理事長挨拶
2009年10月23日、社団法人日本血液学会理事長に就任いたしました。伝統ある日本血液学会の理事長の大役を仰せつかることになり、大変名誉なことと思いますとともに、責任の重さを痛感しております。小澤副理事長・須田副理事長とともに理事・代議員の皆様の協力を得て、微力ではありますが全力を尽くしたいと思っております。
日本血液学会はこの数年で大きな変革を遂げてきたことは皆様もご承知の通りでございます。前任の池田理事長、また、その前任の浅野理事長が粉骨砕身され、日本血液学会と日本臨床血液学会が統合され、新たな日本血液学会が誕生致しました。統合後、2度の学術集会も盛大に開催され、「日本血液学会」は順調に進みだしております。しかし、血液学会としての基盤をさらに強固なものとするには残された課題もございます。
第一に、当初計画しておりました様に血液学としての基礎領域、臨床血液としての臨床領域の両翼をさらに強化することが重要だと思います。さらに、基礎医学・臨床医学の融合やトランスレーショナルリサーチの推進にも先導的役割を担っていかなければなりません。そのためには、血液学の診療・研究を担う若手人材育成が重要であります。初期臨床研修導入後、血液学を志す若手医師は減少傾向にありましたが、最近やや増加する兆しが見えてきております。日本血液学会としましても、学生、研修医にセミナーなどで血液学の面白さを知ってもらうとともに、血液専門医のキャリアパスを明確に示していく必要があると思います。また、地方会レベルでの血液学の振興、若手人材育成への努力も必要であります。
次に、医学・医療の国際化をさらに推進しなければなりません。日本血液学会は、高い学問水準の基礎研究や臨床研究により国際的にも貢献してまいりました。現在、国際委員会が活発に活動し、米国血液学会(ASH)やヨーロッパ血液学会(EHA)との連携が進んでいます。また、2010年より毎年、国際シンポジウムを日本各地で開催することも決まっております。さらに、アジア近隣諸国との連携をさらに深める必要がございます。アジアを束ね、欧米に劣らない臨床・基礎両面での学術的成果をあげることが我が国の学術団体に求められています。学会を中心に我が国独自の臨床的エビデンスを構築するとともに、国際的共同研究にも積極的に参加して行かなければなりません。
最後に、会員や社会に開かれた学会を目指したいと思います。血液学や血液疾患の診療に関する最新情報をすみやかに会員や社会に公表するとともに、臨床現場の医師や患者・家族・支援者などの声にも耳を傾け、より良い医療の発展に貢献しなければなりません。また、行政や企業の方とも今後の医療についての対話が必要です。特に会員の皆様には日本血液学会で討議されております内容につきまして、ホームページや血液学会ニュースを通じてお伝えしたいと考えております。是非とも忌憚のない意見をお寄せください。
学術・診療・教育の三本柱のバランスを保持しながら、我が国の血液学のおかれている現状を正しく認識し、将来の計画を立てる事が重要と考えています。会員諸氏のご協力を切に希望する次第であります。よろしくお願い致します。
平成22年1月
社団法人日本血液学会理事長
金倉 譲





