia. J Clin Oncol. 2001 ; 19 (8) : 2165-70.( 3iiiDiv)
11) Hallek M, et al. International Group of Investigators ; German Chronic Lymphocytic Leukaemia Study Group. Addition of rituximab to fl udarabine and cyclophosphamide in patients with chronic lymphocytic leukaemia : a randomised, open-label, phase 3 trial. Lancet. 2010 ; 376( 9747) : 1164-74.( 1iiDiii)
12) Eichhorst BF, et al. German CLL Study Group( GCLLSG). First-line therapy with fl udarabine compared with chlorambucil does not result in a major benefi t for elderly patients with advanced chronic lymphocytic leukemia. Blood. 2009 ; 114( 16) : 3382-91.(1iiA)
13) Robertson LE, et al. A 3-day schedule of fl udarabine in previously treated chronic lymphocytic leukemia. Leukemia. 1995 ; 9( 9) : 1444-9.(3iiiA)
14) Marotta G, et al. Low-dose fl udarabine and cyclophosphamide in elderly patients with B-cell chronic lymphocytic leukemia refractory to conventional therapy. Haematologica. 2000 ; 85(12) : 1268-70.( 3iiiDiv)
15) Forconi F, et al. Low-dose oral fl udarabine plus cyclophosphamide in elderly patients with untreated and relapsed or refractory chronic lymphocytic Leukaemia. Hematol Oncol. 2008 ; 26( 4) : 247-51.( 3iiiA)


CQ 3再発・難治性CLL の治療は何が勧められるか
推奨グレード
カテゴリー2A

フルダラビンやアルキル化薬単剤治療の場合はフルダラビン+シクロホスファミド併用療法もしくは免疫化学療法を考慮する。

推奨グレード
カテゴリー2A

化学療法単独治療後の再発には免疫化学療法を考慮する。

推奨グレード
カテゴリー1

染色体17p 欠失やp53 遺伝子異常がある場合は通常の化学療法に対して難治性であるが,アレムツズマブが有効である。

[解 説]

 初発患者の治療と同様に,高齢者や臓器障害がある場合は減量などを考慮する。フルダラビン(FLU)やアルキル化薬単剤治療で再発,治療抵抗性の場合はFLU+シクロホスファミド(CPA)併用療法1)やリツキシマブ(R)併用FLU+CPA 療法2)が有効で,またFLU+CPA 併用療法後でもR 併用FLU+CPA 療法が有効である3)ので,これらの治療を考慮する。FLU 治療抵抗性・再発の場合,アレムツズマブ4)やR 併用ベンダムスチン療法5)が有効である。再発または難治性のCLL に対してR とは異なるエピトープを認識する新規抗CD20 抗体薬オファツムマブが国内承認された。そのため,フルダラビンやアレムツズマブ 抵抗性の場合だけでなく,R 治療後でもオファツムマブが有効なことがある6)
 FLU 治療後の再発や治療抵抗性で, 染色体17p 欠失やp53 遺伝子異常がある場合はアレムツズマブが有効(奏効割合40%)である7)8)。その他,エビデンスレベルは低いが,CHOP 療法(CPA, DXR, VCR, PSL)やhyper-CVAD 療法(CPA, VCR, DXR, DEX)などリンパ腫救援療法と同様な治療がNCCN ガイドライン(2012, ver.2)にも記載されている。またこれらの治療にRが併用されることがある。


[参考文献]

1) O’Brien SM, et al. Results of the fl udarabine and cyclophosphamide combination regimen in chronic lymphocytic leukemia. J Clin Oncol. 2001 ; 19( 5) : 1414-20.( 3iiiDiii)
2) Robak T, et al. Rituximab plus fludarabine and cyclophosphamide prolongs progression-free survival compared with fl udarabine and cyclophosphamide alone in previously treated chronic lymphocytic leukemia. J Clin Oncol. 2010 ; 28( 10) : 1756-65.( 1iiDiii)
3) Wierda W, et al. Chemoimmunotherapy with fl udarabine, cyclophosphamide, and rituximab for relapsed and refractory chronic lymphocytic leukemia. J Clin Oncol. 2005 ; 23( 18) : 4070-8.( 3iiiDiv)
4) Elter T, et al. Fludarabine plus alemtuzumab versus fl udarabine alone in patients with previously treated chronic lymphocytic leukaemia : a randomized phase 3 trial. Lancet Oncol. 2012 ; 12 (3) : 1204-13. (1iiDiii)
5) Fischer K, et al. Bendamustine combined with rituximab in patients with relapsed and/or refractory chronic lymphocytic leukemia : A multicenter phase Ⅱ trial of the German Chronic Lymphocytic Leukemia Study Group. J Clin Oncol. 2011 ; 29( 26) : 3559-66.( 3iiiDiv)
6) Wierda WG, et al. Hx-CD20-406 Study Investigators. Ofatumumab is active in patients with fl udarabinerefractory CLL irrespective of prior rituximab : results from the phase 2 international study. Blood. 2011 ; 118(19) : 5126-9.(3iiiDiv)
7) Lozanski G, et al. Alemtuzumab is an effective therapy for chronic lymphocytic leukemia with p53 mutations and deletions. Blood. 2004 ; 103( 9) : 3278-81.( 3iiiDiv)
8) Stilgenbauer S, et al. German Chronic Lymphocytic Leukemia Study Group. Subcutaneous alemtuzumab in fludarabine-refractory chronic lymphocytic leukemia : clinical results and prognostic marker analyses from the CLL2H study of the German Chronic Lymphocytic Leukemia Study Group. J Clin Oncol. 2009 ; 27( 24) : 3994-4001.(3iiiDiv)


CQ 4CLL に対する造血幹細胞移植は勧められるか
推奨グレード
カテゴリー4

自家造血幹細胞移植併用大量化学療法はCLL に対する治療として推奨されない。

推奨グレード
カテゴリー2B

同種造血幹細胞移植は,予後不良な染色体異常をもつ患者やプリンアナログ治療に抵抗性の患者で完全奏効/ 部分奏効(CR/PR)に達した場合は,長期予後を改善する治療法として考慮される。

[解 説]

 CLL に対する自家造血幹細胞移植併用大量化学療法(high-dose chemotherapy with autologous hematopoietic stem cell transplantation:HDC/AHSCT)の有効性は,ランダム化比較試験で初発1)2)および再発1)患者で検証され,無イベント生存期間(EFS)や無増悪生存期間(PFS)はHDC/AHSCT 群が有意に優れていたが,全生存期間(OS)の改善はみられなかった。未治療あるいは再発のCLL 患者に対する地固め療法としてHDC/AHSCT を行っても,全生存期間を延長する効果は認められず,骨髄異形成症候群をはじめとする二次発がんの頻度が高まる危険があるため,CLL に対する治療としてHDC/AHSCT は推奨されない。
 後方視的解析3)と前方視的解析4)の結果から同種造血幹細胞移植(allogeneic hematopoietic stem cell transplantation:allo-HSCT)を行うと移植片対白血病(GVL)効果が得られ,CLL 患者の長期生存が期待される。また多変量解析では,染色体17p 欠失の有無およびプリンアナログ治療に対する抵抗性は予後不良因子として検出されず,allo-HSCT を行うことでこれらの予後不良因子は克服されると考えられる。染色体17p 欠失を持つ場合は早期に化学療法抵抗性となるため,初回治療により完全奏効/ 部分奏効(CR/PR)に達した場合,allo-HSCT を行うことを考慮することが望ましい。また,プリンアナログ治療に抵抗性もしくは治療後1 年以内に再発する患者は,二次治療でCR/PR が得られた場合にallo-HSCT を行うことが推奨される。
 非寛解期の患者および径5 cm を超えるリンパ節腫脹がある患者は,allo-HSCT を行っても再発する危険性が高く長期予後は不良である5)
 骨髄破壊的造血幹細胞移植では再発以外の原因での死亡率が高いため,大半の臨床試験では骨髄非破壊的造血幹細胞移植が実施されているが,両者の比較試験は行われていないため,どちらがよいかは不明である。


[参考文献]

1) Michallet M, et al ; EBMT Chronic Leukemia Working Party. Autologous hematopoietic stem cell transplantation in chronic lymphocytic leukemia : results of European intergroup randomized trial comparing autografting versus observation. Blood. 2011 ; 117( 5) : 1516-21.(1iiDi)
2) Sutton L, et al ; Société Française de Greff e de Moelle et de Thérapie Cellulaire( SFGM-TC) and Groupe Français d’étude de la Leucémie Lymphoïde Chronique (GFLLC). Autologous stem cell transplantation as a fi rst-line treatment strategy for chronic lymphocytic leukemia : a multicenter, randomized, controlled trial from the SFGM-TC and GFLLC. Blood. 2011 ; 117( 23) : 6109-19.( 1iiDi)
3) Schetelig J, et al. Allogeneic hematopoietic stem-cell transplantation for chronic lymphocytic leukemia with 17p deletion : a retrospective European Group for Blood and Marrow Transplantation analysis. J Clin Oncol. 2008 ; 26( 31) : 5094-100.( 3iiiA)
4) Dreger P, et al ; German CLL Study Group. Allogeneic stem cell transplantation provides durable disease control in poor-risk chronic lymphocytic leukemia : long-term clinical and MRD results of the German CLL Study Group CLL3X trial. Blood. 2010 ; 116( 14) : 2438-47.( 3iiiA)
5) Sorror ML, et al. Five-year follow-up of patients with advanced chronic lymphocytic leukemia treated with allogeneic hematopoietic cell transplantation after nonmyeloablative conditioning. J Clin Oncol. 2008 ;26( 30) : 4912-20.( 3iiiA)


CQ 4CLL に対する造血幹細胞移植は勧められるか
推奨グレード
カテゴリー4

自家造血幹細胞移植併用大量化学療法はCLL に対する治療として推奨されない。

推奨グレード
カテゴリー2B

同種造血幹細胞移植は,予後不良な染色体異常をもつ患者やプリンアナログ治療に抵抗性の患者で完全奏効/ 部分奏効(CR/PR)に達した場合は,長期予後を改善する治療法として考慮される。

[解 説]

 CLL に対する自家造血幹細胞移植併用大量化学療法(high-dose chemotherapy with autologous hematopoietic stem cell transplantation:HDC/AHSCT)の有効性は,ランダム化比較試験で初発1)2)および再発1)患者で検証され,無イベント生存期間(EFS)や無増悪生存期間(PFS)はHDC/AHSCT 群が有意に優れていたが,全生存期間(OS)の改善はみられなかった。未治療あるいは再発のCLL 患者に対する地固め療法としてHDC/AHSCT を行っても,全生存期間を延長する効果は認められず,骨髄異形成症候群をはじめとする二次発がんの頻度が高まる危険があるため,CLL に対する治療としてHDC/AHSCT は推奨されない。
 後方視的解析3)と前方視的解析4)の結果から同種造血幹細胞移植(allogeneic hematopoietic stem cell transplantation:allo-HSCT)を行うと移植片対白血病(GVL)効果が得られ,CLL 患者の長期生存が期待される。また多変量解析では,染色体17p 欠失の有無およびプリンアナログ治療に対する抵抗性は予後不良因子として検出されず,allo-HSCT を行うことでこれらの予後不良因子は克服されると考えられる。染色体17p 欠失を持つ場合は早期に化学療法抵抗性となるため,初回治療により完全奏効/ 部分奏効(CR/PR)に達した場合,allo-HSCT を行うことを考慮することが望ましい。また,プリンアナログ治療に抵抗性もしくは治療後1 年以内に再発する患者は,二次治療でCR/PR が得られた場合にallo-HSCT を行うことが推奨される。
 非寛解期の患者および径5 cm を超えるリンパ節腫脹がある患者は,allo-HSCT を行っても再発する危険性が高く長期予後は不良である5)
 骨髄破壊的造血幹細胞移植では再発以外の原因での死亡率が高いため,大半の臨床試験では骨髄非破壊的造血幹細胞移植が実施されているが,両者の比較試験は行われていないため,どちらがよいかは不明である。


[参考文献]

1) Michallet M, et al ; EBMT Chronic Leukemia Working Party. Autologous hematopoietic stem cell transplantation in chronic lymphocytic leukemia : results of European intergroup randomized trial comparing autografting versus observation. Blood. 2011 ; 117( 5) : 1516-21.(1iiDi)
2) Sutton L, et al ; Société Française de Greff e de Moelle et de Thérapie Cellulaire( SFGM-TC) and Groupe Français d’étude de la Leucémie Lymphoïde Chronique (GFLLC). Autologous stem cell transplantation as a fi rst-line treatment strategy for chronic lymphocytic leukemia : a multicenter, randomized, controlled trial from the SFGM-TC and GFLLC. Blood. 2011 ; 117( 23) : 6109-19.( 1iiDi)
3) Schetelig J, et al. Allogeneic hematopoietic stem-cell transplantation for chronic lymphocytic leukemia with 17p deletion : a retrospective European Group for Blood and Marrow Transplantation analysis. J Clin Oncol. 2008 ; 26( 31) : 5094-100.( 3iiiA)
4) Dreger P, et al ; German CLL Study Group. Allogeneic stem cell transplantation provides durable disease control in poor-risk chronic lymphocytic leukemia : long-term clinical and MRD results of the German CLL Study Group CLL3X trial. Blood. 2010 ; 116( 14) : 2438-47.( 3iiiA)
5) Sorror ML, et al. Five-year follow-up of patients with advanced chronic lymphocytic leukemia treated with allogeneic hematopoietic cell transplantation after nonmyeloablative conditioning. J Clin Oncol. 2008 ;26( 30) : 4912-20.( 3iiiA)