第81回日本血液学会学術集会

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会長挨拶

第81回日本血液学会学術集会会長
順天堂大学医学部内科学血液学講座
小松 則夫

 この度、第81回日本血液学会学術集会の会長を務めさせていただくことになりました。2019年10月11日(金曜日)、12日(土曜日)、13日(日曜日)の3日間、東京国際フォーラムでの開催を予定しております。新たな元号になって初めての記念すべき開催となります。今回の開催地となる東京では、同時期にラグビーワールドカップ2019が開催され、約10日後の10月22日には「即位礼正殿の儀(即位礼)」が行なわれます。そして翌年2020年には東京オリンピック・パラリンピックの開催という、極めて重要なイベントが次々と予定されており、緊張感と高揚感に満ちたムードの中での学術集会となります。そのような記念すべき時期に本学術集会を開催できますことを大変嬉しく思っております。
 メインテーマは「The Future is Now」と命名しました。20世紀米国を代表する文化人類学者と評されるMargaret Mead女史の名言です。直訳すれば、「未来は今」とシンプルですが、この言葉には「未来は勝手に私たちのもとに来るのではなく、今行っていることの結果なのである。自分自身が思い描く理想とする未来、すなわち夢に向かって今から行動を起こしましょう」という深い意味が込められています。このメインテーマに込めた想いとともに私の大好きな文字でもある「夢」を学術集会のメインビジュアルにしたいと考え、世界的にも著名な書道家である武田双雲氏の揮毫を得、素晴らしいポスターに仕上がったと自負しております。双雲氏の「夢」はサントリーのCMのものが有名ですが、ポスターの「夢」では、文字の真ん中に玉に見立てた血液を象徴する赤い円が描かれ、それを抱えながら龍が天に昇っていく、まさに「The Future is Now」に相応しいイメージです。そして特別講演には、このメインテーマに相応しい演者として、2016年ノーベル医学・生理学賞を受賞した大隅良典博士をお招きしました。大隅先生が若かりし頃に抱いた「夢」をどのように現実のものにしたのか、若者へのメッセージも含めた貴重な講演にご期待ください。さらに、遺伝子細胞療法の領域で常に世界をリードしているMalcolm K Brenner博士にも未来型遺伝子細胞療法に関する特別講演をお願いし、大いに「夢」を語っていただくことにいたしました。
 副題は、ご参加いただく皆様にわくわくしていただけるような学会にしたいとの思いから、「A Fascinating Era for Hematology」といたしました。新たな企画として、Clinical Debateのセッションを設けます。2名の演者が1つのclinical questionに対して異なる意見を戦わせ、会場の皆様がディベート開始前後で投票する、いわゆる「聴衆参加型のPro/Con debate」にしたいと考えております。悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、急性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、慢性骨髄性白血病、骨髄増殖性腫瘍、それぞれの治療方針について、会場が白熱した議論で大いに盛り上がることを期待しております。会長シンポジウムでは「夢」が現実となりつつあるAIと未来医療に関するシンポジウムと、私の専門でもあり、今後のさらなる展開が期待される骨髄増殖性腫瘍に関するシンポジウムを企画させていただきました。
 本学術集会でも国際化を重要視し、例年通り、ASH会長、EHA会長による特別講演、ASH、EHAとのJoint Symposium、アジア諸国とのAsian Joint Panel Discussionを企画しております。その他のシンポジウムも積極的に英語化するとともに、一般演題におきましてもアジアを含む海外からの一般参加者が発表しやすい環境作りを心がけ、国内だけではなく、海外からの参加者との素晴らしい交流の場を本学術集会が提供できればと思っております。また毎年大好評のASHとの共同プログラムであるScientific Exchange Training Program (SETP)も開催いたします。
 本学術集会が学術的にも充実し、全ての参加者の皆様に満足していただける学術集会にすべく、現在、プログラム企画委員会、学会事務局、運営事務局一同、鋭意準備を進めております。多くの皆様のご参加をお待ちしております。なにとぞ宜しくお願い申し上げます。

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