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ミーティング・コミュニケーションに思うこと

更新日時:2021年12月8日

ミーティング・コミュニケーションに思うこと

熱田 由子
日本造血細胞移植データセンター

 JSH会員の女性医師のみなさま、日本造血細胞移植データセンター(JDCHCT)の熱田由子です。

 JDCHCTは、国内の造血細胞移植および細胞治療に関するアウトカム情報を医療機関から収集・管理し、アクティビティーの把握に役立てると同時に、国内外で実施されるさまざまな研究への利用を推進すべく、日々活動をおこなっています。日本造血・免疫細胞療法学会が名古屋大学に設置した寄附講座(名古屋大学医学部造血細胞移植情報管理・生物統計学寄附講座)の活動を引き継ぐ組織として2013年に設立されました。
 私は、日本赤十字社愛知医療センター名古屋第一病院での造血細胞移植の診療経験を経て、名古屋大学大学院医学系研究科予防医学・医学推計判断学にて臨床疫学を学びはじめた2003年以降、造血細胞移植・細胞治療のレジストリ運営を担当してきました。なんと、近々20年目を迎えます!

 日本の造血細胞移植・細胞治療のレジストリ担当者として、国際プロジェクト等の会議に参加させていただくことは、大変貴重な経験となっています。造血細胞移植・細胞治療のレジストリという限られた領域ではありますが、日本からの参加者が私を含めて数名のみという状況ですと、参加する立場から会議の目的のために貢献する責務があることを、ひしひしと感じます。今でも、会議後に意見を言えなかった・・とがっくりうなだれることは少なくありませんが、ことに最初の数年間は、なかなか言いたいことが言えずもどかしい会議の連続でした。発言がない場合には、意見がないものとして会議が進行していくことにも焦っていたように思います。
 造血細胞移植・細胞治療のレジストリでは、北米のCIBMTR、そして欧州のEBMTが該当領域をリードしています。会議への参加者における、女性の割合は高く、会議で示されるそのリーダーシップに圧倒されます。積極的に発言される方が多いのですが、的確なコメントに感心することが多いと同時に、自然体でいらっしゃるご様子がとても魅力的に感じました。

 プロジェクトや組織運営のためには、構成する様々な立場からの貢献がとても重要であることは言うまでもありませんが、意見を言葉にして伝えるということは、容易ではないと思います。それでも、必要と感じるときには、声を出していただきたいと思います。上司や先輩の方々には、伝えた勇気をみとめ、耳を傾けていただけますように、願います。

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