第80回日本血液学会学術集会

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会長挨拶

第80回日本血液学会学術集会会長
近畿大学医学部 血液・膠原病内科
松村 到

 この度、第80回日本血液学会学術集会の会長を務めさせていただくことになりました。
 平成30年10月12日(金)、13日(土)、14日(日)の3日間、大阪国際会議場(グランキューブ大阪)での開催を予定しております。
 日本血液学会が創立されたのは1937(昭和12)年であり、この翌年に第1回目の学術総会が勝沼 精蔵(名古屋大学)会長のもと京都で開催されました。また、日本臨床血液学会は1959(昭和34)年に設立され、第1回目の学術総会は田坂 定孝(東京大学)会長により東京で開催されました。その後、2つの学会はそれぞれで学術集会を開催してまいりましたが、2002年からの3年間は同時開催、2005年からの3年間は合同開催されました。そして、2008年に日本血液学会と日本臨床血液学会が合体し、現在の日本血液学会となりました。2学会合体後、学術集会への参加者数は毎年増加し、最近では参加者数が6,000名を超える大きな学会となっております。そして、今回は、第1回目の(旧)日本血液学会の学術集会から数えますと、80回目の記念すべき学術集会であります。このため、本学術集会のテーマは、”Progress of the Japanese Society of Hematology”とさせていただきました。本学術集会では我が国の血液学の歴史についてのパネル展示を行いたいと考えておりますので、是非ご覧いただければと存じます。現役世代である我々が、このテーマのもとに集うことによって、先人による進歩の軌跡を引き継ぎ、さらに前進していかなければならないことを再認識するきっかけになれば幸いです。
 近年の造血器腫瘍の治療の進歩には目を見張るものがあります。2001年に我が国の臨床の場に登場した分子標的療法は様々な造血器腫瘍に応用され、画期的な治療成績を残すとともに、さらなる新薬の開発が進んでいます。そこで、本学術集会の会長シンポジウムは「造血器腫瘍に対する分子標的療法の最先端」をテーマとする臓器横断的な内容と致しました。一方、PD-1阻害薬をはじめとする抗腫瘍免疫療法は、がん治療全体に大きな変革をもたらしつつあります。本学会の特別講演は、抗腫瘍免疫において中心的役割を担う制御性T細胞の発見者である大阪大学の坂口志文先生にお願いしました。また、クリニカルシークエンスを用いたがんの個別化治療など近未来の造血器腫瘍の診断・治療学にも焦点を当てたいと考えております。
 国際化の流れの中で、本学術集会の在り方は、大きく変化しつつあります。ASH会長、EHA会長による特別講演、ASH、EHAとのJoint Symposium、アジア各国とのAsian Joint Panel Discussionが企画されるとともに、ほとんどのシンポジウムが英語化され、一般口演においてもアジア各国からの一般参加者の増加に対応するために英語のセッションが数多く組み込まれるようになりました。日本血液学会に求められている国際化に対応するために、本学術集会でも主要なセッションはこの流れを引き継ぐ形となり、海外からの一般演題もできる限り数多く受け付けたいと思っております。このような中で、本学術集会が、海外からの参加者との交流の場としての新たな役割を果たせることを期待しております。しかし、英語化に躊躇される参加者もおられますので、その点にも十分配慮したいと考えております。
 大阪での学術集会の開催は、平成26年の金倉 譲会長の開催からあまり期間が経っておりません。しかし、大阪は、魅力ある街です。大阪城、通天閣、道頓堀、そして、学会場の近くに、ユニバーサルスタジオジャパン、海遊館などの観光スポットが控えています。また、「くいだおれ」と呼ばれるように大阪の食文化は豊かです。学術だけでなく大阪の街も楽しんでいただければと思います。
 本学術集会が、学術的に充実し、かつ、様々な点で参加者全員に満足していただけるよう、現在、プログラム企画委員会、学会事務局、運営事務局一同、鋭意準備を進めております。数多くの皆様のご参加をお待ちしておりますので、よろしくお願い申し上げます。

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