造血器腫瘍診療ガイドライン

Ⅱ章 リンパ腫

Ⅱ リンパ腫

1 濾胞性リンパ腫(follicular lymphoma:FL)
総論

 濾胞性リンパ腫(follicular lymphoma:FL)は代表的な低悪性度B 細胞リンパ腫であり,非ホジキンリンパ腫に占める頻度は7~15%である1)2)。しかし,最近は増加しつつある。本項では消化管あるいは皮膚に発生する稀な節外性FL は治療に関するエビデンスが乏しいことから対象としない。経過が緩徐であり,進行期症例であってもリツキシマブ(R)登場以前のデータでは,生存期間中央値は7~10 年と長い。しかし,ほとんどの進行期症例は組織学的進展(histologic transformation)などによって化学療法抵抗性となり治癒困難な疾患群である。診断時75~90%の症例が臨床病期Ⅲ・Ⅳの進行期であり,骨髄浸潤を高率に認める3)。1980 年代の報告ではあるが,FL は再発率が高く,寛解期間は平均24 カ月で,無増悪生存割合(progression-free survival:PFS)は5 年後で30~40%,10 年後で25%とされている3)。全生存割合(overall survival:OS)を中・高悪性度非ホジキンリンパ腫と比べると,最初の10 年では35% vs 60%と高い一方,15 年では33%vs 26%とむしろ低い3)。このように寛解維持が困難で長期にわたって再発・再燃がみられるのは,FL の腫瘍細胞が中・高悪性度非ホジキンリンパ腫の腫瘍細胞に比し,化学療法剤に抵抗性であることによる。近年ではR の導入によって予後が改善している。
 FL における病期分類はAnn Arbor 分類が用いられる。予後予測モデルとしては元来アグレッシブ リンパ腫の予後指標として開発された,国際予後指標(international prognostic index:IPI)4)が,FL をはじめとする低悪性度リンパ腫においても有用であることが報告された5)6)。しかしその後,濾胞性リンパ腫国際予後指標(Follicular Lymphoma International Prognostic Index:FLIPI)が,病型特異的予後予測モデルとして提唱された7)。さらに,FLIPI2 が提唱された8)


[参考文献]

1) Lymphoma Study Group of Japanese Pathologists : The World Health Organization classifi cation of malignant lymphomas in Japan : Incidence of recently recognized entities. Pathol Int. 2000 ; 50( 9) : 696-702.
2) Izumo T, et al. Practical Utility of the revised European-American classifi cation of lymphoid neoplasms for Japanese non-Hodgkin’s lymphomas. Jpn J Cancer Res. 2000 ; 91( 3) : 351-60.
3) Rosenberg SA. Karnofsky memorial lecture. The low-grade non-Hodgkin’s lymphomas : challenges and opportunities. J Clin Oncol. 1985 ; 3( 3) : 299-310.(3iA)
4) A predictive model for aggressive non-Hodgkin’s lymphoma. The International Non-Hodgkin’s Lymphoma Prognostic Factors Project. N Engl J Med. 1993 ; 329( 14) : 987-94.(3iA)
5) López-Guillermo A, et al. Applicability of the International Index for aggressive lymphomas to patients with low-grade lymphoma. J Clin Oncol. 1994 ; 12( 7) : 1343-8.(3iA)
6) Hermans J, et al. International Prognostic Index for aggressive non-Hodgkin’s lymphoma is valid for all malignancy grades. Blood. 1995 ; 86( 4) : 1460-3.(3iA)
7) Solal-Céligny P, et al. Follicular lymphoma international prognostic index. Blood. 2004 ; 104(5) : 1258-65.(3iA)
8) Federico M, et al. Follicular lymphoma international prognostic index 2 : a new prognostic index for follicular lymphoma developed by the international follicular lymphoma prognostic factor project. J Clin Oncol. 2009 ; 27( 27) : 4555-62.(3iDiii)


アルゴリズム

【第1.2版修正】

略語
RT:Radiotherapy
R:Rituximab
RIT:Radioimmunotherapy
RIC:Reduced-intensity conditioning
CMT:Combined modality therapy
現在国内適応外治療
R 維持療法(CQ4


 Ⅰ期ないし隣接するⅡ期の限局期では,エビデンスレベルは決して高いものではないが,すべての病巣が照射野内に含まれる限り,放射線治療は再発が少なく根治率は比較的高いとされる。したがって総線量30~36 Gy の放射線治療が一般的な治療選択であり,40%以上の症例に10 年以上の無病生存が得られるとの報告がある1)
 Ⅲ・Ⅳ期すなわち進行期における治癒指向的治療,あるいは生存期間を延長する標準治療はこれまでのところ存在しないが,近年有用性を示す治療法が開発されてきた。全身症状・巨大病変がなく,診断までの経過が緩慢な症例では,診断後直ちに治療を開始した群に生存期間が劣らないという観点より,病勢の進行あるいは症状が出現した際に適切な薬物療法を開始することを前提として,診断後病勢進行まで無治療経過観察(watchful wait)という選択肢が取られることもある2)。治療法としては,アルキル化剤単独,ドキソルビシン(DXR)を含まない併用化学療法,DXR を含む併用化学療法,化学療法とインターフェロンαの併用,自家あるいは同種造血幹細胞移植併用大量化学・放射線療法など,多種多様な治療法が行われてきた。しかし,これら治療間の優劣は明らかでなかった。化学療法剤に抵抗性であることから,化学療法と放射線療法を併用する複合療法も行われてきた。また,再発・再燃を繰り返す間にアルキル化剤や放射線治療が頻用され,自家造血幹細胞移植併用大量化学療法(high-dose chemotherapy with autologous hematopoietic stem cell transplantation:HDC/AHSCT)後には,治療関連骨髄異形成症候群または急性骨髄性白血病(treatment-related myelodysplastic syndrome or acute myeloid leukemia:tMDS/tAML)が自家移植5 年後で12%の頻度で発生したとの報告がある3)
 キメラ型抗CD20 モノクローナル抗体リツキシマブ(R)が登場し,化学療法との併用で高い奏効割合が得られ,微小残存病変の消失まで得られることが報告されている。そして,従来の併用化学療法単独よりもR を併用した化学療法が,全生存期間の延長に寄与することが報告されている。さらに,放射性同位元素をマウス・モノクローナル抗CD20 抗体に結合させることにより,リンパ腫細胞を標的とした放射線治療が可能となった4)
 初発例では限局期のみ放射線治療の適応となる(CQ3)。進行期では初発例でも再発例でも①無治療経過観察(CQ1, CQ2)から,②単剤または併用化学療法,③ R 単独,②と③の併用療法,(CQ2)などの治療方法から選択される。ただし,初発例に対してはR +化学療法のほうが化学療法単独よりも推奨される(カテゴリー1)。造血幹細胞移植療法は,初回治療後第一寛解期には推奨されない(CQ6)(カテゴリー4)が,再発進行期に検討され得る一つの治療選択肢である(CQ7)。CQ4CQ5 で言及する治療法は国内適応外である。【第1.2版以下削除】CQ4CQ5 で言及する治療法は国内適応外である。


[参考文献]

1) Mac Manus MP, et al. Is radiotherapy curative for stage Ⅰ and Ⅱ low-grade follicular lymphoma? Results of a long-term follow-up study of patients treated at Stanford University. J Clin Oncol. 1996 ; 14( 4) : 1282-90.(3iA)
2) Horning SJ, et al. The natural history of initially untreated low-grade non-Hodgkin’s lymphomas. N Engl J Med. 1984 ; 311( 23) : 1471-5.(3iA)
3) Apostolidis J, et al. High-dose therapy with autologous bone marrow support as consolidation of remission in follicular lymphoma : long-term clinical and molecular follow-up. J Clin Oncol. 2000 ; 18 (3) : 527-36. (3iA)
4) Buchegger F, et al. Radiolabeled and native antibodies and the prospect of cure of follicular lymphoma. Oncologist. 2008 ; 13( 6) : 657-67.(レビュー)


CQ 1初発進行期(ⅢまたはⅣ期)FL に対してどのような場合に無治療経過観察とし,どのような場合に治療を開始するか
推奨グレード
なし

[解 説]

 治療開始規準あるいは低腫瘍量の規準として国際的に統一されたものはない。海外の臨床試験グループで主な臨床試験に用いられてきた代表的な規準を以下に列挙する。

 注)無治療経過観察は考慮されるべき方法であるが,明確な規準をもって示し得るような臨床試験のエビデンスがないため,推奨レベルをなしとした。実臨床においては,ここに挙げる規準を参照し,治療方針を決定することを推奨する。

1. BNLI(British National Lymphoma Investigation)1)(レビュー2)に引用)(カテゴリー2B)

 以下のいずれも認めない場合,無治療経過観察とする。
(1)B 症状または痒疹
(2)急激な全身への病勢進行
(3)骨髄機能障害(Hb≦10 g/dL,白血球<3,000/μL,または血小板<100,000/μL)
(4)生命を脅かす臓器浸潤
(5)腎浸潤
(6)骨病変
(7)肝浸潤

2.GELF(Groupe d'Etude des Lymphomes Folliculaires)3)4)(レビュー2)に引用)(カテゴリー2B)

 以下のいずれにも該当する(低腫瘍量の定義)場合,無治療経過観察とする。
(1)節性病変,節外病変にかかわらず最大長径<7 cm
(2)長径3 cm 以上の腫大リンパ節が3 つ未満
(3)全身症状(B 症状)なし
(4)下縁が臍線より下の脾腫(CT 上<16 cm)
(5)胸水または腹水がない(細胞内容にかかわらず)
(6)局所(硬膜,尿管,眼窩,胃腸などの)の圧迫症状の危険性なし
(7)白血化(リンパ腫細胞>5,000/mm3)なし
(8)骨髄機能障害(Hb<10 g/dL,好中球< 1,000/μL,血小板<100,000/μL)なし
(9)LDH, β2 ミクログロブリン正常

3. GLSG(German Low︲Grade Lymphoma Study Group)での臨床試験適格規準中の治療介入判断規準5)(カテゴリー2B)

 以下のいずれかを認めるもの。
(1)B 症状あり
(2)Bulky(長径:縦隔では>7.5 cm,その他の部位>5 cm)
(3)正常造血の障害
(4)急速な病勢進行


[参考文献]

1) Ardeshna KM, et al. Long-term eff ect of a watch and wait policy versus immediate systemic treatment for asymptomatic advanced-stage non-Hodgkin lymphoma : a randomised controlled trial. Lancet. 2003 ; 362( 9383) : 516-22.(1iiA)
2) Gribben JG. How I treat indolent lymphoma. Blood. 2007 ; 109( 11) : 4617-26.(レビュー)
3) Brice P, et al. Comparison in low-tumor-burden follicular lymphomas between an initial no-treatment policy, prednimustine, or interferon alfa : a randomized study from the Groupe d’Etude des Lymphomes Folliculaires. Groupe d’Etude des Lymphomes de l’Adulte. J Clin Oncol. 1997 ; 15 (3) : 1110-7. (1iiA/1iiDiii
4) Solal-Céligny P, et al. Doxorubicin-containing regimen with or without interferon alfa-2b for advanced follicular lymphomas : fi nal analysis of survival and toxicity in the Groupe d’Etude des Lymphomes Folliculaires 86 Trial. J Clin Oncol. 1998 ; 16( 7) : 2332-8.
5) Hiddemann W, et al. Frontline therapy with rituximab added to the combination of cyclophosphamide, doxorubicin, vincristine, and prednisone( CHOP) signifi cantly improves the outcome for patients with advanced- stage follicular lymphoma compared with therapy with CHOP alone : results of a prospective randomized study of the German Low-Grade Lymphoma Study Group. Blood. 2005 ; 106 (12) : 3725-32. (1iiA)


CQ 2初発進行期(ⅢまたはⅣ期)FL における標準治療は何が勧められるか

 標準治療は未確立ではあるが,いくつかの患者集団では高いエビデンスが示されている治療法があるため,列挙する。

推奨グレード
カテゴリー1

リツキシマブを併用した化学療法が従来の併用化学療法単独よりも全生存期間延長に寄与する。

[解 説]

 リツキシマブ(R)を併用した化学療法が従来の化学療法単独よりも生存期間延長に寄与する1)~4)ことが報告されている。具体的な化学療法のレジメンとしてR-CVP 療法(R, CPA, VCR, PSL)2)やR-CHOP 療法(R, CPA, DXR, VCR, PSL)1)4)が挙げられる。R 登場以前にはアントラサイクリンは生存期間延長には寄与しないとされていたが,R-CHOP 療法とR-CVP 療法を比較したランダム化比較試験結果の論文報告はなく,現在最適なR 併用化学療法は明らかでない。また多剤併用療法の適応がない患者では,経口アルキル化剤(シクロホスファミドなど)単独治療5)(R 時代の現在に応用するなら単剤化学療法剤とそのR 併用があり得る)も候補となる。

推奨グレード
カテゴリー1

無症候性の患者では,注意深い観察のもとに治療開始を延期することも考慮されるべきである。

[解 説]

 エビデンスレベルの高い複数の臨床試験の結果6)7)から,無症候性の患者においては,注意深い観察のもとに治療開始を延期することも考慮されるべきである。無治療経過観察から最初の全身治療が必要になるまでの期間の中央値は2.6~3 年と報告された6)

推奨グレード
カテゴリー2A

低腫瘍量(CQ1:2. GELF 参照)の患者にはR 単独を初期治療として考慮してもよい。

[解 説]

 低腫瘍量の患者にはR 単独を初期治療として考慮してもよい8)9)。しかし,この根拠となった第Ⅱ相試験9)において増悪までの期間の中央値は2.2 年であった。一部高腫瘍量の患者を含むため治療成績が低くなっている可能性は否定できないことを考慮しても,上記の無治療経過観察の治療開始までの期間を凌ぐものではなく,低腫瘍量において早期から治療開始したほうがよいことを支持するものではない。また,低腫瘍量でもR 併用化学療法を行っても構わない。

【第1.2版修正】

 低腫瘍量の患者にはR単独を初期治療として考慮しても良い。初発低腫瘍量FLを対象として行われたR単独の第Ⅱ相試験8)において増悪までの期間中央値は23ヶ月であった。また、英国で行われたRCT9)では、R導入群、R導入+維持療法群ともに無治療経過観察(WW)群に比較して次治療開始までの期間を延長できることが示されている。ここで行われた次治療のほとんどが化学療法であり、R単独は化学療法導入を先送りにする可能性が示唆された。しかし、OSの改善は認められていないことから、低腫瘍量の患者においてwwよりも早期からR単剤を開始したほうがよいということを積極的に支持するものではない。


[参考文献]

1) Hiddemann W, et al. Frontline therapy with rituximab added to the combination of cyclophosphamide, doxorubicin, vincristine, and prednisone( CHOP) signifi cantly improves the outcome for patients with advanced- stage follicular lymphoma compared with therapy with CHOP alone : results of a prospective randomized study of the German Low-Grade Lymphoma Study Group. Blood. 2005 ; 106(12) : 3725-32. (1iiA)
2) Marcus R, et al. Phase Ⅲ study of R-CVP compared with cyclophosphamide, vincristine, and prednisone alone in patients with previously untreated advanced follicular lymphoma. J Clin Oncol. 2008 ; 26(28) : 4579-86.(1iiA/1iiDiii
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6) Ardeshna KM, et al. Long-term eff ect of a watch and wait policy versus immediate systemic treatment for asymptomatic advanced-stage non-Hodgkin lymphoma : a randomised controlled trial. Lancet. 2003 ; 362(9383) : 516-22.(1iiA)
7) Brice P, et al. Comparison in low-tumor-burden follicular lymphomas between an initial no-treatment policy, prednimustine, or interferon alfa : a randomized study from the Groupe d’Etude des Lymphomes Folliculaires. Groupe d’Etude des Lymphomes de l’Adulte. J Clin Oncol. 1997 ; 15(3) : 1110-7. (1iiA/1iiDiii
8) Colombat P, et al. Rituximab (anti-CD20 monoclonal antibody) as single fi rst-line therapy for patients with follicular lymphoma with a low tumor burden : clinical and molecular evaluation. Blood. 2001 ; 97(1) : 101-6.(3iiiDiv)
9) Witzig TE, et al. Rituximab therapy for patients with newly diagnosed, advanced-stage, follicular grade I non-Hodgkin’s lymphoma : a phase II trial in the North Central Cancer Treatment Group. J Clin Oncol. 2005 ; 23(6) : 1103-8.(3iiiDiv)

【第1.2版修正】

8) Colombat P et al. Rituximab induction immunotherapy for first-line low-tumor-burden follicular lymphoma: survival analyses with 7-year follow-up. Ann Oncol. 2012;23(9):2380-5.(3iiiDiv)
9) Ardeshna KM, et al. Rituximab versus a watch-and-wait approach in patients with advanced-stage, asymptomatic, non-bulky follicular lymphoma: an open-label randomised phase 3 trial. Lancet Oncol. 2014;15(4):424-35(1iiDi)


CQ 3初発限局期FL の標準治療は何が勧められるか
推奨グレード
カテゴリー2A

Ⅰ期または隣接するⅡ期の場合,病巣部放射線治療が推奨される。

推奨グレード
カテゴリー3

放射線療法への化学療法の追加は推奨されない。

推奨グレード
カテゴリー2B

多剤併用化学療法とのcombined modality therapy は考慮され得る。

推奨グレード
カテゴリー2B

放射線治療が回避されるべき場合,無症候性の患者には無治療経過観察が考慮され得る。

[解 説]

 未治療限局期FL でⅠ期または隣接するⅡ期の場合,病巣部放射線療法が推奨される1)2)。しかし,疾患全体に占める割合が少ないこともあり,エビデンスレベルは高くない。FL を含むindolent B-cell lymphoma に対する放射線療法では,局所制御に必要な照射線量は30~36 Gy で十分であるとの国際的な放射線腫瘍医のコンセンサスがある2)3)
 放射線療法への単剤あるいは多剤併用化学療法の追加が再発を少なくするという証拠はない4)。一方,多剤併用化学療法とのcombined modality therapy がhistorical control の放射線療法単独よりも成績が良いとの報告もある3)が,照射野内も含めた二次がんが14%も出現したのは問題である3)
 放射線療法が回避されるべき場合,無症候性の患者には無治療経過観察が考慮され得る5)


[参考文献]

1) Pugh TJ, et al. Improved survival in patients with early stage low-grade follicular lymphoma treated with radiation : a Surveillance, Epidemiology, and End Results database analysis. Cancer. 2010 ; 116( 16) : 3843-51.(2A)
2) Pendlebury S, et al. Radiotherapy results in early stage low grade nodal non-Hodgkin’s lymphoma. Radiother Oncol. 1995 ; 36( 3) : 167-71.(3iA)
3) Seymour JF, et al. Long-term follow-up of a prospective study of combined modality therapy for stage Ⅰ -Ⅱ indolent non-Hodgkin’s lymphoma. J Clin Oncol. 2003 ; 21( 11) : 2115-22.(3iiiA)
4) Kelsey SM, et al. A British National Lymphoma Investigation randomised trial of single agent chlorambucil plus radiotherapy versus radiotherapy alone in low grade, localised non-Hodgkins lymphoma. Med Oncol. 1994 ; 11( 1) : 19-25.(1iiA)
5) Advani R, et al. Stage I and II follicular non-Hodgkin’s lymphoma : long-term follow-up of no initial therapy. J Clin Oncol. 2004 ; 22( 8) : 1454-9.(3iiiA)


CQ 4高腫瘍量の初発進行期FL に対してリツキシマブ維持療法を実施すべきか
推奨グレード
カテゴリー1

GELF規準による高腫瘍量例において、リツキシマブ併用化学療法により奏効がえられた場合、リツキシマブ維持療法は無増悪生存期間の延長を期待した治療として推奨される。

[解 説]

 リツキシマブ(R)維持療法はGELF 規準による高腫瘍量[① bulky 病変(≦7 cm),②長径3 cm 以上の別々の3 リンパ節,③症候性の脾腫,④腫瘍による臓器圧迫,⑤胸水または腹水,⑥血清LDH またはβ2 ミクログロブリンの上昇,⑦ B 症状あり,のいずれかを持つもの]のみ無増悪生存期間(PFS)を延長させるエビデンスがある1)。ただし,高腫瘍量に対しても,全生存期間(OS)を延長する証拠は示されていない。低腫瘍量の初発進行期FL に対してR 併用化学療法後のR 維持療法の意義を評価した臨床試験の報告はない。さらに現時点では,わが国ではR の維持療法はいかなる腫瘍量に対しても保険適用外である。


[参考文献]

1) Salles G, et al. Rituximab maintenance for 2 years in patients with high tumour burden follicular lymphoma responding to rituximab plus chemotherapy( PRIMA) : a phase 3, randomised controlled trial. Lancet. 2011 ; 377(9759) : 42-51.(1iiDiii)


【第1.2版修正】

CQ 4初発進行期FL に対してリツキシマブ維持療法を実施すべきか
推奨グレード
カテゴリー1

GELF(Groupe d’Etude des Lymphomes Folliculaires)規準による高腫瘍量に対してのみ,リツキシマブ維持療法は無増悪生存期間の延長がみられる。

推奨グレード
カテゴリー4

GELF規準による低腫瘍量例では、リツキシマブ導入療法後のリツキシマブ維持療法は推奨されない。

[解 説]

 リツキシマブ(R)維持療法はGELF 規準による高腫瘍量[① bulky 病変(≦7 cm),②長径3 cm 以上の別々の3 リンパ節,③症候性の脾腫,④腫瘍による臓器圧迫,⑤胸水または腹水,⑥血清LDH またはβ2 ミクログロブリンの上昇,⑦ B 症状あり,のいずれかを持つもの]のみ無増悪生存期間(PFS)を延長させるエビデンスがある1)。ただし,高腫瘍量に対しても,全生存期間(OS)を延長する証拠は示されていない。低腫瘍量の初発進行期FL に対してR 併用化学療法後のR 維持療法の意義を評価した臨床試験の報告はない。低腫瘍量の初発進行期FLを対象として、R導入療法後にR維持療法の継続と再燃時のR再治療を比較した 臨床試験では、両者で成功期間(Rの効果がみられる期間)には差がみられていない2) 。よって低腫瘍量の初発進行期FLでR導入療法後にはR維持療法は推奨されない。


[参考文献]

1) Salles G, et al. Rituximab maintenance for 2 years in patients with high tumour burden follicular lymphoma responding to rituximab plus chemotherapy( PRIMA) : a phase 3, randomised controlled trial. Lancet. 2011 ; 377(9759) : 42-51.(1iiDiii)
2) Kahl BS, et al. Rituximab Extended Schedule or Re-Treatment Trial for Low?Tumor burden Follicular Lymphoma: Eastern Cooperative Oncology Group Protocol E4402. J Clin Oncol. 2014;32(28):3096-102(1iiDi)

 


CQ 5FL 初回再発時の治療選択としては何が勧められるか
推奨グレード
カテゴリー2A

治療選択肢としてさまざまな方法があり,その優劣については比較検討した第Ⅲ相試験で論文として公表されたものは存在しない。

[解 説]

 FL の初回再発時の治療選択肢は優劣が不明であるが,以下に示すものが挙げられる。 ①無治療経過観察
②低腫瘍量の患者ではリツキシマブ(R)単独1)
③ R 抵抗例ではベンダムスチン単独2)3)。あるいはR +ベンダムスチン4)
④ R +フルダラビン(FLU)5)。FLU を含む多剤併用化学療法におけるR 併用の有無の比較試験で,マントル細胞リンパ腫では全生存で差がみられたのに対し,FL では全生存では差がなく無増悪生存でのみ化学療法単独との有意差があった5)
⑤先行治療がアントラサイクリンを含まないレジメンの場合,R-CHOP 療法6)
⑥ R を併用したその他の併用化学療法
⑦限局再発で照射可能である場合,放射線治療
⑧ Radioimmunotherapy(RIT)7)。初回再発時のほうが,それ以降の再発時よりも,より良い完全奏効割合・奏効期間が期待される8)。なお,R を併用しない化学療法後の完全奏効・部分奏効が得られた例にのみRIT による地固め療法の有効性を示唆するエビデンス がある9)が,R を併用した化学療法による初回治療後では,その有用性は示されていない。RIT は本邦では再発・再燃例でのみ適応があり,初回治療に対する奏効後,引続いて地固め療法として用いる適応はない。


[参考文献]

1) McLaughlin P, et al. Rituximab chimeric anti-CD20 monoclonal antibody therapy for relapsed indolent lymphoma : half of patients respond to a four-dose treatment program. J Clin Oncol. 1998 ; 16( 8) : 2825- 33.(3iiiDiv)
2) Friedberg JW, et al. Bendamustine in patients with rituximab-refractory indolent and transformed non- Hodgkin’s lymphoma : results from a phase Ⅱ multicenter, single-agent study. J Clin Oncol. 2008 ; 26( 2) : 204-10.(3iiiDiv)
3) Kahl BS, et al. Bendamustine is eff ective therapy in patients with rituximab-refractory, indolent B-cell non-Hodgkin lymphoma : results from a Multicenter Study. Cancer. 2010 ; 116( 1) : 106-14.(3iiiDiv)
4) Rummel MJ, et al. Bendamustine Plus Rituximab Versus Fludarabine Plus Rituximab In Patients with Relapsed Follicular, Indolent and Mantle Cell Lymphomas-Final Results of the Randomized Phase Ⅲ Study NHL 2-2003 on Behalf of the StiL( Study Group Indolent Lymphomas, Germany). Blood. 2010 ; 116 : abstract856.(1iiDiii)
5) Forstpointner R, et al. The addition of rituximab to a combination of fl udarabine, cyclophosphamide, mitoxantrone (FCM) signifi cantly increases the response rate and prolongs survival as compared with FCM alone in patients with relapsed and refractory follicular and mantle cell lymphomas : results of a prospective randomized study of the German Low-Grade Lymphoma Study Group. Blood. 2004 ; 104( 10) : 3064- 71.(1iiDiv/1iiDiii
6) van Oers MH, et al. Rituximab maintenance improves clinical outcome of relapsed/resistant follicular non-Hodgkin lymphoma in patients both with and without rituximab during induction : results of a prospective randomized phase 3 intergroup trial. Blood. 2006 ; 108( 10) : 3295-301.(1iiDiv)
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8) Emmanouilides C, et al. Treatment with yttrium 90 ibritumomab tiuxetan at early relapse is safe and effective in patients with previously treated B-cell non-Hodgkin’s lymphoma. Leuk Lymphoma. 2006 ; 47 (4) : 629-36.(3iiiDiv)
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CQ 6FL における自家移植の適応はup-front で行うべきか
推奨グレード
カテゴリー4

FL において,自家移植は初回治療に奏効した後に引続きup-front で行うべきではない。

[解 説]

 初回治療に奏効した後に引続きup-front で行うべきではない1)~5)。その理由として,二次がんの発生が増加することが報告されている2)4)5)。リツキシマブ(R)導入後の現在において,自家移植を何度目の再発時に施行すべきかは不明である。
 R 導入以前には,再発例に対して,通常量の化学療法に比較して大量化学療法(high-dose chemotherapy:HDC)が全生存期間(OR)を延長するとされたが,R の導入により自家移植以外の再発後の治療成績も向上した6)(カテゴリー2A)。ただし,この結果はR を含まない化学療法が初回治療として行われた患者に基づく結果で,またOS は再発時を起点としており,診断時からのOS ではなかった6)。また,初回治療中にR の投与を受けた患者においても,再発時にR を併用した自家移植が再発以後のOS を延長することが示された7)。現時点では自家移植は再発FL 例の無増悪生存期間(PFS)を延長する治療選択肢の一つと考えられる。


[参考文献]

1) Sebban C, et al. Standard chemotherapy with interferon compared with CHOP followed by high-dose therapy with autologous stem cell transplantation in untreated patients with advanced follicular lymphoma : the GELF-94 randomized study from the Groupe d’Etude des Lymphomes de l’Adulte (GELA). Blood. 2006 ; 108( 8) : 2540-4.(1iiA/1iiDiii
2) Deconinck E, et al. High-dose therapy followed by autologous purged stem-cell transplantation and doxorubicin- based chemotherapy in patients with advanced follicular lymphoma : a randomized multicenter study by GOELAMS. Blood. 2005 ; 105( 10) : 3817-23.(1iiA/1iiDiii
3) Lenz G, et al. Myeloablative radiochemotherapy followed by autologous stem cell transplantation in fi rst remission prolongs progression-free survival in follicular lymphoma : results of a prospective, randomized trial of the German Low-Grade Lymphoma Study Group. Blood. 2004 ; 104( 9) : 2667-74.(1iiA/1iiDiii
4) Ladetto M, et al. Prospective, multicenter randomized GITMO/IIL trial comparing intensive (R-HDS)versus conventional( CHOP-R) chemoimmunotherapy in high-risk follicular lymphoma at diagnosis : the superior disease control of R-HDS does not translate into an overall survival advantage. Blood. 2008 ; 111 (8) : 4004-13.(1iiA/1iiDiii
5) Gyan E, et al. High-dose therapy followed by autologous purged stem cell transplantation and doxorubicin- based chemotherapy in patients with advanced follicular lymphoma : a randomized multicenter study by the GOELAMS with fi nal results after a median follow-up of 9 years. Blood. 2009 ; 113( 5) : 995-1001. (1iiA/1iiDiii
6) Sebban C, et al. Impact of rituximab and/or high-dose therapy with autotransplant at time of relapse in patients with follicular lymphoma : a GELA study. J Clin Oncol. 2008 ; 26( 21) : 3614-20.(3iA)
7) Le Gouill S, et al. Impact of the use of autologous stem cell transplantation at fi rst relapse both in naive and previously rituximab exposed follicular lymphoma patients treated in the GELA/GOELAMS FL2000 study. Haematologica. 2011 ; 96( 8) : 1128-35.(3iA)


CQ 7再発FL に対して自家移植と同種造血幹細胞移植はそれぞれ妥当な治療選択肢であるか
推奨グレード
カテゴリー2A

自家移植と同種移植では後者のほうが治療関連死亡は高いが再発が少ない。このため両治療間で生存においては差がなく,両者とも選択肢となり得る。

[解 説]

 自家移植と同種移植では後者のほうが治療関連死亡(TRM)は高いが再発が少ない。このため両治療間で生存においては差がない1)~4)。従来再発が比較的多いとされてきた自家移植例でも最近生存曲線のプラトーが示されるようになった5)6)。しかし,二次がん特にtMDS/AML の増加が問題とされている。いずれもシクロホスファミド大量+全身照射が前処置に用いられていた5)6)
 骨髄非破壊的(Reduced-intensity conditioning:RIC)造血幹細胞移植の導入により,TRM が減少した7)結果,自家移植よりも同種移植のほうが良いとの報告がある8)(カテゴリー2B)。しかしこれは,ヒト主要組織適合性抗原(human leukocyte antigen:HLA)一致同胞がいる場合には同種,いない場合には自家移植を受けた比較試験で,患者集積ペースが遅く早期中止となった臨床試験のデータである。RIC が同種移植の中で標準治療になりつつあるが,Center for IBMTR のレジストリー・データの多変量解析により,RIC に比べ骨髄破壊的造血幹細胞移植の方がより再発が少ないという報告がある9)(カテゴリー2B)。ただし,両者間で無増悪生存期間,全生存期間とも統計学的に有意差はなく,RIC 群では比較的高齢者が多く,診断から移植までの期間が長かった9)ことから,両者間の優劣の判断は困難である。
 European Group for Blood and Marrow Transplantation(EBMT)のレジストリー・データから,HLA 適合非血縁者間の同種移植では3 年全生存割合51%,3 年無増悪生存割合47%,1 年次の無再発死亡率は30%と報告された10)(カテゴリー2B)。以上より,同種移植は若年者で,再発を繰り返す患者,奏効期間の短い患者での治療選択肢のひとつと考えられている。


[参考文献]

1) van Besien K, et al. Comparison of autologous and allogeneic hematopoietic stem cell transplantation for follicular lymphoma. Blood. 2003 ; 102( 10) : 3521-9.(3iA)
2) Bierman PJ, et al. Syngeneic hematopoietic stem-cell transplantation for non-Hodgkin’s lymphoma : a comparison with allogeneic and autologous transplantation--The Lymphoma Working Committee of the International Bone Marrow Transplant Registry and the European Group for Blood and Marrow Transplantation. J Clin Oncol. 2003 ; 21( 20) : 3744-53.(3iA/3iDi
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5) Gyan E, et al. High-dose therapy followed by autologous purged stem cell transplantation and doxorubicin- based chemotherapy in patients with advanced follicular lymphoma : a randomized multicenter study by the GOELAMS with fi nal results after a median follow-up of 9 years. Blood. 2009 ; 113( 5) : 995-1001. (1iiA/1iiDiii
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