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利益相反規定


医学研究と利益相反について


分子生物学、細胞生物学、そしてゲノム研究の急速な発展は、基礎医学、臨床医学の分野に大きな進歩をもたらして参りました。血液学の領域でも、分子標的治療薬の開発が、多くの患者さんに大きな福音をあたえたことは周知であります。多くの研究者や臨床医が製薬企業と一致協力してはじめて、新薬、あるいは新しい治療法を患者さんの手元にとどけることが可能になったわけです。産学連携活動の重要性が主張される所以であります。


しかし、製薬企業は基本的に営利団体であります。製薬企業が医師と患者の関係に協力して関係を深めれば深める程、医師個人(あるいは団体)と製薬企業との間の連携が生まれれば生まれる程、必然的に医師個人や団体の利益が国民や患者の公的利益と相反する状態が否応なしに発生して参ります。言い方をかえれば、研究者個人や団体をめぐる金銭的な関係によって、研究のあり方や結果の解釈、発表などに関してバイアスがかかることが懸念されるのではないかと言う疑義が必ず持ち上がってきます。こういった状況をConflicts of Interest (COI:利益相反)と呼びますが、これに対していかに対処すべきかと言うことが今われわれに問われております。COIはすべての研究分野について生じるものと医学分野特有のものとがあります。米国でのゲルシンガー事件で問題になりましたように、医学分野のCOI違反は深刻であります。医師や臨床研究医が「大学の利益」、「企業との関係により生じた利益」と、他の研究分野にはない「患者の利益」の狭間におかれ、「患者の利益」は生命にかかわる問題となるからであります。


折しも、わが国で2013年に明るみに出た高血圧治療薬バルサルタンの臨床試験では、データが改ざんされていたことはまったくの論外でありますが、同時にCOIの開示がきわめて不適切であったことも大きな瑕疵としてとりあげられ、臨床研究の信頼性を損なう一大スキャンダルとなったことは周知であります。生命倫理、研究倫理は利益相反の考え方のバックボーンを形成するものであり、この三者は相互に深いつながりを持っております。したがって、医師や研究者は社会に開かれた精度の高い医学研究を推進する上で、公共性と高邁な倫理性を有すべきことはもちろんでありますが、産学連携の透明性を確保して、それを社会に対して積極的に開示してゆく責務があります。


繰り返しますが、患者さんに安全で効果的な新しい治療法を一刻も早く届けるには、産学連携による研究開発は不可欠であります。新しい治療法の開発を今や遅しと待っているのは病に苦しむ患者さんであります。だからこそ、臨床開発の過程とは切り離せないCOIの問題に対して真摯に向き合うことがわれわれ 研究者や臨床医に、今、厳しく求められております。


COI開示に関して問題となった事例や社会的背景を考慮して、日本医学会の「医学研究のCOIマネジメントに関するガイドライン」も改訂を重ね、最新版が近日中に公表される予定であります。日本血液学会は従来のCOI規定に加えて、このガイドラインに準拠して、医学研究をより一層推進させて行きたいと考えております。日本血液学会会員諸氏におかれましてはCOI開示の重要性をご理解いただき、ご協力のほど何卒宜しくお願い申し上げます。


平成27年3月5日

日本血液学会理事長 赤司浩一
COI委員会委員長 前川 平


利益相反規定

医学研究の利益相反(COI)に関する共通指針
日本血液学会利益相反細則 2016(平成28)年1月一部改定
日本医学会 医学研究のCOIマネージメントに関するガイドライン 2015(平成27)年3月一部改定
全国医学部長病院長会議 COI(利益相反) マネージメントガイドライン
日本学術会議 臨床研究にかかる利益相反(COI)マネージメントの意義と透明性確保について

COI 各種フォーム

学術集会発表時における自己COI申告書
※申告基準については、「利益相反細則」第2条(COI自己申告の基準について)を
  ご参照ください。
※筆頭/共同演者に申告すべき利益相反がある場合、、フォームの記載例を参考に、
  筆頭演者がとりまとめて申告ください。
開示スライド例・ポスター例


学術集会発表者

■演題登録

日本血液学会学術集会で一般演題発表をされる筆頭演者は、演題登録画面で、抄録提出前1年間における筆頭および共同演者全員の利益相反状態について、(申告すべき利益相反は)「ない」もしくは「ある」にチェックを入れてください。「ある」にチェックを入れた方は、上記、「学術集会発表時における自己COI申告書」を演題発表までに日本血液学会京都事務局(coi@jshem.or.jp)宛て送信ください。


■演題発表/講演

日本血液学会が主催する学術集会や講演会で発表・講演を行う筆頭発表者は、上記COI 開示スライド例を参考にして、口演発表ではスライドの最初に(または演題・発表者などを紹介するスライドの次に)、ポスター発表ではポスター掲示の最後に、筆頭および共同演者全員の 過去1年間におけるCOI 状態を開示下さい。


本学会機関誌への投稿

 

『臨床血液』および『International Journal of Hematology』で発表を行う著者全員は、会員、非会員を問わず、COI状態を投稿規定に定める様式を用いて、事前に学会事務局へ届け出てください。

※詳細は、各機関誌の「投稿規定」をご参照ください。

  『臨床血液』  http://www.jshem.or.jp/bulletin/rinsho-kitei.html

  『International Journal of Hematology』  http://www.jshem.or.jp/bulletin/ijh-kitei.html


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