表1:臨床上のエビデンスレベル
エビデンス | 診断 | 治療法選択 | 予後予測 |
---|---|---|---|
レベル A | 当該造血器腫瘍の診断に有用なバイオマーカーとして、学会指針、もしくは専門家によるガイドライン等に収載されている遺伝子異常 | 当該血液腫瘍を対象として: 1. 薬事承認において、適応の条件としてあげられている遺伝子異常 2. FDA承認において、適応の条件としてあげられている遺伝子異常 3. 治療*に対する反応性や抵抗性を予見するバイオマーカーとして、日本もしくは海外の学会指針等のガイドラインに収載されている遺伝子異常 |
当該造血器腫瘍の予後予測に有用なバイオマーカーとして、学会指針、もしくは専門家によるガイドライン等に収載されている遺伝子異常 |
レベル B | 当該造血器腫瘍の診断に有用なバイオマーカーとして、統計学的信憑性の高い大規模臨床試験で証明され、当該分野の専門家間のコンセンサスを得た遺伝子異常 | 当該造血器腫瘍を対象とした治療に対する反応性や抵抗性を予見するバイオマーカーとして、統計学的信憑性の高い臨床試験で証明され、かつ当該分野の専門家間のコンセンサスを得た遺伝子異常 | 当該造血器腫瘍の予後予測に有用なバイオマーカーとして、統計学的信憑性の高い大規模臨床試験で証明され、当該分野の専門家間のコンセンサスを得た遺伝子異常 |
レベル C | 診断に有用なバイオマーカーとして、多数の小規模臨床試験で証明された遺伝子異常 | 1. 当該造血器腫瘍以外のがん種を対象に、薬事承認、FDA承認、もしくは学会承認された治療への反応性や抵抗性を予見する遺伝子異常 2. 臨床試験において治療選択基準として使用されている遺伝子異常 |
予後予測に有用なバイオマーカーとして、多数の小規模臨床試験で証明された遺伝子異常 |
レベル D | 小規模臨床試験や複数の症例報告から、単独、もしくは他のバイオマーカーとの併用により、診断における有用性が示唆される遺伝子異常 | 1. 小規模臨床試験や複数の症例報告から、治療に対する反応性や抵抗性を予見するバイオマーカーとして示唆される遺伝子異常 2. 前臨床研究から、治療に対する反応性や抵抗性を予見するバイオマーカーとして示唆される遺伝子異常 |
小規模臨床試験や複数の症例報告から、単独、もしくは他のバイオマーカーとの併用により、予後予測における有用性が示唆される遺伝子異常 |
* 治療薬だけでなく、各種の治療法(幹細胞移植法、免疫抑制療法、多剤併用化学療法など)も含む。