2026 HOA 派遣レポート 原 健太朗

この度、日本血液学会のサポートのもと、2026 Highlights of ASH(HOA)in Asia-Pacificに参加させていただきましたことをご報告申し上げます。
私は医師8年目で主に臨床業務に従事しておりますが、昨年より移植ワーキンググループに所属し、臨床研究にも取り組み始めたところです。上司より、HOAでは最新の治療成績を効率的に学ぶことができることに加え、国内外の若手研究者との交流が今後のモチベーション向上につながるとの助言をいただき、本プログラムに応募いたしました。
日本からは私を含め6名が参加し、3日間のプログラムに臨みました。初日および2日目はHighlights of ASH(HOA)、最終日はTrainee Dayという構成でした。HOAでは各分野のエキスパートが2025年のASHで発表された重要演題を体系的に解説してくださり、最新の研究成果を効率的に学ぶことができました。特に、初発fit AMLに対してVEN/AZA療法と強力化学療法を比較した研究において、VEN/AZA療法がEFSで優れ、OSでは差が認められなかったという結果は大変印象的でした。また、AMLに対するCAR-T療法やCAR-NK療法の最新の治療成績についても理解を深めることができました。
プログラム中にはエキスパートとの昼食の機会が設けられており、Jia Ruan 先生よりCLLにおけるMRD評価について直接ご意見を伺うことができ、大変貴重な経験となりました。夕方には自由時間もあり、日本から参加された先生方と交流を深めることができました。特に、京都大学の高折先生、日本赤十字社医療センターの鈴木先生と食事をご一緒する機会をいただき、第一線で活躍されている先生方から直接お話を伺えたことは大きな刺激となりました。先生方のこれまでのキャリアや研究業績に触れ、自身も積極的に論文作成に取り組みたいという意欲が高まりました。
最終日のTrainee Dayでは、アジア各国から集まった若手医師・研究者とともに、ASHの講師陣から臨床研究およびキャリア形成について学びました。午前中は、研究計画の立案方法、指導医との関係構築、機械学習・AIの活用、論文投稿、研究倫理など、多岐にわたる講義を受けました。午後は7~8名の小グループに分かれ、新規治療薬時代における多発性骨髄腫に対する自家移植の意義についてディスカッションを行いました。すべて英語での討論であったため、自身の意見を適切に伝えることの難しさを実感しましたが、臨床試験を立案する貴重な機会であるとともに、トップレベルの研究者から直接アドバイスをいただくことができ、大変有意義な時間となりました。また、各国における治療水準や研究環境の違いを実感し、自身の置かれた環境の中で最善を尽くす重要性を再認識しました。ディスカッションの最後には、キャリア形成や現在取り組んでいる研究、論文作成に関する具体的な助言もいただき、今後の研究活動に大いに活かせる内容でした。一方で、英語での議論において十分に理解できなかった点や、自身の考えを正確に伝えるスピーキング力に課題を感じました。今後の海外学会での発表も見据え、引き続き英語力の向上にも努めていきたいと考えております。
3日間のHOAプログラムを通じて、多くの学びと刺激を得ることができました。今回の経験を糧に、今後の臨床および研究活動に一層励んでまいります。最後に、このような貴重な機会を与えてくださいました日本血液学会の皆様、ASH関係者の皆様、ならびに快く送り出してくださった鳥取大学血液内科のスタッフの皆様に心より御礼申し上げます。
